人気観光地のひとつで新型コロナウイルス流行以前は年間を通じて多くの日本人が訪れていた「ハワイ」。そんなハワイの名産品として広く知られているのが「コーヒー」となります。
ハワイのコーヒーといえばコナコーヒーが有名です。
しかし、ハワイにはコナコーヒー以外にもいくつかの種類があります。
そこで、この記事ではハワイのコーヒーに関する情報を分かりやすくまとめてみました。
最近ではオンラインショッピングで手軽にハワイのコーヒーを買えるようになっていますので、ぜひこの機会にハワイのコーヒーについて知識を深めてみてはいかがでしょうか。
ハワイのコーヒーといえば「コナ」
ハワイでもっとも知名度の高いコーヒーといえば「コナコーヒー」です。
コナコーヒーとはハワイ島「コナ地区」で栽培されているコーヒー豆のことを指します。
コナ地区はハワイ島の西側に位置するエリアで、コーヒー栽培が盛んな地域として有名です。
そんなコナコーヒーはタンザニアのキリマンジャロ、ジャマイカのブルーマウンテンと並び「世界三大コーヒー」のひとつとして数えられています。
なお、コーヒーは豆の品種によって味に違いが生まれるわけですが、ハワイ島では主にティピカ種のコーヒー豆が栽培されています。
ティピカ種はフルーティーな酸味と甘い香りが特徴のコーヒー豆で、ハワイ島で栽培されたものは特に独特な香りが楽しめると評判です。
ちなみにコナコーヒーは州政府による厳格な検査のもと、その品質をすべてチェックされています。
厳しい検査を通って市場に出回るコナコーヒーの流通量は、世界のコーヒー生産量の1%にも届きません。
つまり、それほど希少価値が高いコーヒー豆ということになります。
これは基本的にすべてのコナコーヒーが有機農法を用い、手作業で栽培・収穫をおこなっているからです。
こうした形で丹精込めて作られたコナコーヒーはハワイ出身のオバマ元大統領をはじめ、ブッシュ元大統領なども愛飲していたと言われています。
ホワイトハウスでの晩餐会でも振る舞われていたというコナコーヒーは、まさにハワイを代表する名産品と言えるでしょう。
「コナコーヒー」の特徴
ハワイ産のコーヒー豆はどれも酸味を特徴とするものが多いのですが、中でもコナコーヒーは酸味とコクのバランスに優れているところが高い評価を受けているポイントとなっています。
そんなコナコーヒーは以下のような形で等級付けがおこなわれていて、最上級品種であるエクストラ-ファンシーは全体の15%にも満たないそうです。
・エクストラファンシー
・ファンシー
・No.1
・セレクト
・プライム
口当たりがマイルドでスッキリとした余韻を持ち味とするコナコーヒーは、世界中のコーヒー好きたちから愛飲されています。
ちなみに等級が上の豆ほど欠点豆と呼ばれる品質の低いコーヒー豆が混ざっていないため高価になりやすいのですが、やはりその味わいは格別です。
コナコーヒーを選ぶ際のひとつの基準となる部分なので、ぜひ覚えておいてください。
また、コナコーヒーには非常に珍しい「ピーベリー」といった豆も存在します。
本来、コーヒー豆は2つの種子がひとつのセットになっているのですが、ピーベリーは種子が1つしかありません。
そのため希少価値がとても高く、コーヒー好きからすると一度は飲んでみたいと言われているわけです。
もちろんただ珍しいだけでなく、コナ地区で育ったピーベリーは味わいも抜群と評価されています。
ハワイ島に訪れればコーヒー専門店で見かけることが出来ますので、ぜひ旅行に行った際には探してみてください。
ハワイでコーヒー栽培が盛んな理由
ハワイでコーヒー栽培が始まったのは1820年代からと言われています。
