「ホワイトライトニング(白い稲妻)」という通り名でも知られたオーストラリア人サーファーのミックファニングが、2018年の2月に現役選手からの引退を発表しました。
ミックファニングは現役選手の中ではトップクラスの実績と実力を持つサーファーで、これまでに3度の世界王者に輝いたこともある伝説的人物です。過去には大会中にサメに襲われたことでもその知名度を上げ、世界に話題を振りまいたこともあります。
ここではミックファニングのサーファーとしての経歴やプロフィール、また引退後の道やミックファニング考案のソフトボードについて詳しくご紹介していきたいと思います。サーファーならば誰もが一度は聞いたことがあるであろう、ミックファニングの伝説の数々をご覧ください。
ミックファニングって?
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ミックファニングはオーストラリア出身のプロサーファーです。数々のタイトルを獲得し、3度のワールドチャンピオン、22回のツアー優勝を飾っているサーフィン界のレジェンドでもあります。
サーファーとして長い間トップクラスに君臨し、そのキレのあるライディングは「ホワイトライトニング」とも称されてきました。2018年に2月に現役引退を発表し、ベルズビーチでの大会を最後に現役から退いています。
ベルズビーチは自身が初めて世界大会で優勝した場所でもあったので、最後の舞台として選んだとも語っています。一部ではありますが、引退発表の言葉を要約して記載しておきます。
「今回のベルズビーチにおける大会で、私は現役の選手としての役割を終えようと考えています。サーフィンを通していろいろな楽しさを感じてきましたが、どうやらツアーを回るだけのモチベーションを維持するのは私にとって難しいことだと判断したからです。ジュニアのころからの気持ちでいつづけることは困難だとは思っていますが、それでもサーフィンに対する気持ちを失ったわけではありません。これからは別の道にチャレンジしていく必要があると感じました。まだまだたくさんの道を探り、これからも楽しいと感じられるものを見つけていきたいと思います。思い出や応援に対して感謝します。」
こうして引退を発表したミックファニングですが、最後のベルズビーチでの大会でも準優勝を飾っています。もちろん有終の美を見たかったという声もありますが、それでもいまだにトッププロとしての実力を見せ付けてくれた結果だと思います。
ミックファニングのプロフィール
ミックファニングは、1981年6月13日生まれの37歳です。(2018年時点)。現役を引退したのは36歳で、プロサーファーとしてはやや早めの引退となっています。
同じようにサーフィン界の伝説と呼ばれたケリースレーターさんは46歳で現役を発表していますので、まだまだやれるのではと考えるファンも多かったのではないでしょうか。
身長は180cmで、海外の選手らしく大柄な体型をしています。パワフルなライディングで、パイプラインでの大会の際には異常なまでに実力を発揮してきました。ミックファニングは両親が離婚していて、母親の方に3人の兄と一緒に付いていっています。
そして、新天地となったクーランガッタでサーフィンと出会い、3歳から波と遊ぶようになりました。その後、母親の都合によってゴールドコーストへと移り住みますが、サーフィンにとっては最高の環境でさらにのめり込んでいったといいます。
幼少期から青年期を迎えるまでサーフィン一筋で生活をしてきたミックファニングは、19歳のときにベルズビーチで行われた大会で初めての世界大会優勝を経験します。これをきっかけに大躍進を果たすことになり、通産3度のワールドチャンピオンに輝いています。
しかし、ミックファニングの半生は輝きばかりではなく、悲しみにも溢れていました。大会中に大きな怪我を負って半年以上サーフィンができなかった時期もありましたが、それ以上に大きな出来事としては、2人の兄との死別です。
ひとりは交通事故、もうひとりの兄に関してはいまだに死因を公表していませんが、大会中に亡くなったことを聞いたそうです。そういった暗い過去もありますが、サーフィンに対して真摯に向き合ってきたミックファニングは22回というツアータイトルを獲得し、オーストラリアにおいては国内最高勲章を受賞しています。
ミックファニングのサーフィンの実績
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ミックファニングのサーフィンの実績を列記するとかなりの量になるわけですが、やはり代表的なタイトルといえば2007年のASPワールドグランドチャンピオンの獲得です。
オーストラリア人としては久しぶりの世界王者誕生ということでオーストラリア国内も歓喜に沸きました。また、2009年と2013年にはハワイのパイプラインで行われた大会で優勝。これにより3度の世界チャンピオンになり、世界トップランクのサーファーとして名乗りを上げています。
もちろんこうしたタイトルもスゴイことなのですが、実はミックファニングのさらに驚くべき実績は、17年間のワールドツアー参戦期間で、12年間CTランクトップ5に輝いていることです。
世界中に限りなく存在するサーファーの中で、キャリアの2/3以上を上位5人でいつづけたという積み重ねこそがミックファニングの真価ともいえるでしょう。実際に一度入ることすら難しいCTランク、さらにその中でもトップ5に君臨し続けることの困難さといったらかなりのものですから、まさにレジェンドです。
ミックファニング引退!現在は?
ミックファニングは引退後、リップカールにてフリーサーファーとして活動していくと伝えられています。世界のいろいろな場所でさらに素晴らしい波を探すリサーチャーとして、新たな挑戦が始まるようです。
また、世界的サーフアクセサリーブランド「Creatures of Leisure」の経営に携わることもすでに発表されていますので、これからは新商品の開発なども監修するようです。
元々、10代の頃に同社からサポートを受けていたということもあり、ミックファニングも非常に乗り気な様子。さらに進化したサーフギアが手に入るようになることでしょう。
また、テストライダーとしても各地を訪れるようなので、まだまだミックファニングのサーフィンを見る機会はあるかと思います。
ミックファニングのサーフボード(ソフトボード)について
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2018年の3月から販売されているミックファニング考案のサーフボード(ソフトボード)は、すでに多くの人から注目を受け、さらに利用されています。
「MICK FANNING SOFTBOARDS」と名付けられたボードにはFCS2プラグが搭載されていて、軽量化を図った1品に仕上がっています。フィンの部分はソフトタイプとなっていますが、ハードフィンを取り付けることも可能。通常のボードのような使い方もできます。
また、本格的なものから初心者用までタイプが分かれていて、子供から大人まで利用できるようになっているのも特徴のひとつです。ミックファニングのファンならずとも手に入れたいボードとなっていますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
まとめ
オーストラリアの伝説的サーファー・ミックファニングについてみてきました。輝かしい実績と世界トップクラスの実力の持ち主ですが、惜しまれながらも引退ということで残念な気持ちでいっぱいです。
しかし、サーフィン界にはまだまだ影響力があり、東京オリンピックへも観戦に訪れたいと語っているので、もしかしたら会場で会えるかもしれません。
また、サーフグッズの開発にも意欲的、これからもどんどんとミックファニングモデルの新商品が販売されるかもしれませんので、そちらにも期待したいところであります。