この記事では「オンショア」でのサーフィンが難しい理由やオンショアのコンディションでもサーフィンを楽しむコツを解説します。
オンショアとは?
オンショアというのは海から岸にかけて風が吹いている状態のことを指し、サーファーにとってはあまりこのオンショアという環境ではサーフィンをしたくないものです。なぜならオンショアだと波が規則正しく崩れずに、気付いたら消滅していたり、また乗っている最中にいきなりブレイクしたりしなかったりと、非常に予測がしにくいからです。
また、初心者ではオンショア時の波を乗りこなすことは困難で、ほぼパドリングとテイクオフの練習をするだけといったイメージもあります。そんなオンショアという環境ですが、どのような特徴なのか?また、オンショアでもサーフィンを楽しむことができるのか?という部分にスポットを当てて、ここでは解説をしていきたいと思います。嫌われがちのオンショアですが、実はちょっとした良い部分もありますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
オンショアでのサーフィンが難しい理由は?
一般的にオンショアでのサーフィンというのは難しいとされていますが、その理由というのはどんなところにあるのか?気になる部分だと思います。まず、オンショアというのは海から岸にかけて風が吹いている状態なので、その力を受けて波が急にブレイクをしたり、厚くなりすぎてパワー不足の波になったりと、デメリットばかりです。
ある程度の腕前のサーファーでも手を焼くというオンショアですが、ほかにもサーフィンをする上でどんな部分が難しいポイントなのかを見ていきましょう。
波が掘れない
まずオンショアだと掘れた(ホレた)波が来づらいというのが一番のデメリットとされています。掘れた波というのは、斜面が切り立ってフェイスがしっかりと見えてアクションを起こしやすい波です。
サーファーがテクニックを発揮するには、リップの場所・パワーなどを確認する必要がありますが、掘れた波というのはその点を見極めやすく、とてもサーフィンに適しています。
波が消える
オンショアの場合、このリップがバラバラですぐに崩れてしまったり、予想外のタイミングで「消滅」してしまったりもするわけです。その理由というのは、そもそも波というのは風に影響を受けて発生しているものなので、岸に向かって進むパワーと風のパワーが重なり合うと、オフショアの波とは違ってたちまちボロボロになってしまいます。
また、オンショアの場合は波が厚くなりすぎる傾向にあり、たとえロングボードであっても推進力を失ってしまうこともしばしば。こうなるともうお手上げで、ショートボードではテイクオフするパワーさえ得ることができません。こうしたことから、「オンショアは好きじゃない」というサーファーが多いのです。
オンショアでのサーフィンのコツは?
そんなオンショアでのサーフィンですが、どうやったら楽しむことができるのか?また、その波を乗りこなせるのか?というのも気になるポイントです。実際にはオンショアでもサーフィン楽しめる上級者はいますし、コツさえ分かればオンショアでも十分に波は乗れます。
パワーのある波を探す
また、パワーのある波を探すというのもオンショア時には必要な考え方なのですが、初心者の方だとどの波が良いのか分かりづらいかと思います。そんな時にはなるべく切り立った波が生まれるポイントを見定めて、ある程度のアタリを付けておくと、乗った波がなかなか良かったということが多いので参考にしてみてください。
あとは基本的にオンショア時にはパワーなしの厚め波が多くなりますが、テイクオフ後に厚めの波だったという場合は、ボトムを水面に押し付けて海中のウネリのパワーを利用して推進力にしてみましょう。
この場合は、いくらレールを切ってもさほど前に進みませんので、どちらかと言えばボトムの力で進んだ方が長く波に乗り続けられます。こうしたオンショアならではの波の乗り方を覚えておくと、海が荒れているときでもサーフィンが楽しめますのでおすすめです。
横に走り過ぎない
オンショアのタイミングだと波のブレイクが不規則で、一般的なピークから波の動きを判断することが難しいとされています。そのため、あまり横走りをせずにスープで待機してショルダーが起こるのを待ちながらライディングをすることがベターです。
スープというのは波がブレイクした後の白波部分のことで、比較的波の推進力がまだあるポイント。ここでしばらくポジションをキープしておいて、ショルダーからの波のウネリを待つことが得策というわけです。
オンショアでのサーフィンはメリットも?
デメリットばかりご紹介してきたオンショアですが、実は意外にもメリットとして挙げられる部分もあります。
海が空いていて練習しやすい
ご覧いただいてきたように、オンショアの時というのは中級者以上のサーファーたちは諦めて海から上がってしまうことが多くあります。そうなると初心者にとっては海が空いていて、非常に練習がしやすいというメリットがあります。
パドルが強化される
また、まだまだテイクオフまでいかないというビギナーにとってはパドル力強化にも繋がりますので、実はオンショアというのは悪いことだらけではないということですね。さらに、テクニックを磨きたい中級者以上にとっても、波の動きやブレイクの仕方の研究、崩れやすいリップや荒れたボトムでの練習になります。
しかも、ごく稀にではありますが追い風の力によってパワーがありフェイスの切り立った良い波が来たりもしますので、そういった時にはひとり占めできるというメリットもあると言えるでしょう。基本的にはバラバラな波でロングライドには適さないというのがオンショアの特徴ですが、練習と割り切って乗ってしまえば案外楽しめるものだったりもします。
オンショアでのサーフィンは悪いことだけではない
サーフィンにおけるオンショアの特徴や乗り方のコツ、また意外なメリットについてご紹介してきました。一般的にはあまり好まれないオンショアですが、初心者にとっては気兼ねなく練習ができて実はおすすめです。
また、ある程度の実力があるサーファーにとっても、オンショアの波に慣れてしまえばオフショア時にはいつも以上の力が発揮できたりもしますので、ぜひ腕試しの一環として楽しんでみてはいかがでしょうか。
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