近年、サーフィン業界で注目を集めているものと言えば人工波を使ったウェイブプールです。
ウェイブプールというのは特殊な装置と仕組みによって人工的に発生させた波に乗ることを楽しむというひとつのアクティビティー施設なのですが、世界のいろいろな場所で建設がおこなわれたり今後建設の予定が立てられたりしています。
そんな人工波施設は日本にもあるのか?と言いますと、実は今のところ2か所だけあります。
ここでは、国内における人工波施設と今後の開発事情について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考までにご覧になっていってください。
日本は人工波施設(ウェイブプール)が少ない
サーフィン業界では人工波施設のことをウェイブプールと呼んでいます。ウェイブプールの歴史は意外にも長いのですが、近年、特に注目されるようになり世界中で建設が進んでいます。
その要因の一つとして、ケリースレーターが携わったカリフォルニアの「サーフランチ」があります。サーフランチの波は自然に発生する波に近いものを再現していて、WSLのCT(チャンピオンシップツアー)の会場として使用されるほどです。
なお、サーフランチにはこれまでに多くのプロサーファーを始め、他のジャンルの著名人たちも足を運んでいます。ある意味ではセレブの遊び場ともなっているのですが、サーファーからすると天候などに左右されず良い波に乗れるというのは非常に魅力的なことです。
そんなウェイブプールですが、日本ではまだその数が少なく、現在のところ国内で人工波に乗れる施設は2つしかありません。(2020年9月時点)
また細かく見ていくとサーフランチのような海の波を再現して一般的なサーフィンができる施設は今のところ日本に1つだけです。
というのも、人工波を使った大型のウェイブプールを建設するには莫大な費用が必要となるからです。
また、ウェイブプールが作れるくらいの敷地を用意するというのも大変なことで、世界でもウェイブプール建設の計画が頓挫することは珍しくありません。
とは言え、せっかく日本に人工波を楽しめる施設があるのであれば行ってみたいと思うサーファーもたくさんいますよね。
そこで、国内にある2つのウェイブプールについて、次に詳しくご紹介していきたいと思います。
日本でサーフィンができる人工波施設
日本で人工波に乗れるウェイブプールは「兵庫県神戸市」と「東京都大井町」の2か所にあります。ただ、それぞれウェイブプールのタイプが異なりますので、詳しく解説していきます。
KOBE-REYES
KOBE-REYESは2020年3月に本格的にオープンしたウェイブプールです。
最大の特徴はその敷地の広さにあり、サーフランチのように海に近い波を再現しているため、自然に発生する波と同じようなサイズの波に乗ることが出来ます。
また、神戸の中心地から車で20分ほどの場所にあるため、アクセスも良好な施設となっています。
なお、KOBE-REYESではアーリータイムに関しては予約制、レイトタイムは当日その場での受付対応となっていますが、予約が可能な時間は朝の7時から昼12時15分までの間です。
この時間帯を4つのセッションに区切っていますので、その間で都合の良いときを選び予約をするのがいいでしょう。(1セッション最大4名)
ちなみに利用時間はアーリータイムで100分、レイトタイムで150分となっていて、料金はどのセッションでもひとり1万円に設定されています。
レイトタイムに関しては昼2時から夜19時10分までの間に3セッションが設けられていて、いずれの時間も最大12名まで利用することが可能です。
また、こちらのKOBE-REYESでは貸切も受け付けていますので、サーファー仲間同士で集まってイベントをおこなうことも出来ます。
さらにKOBE-REYESでは女性レンタル無料といったサービスもおこなっているため、初めてサーフィンにチャレンジをしたいという女性の方にもおすすめです。
なお、レンタルが可能なものは以下の通りですが、水着やタオルに関しては持参するようお願いがされていますので把握しておいてください。
ソフトボード(2000円)
ウェットスーツ(2000円)
マリンシューズ(500円)
ウェット&ソフトボード&マリンシューズセット(3500円)
※()内金額は男性がレンタルをする際の価格
ウェットスーツについては着用の義務がないので夏シーズンなどにおいてはなくても問題ないでしょう。
ただし、ウェイブプールの下はコンクリートになっていますので、初心者はマリンシューズの着用が推奨されています。
この点も理解しておくと安全に人工波が楽しめるかと思います。
なお、こちらの施設に関する住所は以下の通りですので、参考にしてみてください。
【KOBE-REYES】
住所:神戸市北区山田町原野1-1 みのたにグリーンスポーツホテル敷地内
citywave Tokyo
こちらの「citywave Tokyo」は東京大井町の「スポル」という複合型スポーツ施設内の一画にある人工波施設で、KOBE-REYESのように海に近い波を再現しているのではなく、傾斜の水の流れを利用したフローライダー方式のウェイブプールになります。
パドリングからテイクオフをする一般的なサーフィンとは異なりますが、広大な場所を必要としないため、都心部に設置できる大きな魅力があります。
また、スポルの敷地内にはバーベキュースペースもあるため、サーフィンを楽しんだあとに仲間内でちょっとしたパーティーなどを楽しむことも可能です。
そんなcitywave Tokyoの最大の特徴は初心者でも上級者でも楽しめるよう波の設定を変えられるところです。
利用する際にコースを選択するのですが、選択したコースによって波の勢いなどが変わってきます。
また、まったくの初心者という方であれば初級のレッスンプログラムもありますので、練習をしたいという方にも最適な場所と言えるでしょう。
ちなみにキッズコースというのもありますので、お子さんにサーフィンを安全に体験させてあげたいという方にもおすすめができます。
(いきなり海に連れていき自然の波を体験させるより、citywave Tokyoのキッズコースから水に慣れさせていった方がきっとお子さんもサーフィンに興味を持ってくれるはずです)
なお、citywave Tokyoでは水着以外すべての必要アイテムが無料レンタル可となっています。
そのため、ほぼ手ブラでサーフィンを楽しめるというのも魅力的な部分と言えますね。
(料金内にサーフボード・ウェットスーツ※夏場はラッシュガード・ヘルメット・タオルのレンタルが含まれています)
【citywave Tokyo】
住所:東京都品川区広町2-1-19スポル品川大井町 内
牧之原でサーフィン用ウェイブプールが建設中
いまのところ国内で利用可能なウェイブプールというのはご紹介した2か所のみですが、実は静岡県牧之原でもウェイブプールの建設が進んでいます。
こちらは2020年秋オープン予定となっていて、完成したとすると国内で3番目のウェイブプールとなり、しかもその規模はこれまでもっとも大型であると発表されています。
(横150m×奥行60mを予定)
特徴は最大2.1メートルの波のチューブを再現できるところとされているので、完成が待ち遠しいというサーファーも多いことでしょう。
ちなみに飲食施設なども併設する予定とのことですから、サーフィンを含めた複合的商業施設になるようなものが完成するかもしれません。(2020年9月時点の情報)
なお、この施設に使われる造波装置はテキサスにあるBSRリゾートウェイブプールと同じものを使用するようで、あらゆる形の波が作りだせると言われています。
まとめ
世界で注目を集める人工波施設「ウェイブプール」についてご紹介してきました。
国内ではまだその数が多くありませんが、これから新しく建設が予定されているものもありますので非常に今後が楽しみと言えるでしょう。
自然の波と同じようなレベルの波に乗れるウェイブプールというのはサーファーにとっても興味深いものだと思いますので、ぜひ機会があれば試してみてください。