「サーフィンのテイクオフ時のバタ足は必要か?」この問いは簡単にYES・NOで答えることができない。これはサーフィンに限った話ではなくスポーツ全般にいえることだが、テクニックに正解はあってないに等しい。
体格や身体能力、感覚、クセなど人はそれぞれ異なるため容易に答えを絞ることができないのだ。要は自分に合っている理論や技術を実践することが唯一の正解なのである。サーフィンのバタ足に関しても必要な人もいれば必要でない人もいるだろう。
今回はサーフィンのバタ足の推進力について解説しトッププロサーファーがバタ足をする理由について解説したい。
サーフィンのテイクオフでバタ足は逆効果?
気になるのはバタ足の効果、テイクオフ時にバタ足をすれば加速するのかというところ。バタ足で推進力が上がるのは水泳の定説でサーフィンにも共通すると思われがちだが、先日、「水泳の過剰なバタ足が逆効果」という定説を覆す興味深い論文が筑波大学・研究チームによって発表された。
過剰な「バタ足」は逆効果 筑波大などクロールで比較実験 https://t.co/JoQ6z5DXMz
— 産経ニュース (@Sankei_news) July 29, 2018
論文によると泳ぐスピードが速くなるとバタ足は水の抵抗を増大させる。つまりバタ足が逆効果になるというのだ。
もちろん論文でサーフィンのバタ足まで言及していないが、ボーディボードとは違い足ヒレをつけないサーフィンのバタ足は水泳と同じく水の抵抗を増大させて逆効果になると考えられる。
トッププロがバタ足をする理由とは?
バタ足をしても加速せずむしろ水の抵抗を受けてしまうのであればサーフィンのテイクオフ時はする必要がないのではないか。
しかしこちらの動画を見てほしい↓
世界のトププロサーファーがコンテスト時の優先権を争うパドル勝負でバタ足をしているのだ。ではこのバタ足に意味はないのだろうか?気休めなのか?
いやそれは違う、このバタ足はバランスを保つために必要な動作なのだ。ゆっくりと沖へ向かうリラックスしたパドルでバランスが崩れることはまずないが、波に乗るときや動画のように全力パドルをするときは手を遠くに出して力を込めて漕ぐためバランスが崩れやすい。
いくら強く漕いでもバランスが崩れてボードの先端が左右に振れるとスピードに乗ることができない。そのため左右に振れる反動を消すためにバタ足をしているのだ。
水面を強く漕げる人であればあるほどそれに比例してバタ足も強くする必要がある。トッププロサーファーのバタ足は決して推進力を上げるためのものではなく体のバランスを保つための動作だ。例えそのバタ足が水の抵抗を受けていてもそれ以上の力を生み出している。
まとめ
冒頭でも記述したがサーフィンのバタ足について全員が全員バランスを保つためにバタ足が必要かといえばそうではない。それはバタ足以外の方法でバランスを保つサーファーもいれば、体格や腕の長さによってはそもそも必要がない場合もあるからだ。
とにかくいえることはパドルの加速目的でのバタ足は期待できない。パドル時にバランスを崩しやすくバタ足で安定するのであれば実践するべきである。何より自分なりの答えを探すことが大切だ。
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