ブラジルから持ち帰ったコーヒー豆の苗をオワフ島で育て始めたのが起源とされていて、1900年ごろまでには多くのコーヒー農家が誕生しました。
しかし、1900年ごろになるとコーヒー豆を食い荒らす害虫や疫病が流行り、大半の農家がコーヒー栽培から手を引き始めます。
ちなみに当時はサトウキビやパイナップルなどを生産する農家も多かったので、そちらに人員が流れたこともコーヒー栽培が衰退したひとつの要因です。
こうした形で一時期はコーヒー栽培に陰りが見えていたものの、ハワイ島のコナ地区だけは害虫や疫病の被害が少なかったため継続してコーヒー栽培がおこなわれていました。
やがて、サトウキビ農家との契約が切れた日系人がコナ地区のコーヒー農家を頼るようになります。
日系人たちは戦前~戦後にかけてコツコツとコーヒー豆の栽培を続け、そして1990年代にサトウキビやパイナップルのプランテーションが閉鎖されたことをきっかけにコーヒー栽培はハワイの一大産業に成り代わったわけです。
また、ハワイでコーヒー栽培が盛んになった理由には、そもそもハワイ自体がコーヒー栽培に適した土地柄だったことも挙げられます。
ハワイはコーヒーベルトと呼ばれる「コーヒー栽培に適した地域」に含まれています。
(コーヒーベルト:簡易的には北緯25度線と南緯25度線との間を指す)
コーヒーを育てるには降雨量・日照時間・気温・土壌などの条件が揃わないといけません。
こうした条件がほぼ完璧に揃っているのがハワイ島のコナ地区というわけです。
コナ地区一帯はコナコーヒーベルトと呼ばれ、多くのコーヒー農家が集まっているエリアです。
近年では観光スポットとしても人気があり、各農家が運営するコーヒーショップではお土産用のコナコーヒーなどを多く販売しています。
中には見学が出来るコーヒー農園や日本の企業が運営するコーヒー農園などもありますので、ぜひハワイに訪れた際には立ち寄ってみてください。
コナ以外のハワイコーヒーの種類
ここからはコナ地区以外のハワイコーヒーについてご紹介していきます。
カウコーヒー
カウコーヒーは、コナと同じハワイ島のカウ地区で栽培されているコーヒー豆です。
カウ地区はハワイ島の南東に位置するエリアで、赤土が混じり合った肥えた土壌からは良質なコーヒー豆が収穫されています。
カウ地区で収穫されたコーヒー豆の多くはアメリカのコーヒーチェーン店に卸されていくので、あまり日本で飲む機会はありません。
しかし、最近ではカウコーヒーを取り扱うコーヒー専門店や農園直営のお店が増えてきたことにより、日本でも段々とその存在が知られるようになってきました。
一部のコーヒー好きからはコナコーヒーよりも美味しいといった評価を受けていて、いま非常に注目を集めているコーヒー豆でもあります。
カウアイコーヒー
ハワイ諸島で4番目の大きさを誇るカウアイ島で栽培されているコーヒー豆が「カウアイコーヒー」です。
アメリカ全体のコーヒー生産量のうち、カウアイコーヒーはその約50%を占めています。
カウアイコーヒーには様々な種類があり、品種や収穫時期によって異なる味わいが楽しめるようになっています。
現在では気軽にネット上で購入できるようになってきましたので、ぜひ自宅でのコーヒーブレイクにカウアイコーヒーを選んでみてください。
まとめ
「ハワイのコーヒーといえば?」をテーマに、コナコーヒーやその他のハワイコーヒーに関する情報をご紹介してきました。
コナコーヒーは世界三大コーヒーのひとつで、お土産にも最適な逸品です。
もちろん普段用のコーヒーとして選ぶにもおすすめの種類となっています。
また、最近ではカウコーヒーやカウアイコーヒーといった別のハワイアンコーヒーも人気がありますので、ぜひ興味がある方は飲み比べてみてはいかがでしょうか。