朝焼けや夕焼けを見ていて「キレイだな」と感じる人は多いと思いますが、なぜ朝焼けや夕焼けといった現象が起きるかご存知でしょうか?
通常の空はいわゆる「青空」と表現されるだけあって青い色をしています。
しかし、朝焼けや夕焼けを想像してみるとその色は赤い色をしているはずです。
どうしてこのように空の色が変わって見えるのか?
この記事ではそんな疑問に対して分かりやすい解説をおこなっていますので、ぜひ参考にしていってください。
朝焼け・夕焼けとは?
それではまず朝焼け・夕焼けという現象について説明をおこなっていきたいと思います。
ちなみに朝焼けも夕焼けも基本的には同じ原理で発生するものです。
朝焼け
朝焼けというのは太陽が地平線から昇ってきたときに空が赤やオレンジ色に見える現象のことです。
当然雨が降っているときにはこの朝焼けが見えないわけですが、これは太陽の光を雲が遮っているからです。
朝焼けが発生する最低条件には「太陽が低い位置にある」「太陽光を遮るものがない」といったものが挙げられます。
まず太陽が低い位置にあるというのは、自分のいる地上から太陽が遠く離れていることを意味します。
逆に太陽が真上にあるような昼間のタイミングというのは自分と太陽の距離が近くなっているわけですね。
太陽から放射される光には波長があり、波長が短いものほど青く、波長が長いものほど赤く見えるといった性質を持っています。
つまり太陽が真上にある状態だと空は「青空」になり、太陽が地平線の彼方にある状態だと「朝焼け(赤色)」になるわけです。
夕焼け
夕焼けが発生するメカニズムというのは朝焼けと同様です。
日の出のときに空が赤やオレンジ色に見えるのと、日没のときに空が赤く染まるのは同じ原理によって起こっています。
これは先ほども伝えた「自分がいる場所と太陽との距離」が関係してくるのですが、夕焼けの方が色のグラデーションがハッキリと見えやすいといった特徴もあります。
というのも、太陽の光には青から赤という反対色までの間に様々な色があり、昼間の青から赤に移動していく過程の方が空の色もグラデーションに染まりやすいわけです。
反対に朝焼けは真っ暗に見える部分から最初に赤色の光が目に入ってくるようになっているので、表現としては「真っ赤な朝焼け」といった形になります。
これが朝焼けと夕焼けという現象が起きる仕組みなのですが、ご覧いただいたように2つの間にはそこまで大差がありません。
ただし、朝焼けや夕焼けがキレイに見える条件となると少しだけその特徴に差が出てきますので、そういった部分を次に説明していきたいと思います。
朝焼け・夕焼けがきれいに見える条件は?
朝焼けや夕焼けがキレイに見える条件というのは単純に晴れていればOKというわけではありません。
仮に写真などを趣味とする方であれば美しい朝焼けや夕焼けが発生する条件を知っておくと非常に便利ですので、ぜひこちらの内容を参考にしていってください。
朝焼け
朝焼けがキレイに見えるための条件には以下の3つの要素が欠かせません。
・太陽の位置
・湿度
・大気中の雲や塵
まず太陽の位置ですが、こちらはとにかく低い位置にあるときの方がキレイな朝焼けになります。
つまり日の出が観測されるタイミングが一番キレイな色を出すということですね。
これは太陽が発する光のうち、もっとも波長が長いものが赤色だからです。
太陽の光は波長の長さによって色が変わり、長いものの方から赤➡オレンジ➡黄色➡緑➡青といった変化を見せます。
こうした原理から、太陽が自分のいる位置にもっとも近付く昼間は青空が広がるわけです。
反対にキレイな朝焼けを見たいのであれば、とにかく太陽が地平線や水平線から昇ってくる瞬間を狙うことが大切です。
そして次に湿度という要素ですが、こちらはだいたい湿度50%前後くらいがちょうどいいとされています。
太陽の光には色があると伝えましたが、この光は色ごとによって光が散乱しやすい・しにくいといった異なる性質を持っています。
ちなみにその性質は青色がもっとも散乱しやすく、赤色がもっとも散乱しにくいといった形です。
ある程度の湿度があると青色の光が水蒸気によって散乱し、赤色の光が真っ直ぐ届きます。
この結果としてキレイな朝焼けが発生するわけですが、もちろん湿度が高すぎると空自体が曇ったりしてしまって上手く太陽の光が届いてきません。
そのため、だいたい50%前後くらいの湿度が良いとされているわけです。
また、最後の要素に挙げた大気中の雲や塵といったものも、この光の散乱に大きな影響を与えます。
太陽と自分の間に雲が発生してしまえば当然太陽の光が真っ直ぐ届かないのでキレイな朝焼けにならず、逆に大気中に適度な塵がないと青色の光が散乱をしてくれないのでこれまた美しい赤色にならないわけですね。
大気中に適度な塵が発生していると散乱しやすい青色の光はこちらまで届かず、散乱しにくい赤色の光はほどよく散乱を繰り返しながら自分の目に飛び込んできます。
これが「朝焼けがキレイに見えるための条件と仕組み」となっていますので、ぜひ覚えておいてください。
夕焼け
夕焼けがキレイに見える条件というのは、こちらも朝焼けとほぼ同様です。
太陽がもっとも低い位置にあり、湿度がやや高く、大気中に適度な塵がある状態がキレイな夕焼けになる条件となります。
ちなみに日本の場合だと冬より夏の方が一定以上の湿度を保っているので、夕焼けがキレイに見えるといった特徴もあります。
なお、冬の場合で考えると夜の間に地表に溜まった朝露がうっすらと蒸発しながら日の出を待つので、夏より朝焼けがキレイに見えることもあるようです。
とは言ってもこれはあくまで科学上の理論ですので、夏でも冬でも一定の条件が揃えばキレイな朝焼けや夕焼けを見ることが可能です。
朝焼け・夕焼けを写真で撮るコツ
朝焼けや夕焼けを撮影するというのは、つまり「逆光の被写体」を撮ることになりますのでホワイトバランスの調整がもっとも重要となります。
特に朝焼けを撮影するときは、暗闇から段々と大量の光がカメラのレンズに入ってきますので、普通の設定をしていると写真が白飛びになってしまいがちです。
この場合は、ホワイトバランスを曇天時の設定にしておくことで光の散乱を抑えます。
また、太陽光の明暗差で苦労するのであればHDR合成という技術を使うこともおすすめです。
これは、簡単に言えば撮影する際に光の調整をしながら数枚の写真を撮り、それぞれの写真の良い部分だけを組み合わせて1枚の写真に仕上げる技術のことを指します。
1枚だけだとどこか一部分が白飛びしてしまう朝焼けや夕焼けの写真でも、連続した複数枚の写真を組み合わせればキレイな写真になります。
こうしたテクニックも朝焼けや夕焼けを撮影する際には必要となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
朝焼けや夕焼けといった現象がどうやって起きるのか?またキレイに見える条件とは何か?についてご紹介してきました。
簡単にまとめると太陽光は波長の長さによって色が変わり、その中でもっともキレイに赤く映えるタイミングが日の出・日没時ということです。
また、湿度や大気中の塵によって光が上手く散乱することも重要となります。
キレイな朝焼けや夕焼けを撮影したいのであれば、ぜひこうした情報も踏まえた上でおこなってみてください。