これから夏になると海水浴場に行く機会が増えますが、海には気を付けなければいけないことがたくさんあります。
そして、そのうちのひとつがクラゲの存在です。
これまでに海でクラゲに刺された経験があるという方もいると思いますが、クラゲの中には毒性が極めて高い種類がいます。
ちなみに、こうしたクラゲに刺されると「ちょっと痛い」どころの話では済みません。
そこで、この記事ではクラゲが出る時期や危険なクラゲの種類について詳しく解説していきます。
なお、よく海に行く方の中には「クラゲに刺されるのはよくあること」とタカを括っている人もいるかもしれませんが、なるべく万が一のケースに備えて事前の対策をおこなうことが大事です。
ここでは、そういったクラゲ対策についてもご紹介していきます。
海にクラゲが多く出る時期はいつ?
昔からお盆を過ぎると海にクラゲが出ると言われたりしますが、これは気温や地域によって異なります。
クラゲが生息しやすいのは海水温が27℃以下の海域と言われています。
真夏のビーチでクラゲをあまり見かけないのは海水温が高すぎるからと考えられますが、逆に言えば27℃以下であればいつでもクラゲが存在する可能性があるということです。
なお、このことを踏まえるとだいたい7月上旬くらいと8月下旬くらいの時期がもっともクラゲが出やすい時期と言えます。
そのため、お盆過ぎでなくとも海開き前くらいの時期に海に入るときには注意が必要です。
また、クラゲの中には死んだあとも毒性を保っている種類が存在します。
クラゲは海水温が高くなるにつれて死亡していきますが、その死亡したクラゲに触れることで被害に遭うケースもあるわけです。
なお、7月上旬に発生したクラゲが真夏になり死亡して、海岸に打ち上げられていることは多々あります。
こうしたクラゲを見かけたときには絶対に触らないようにしましょう。
刺されると危険なクラゲの種類
ここからは刺されると危険なクラゲの種類についてご紹介していきます。
どれも毒性が強いクラゲなので、その特徴をよく覚えておいてください。
アカクラゲ
見ただけでも一発で危険なクラゲと分かるのがこちらのアカクラゲです。
アカクラゲは、傘の部分に褐色(赤色っぽい)の模様が放射状に広がっています。
傘の直径はだいたい10センチ~15センチ、そこから2メートル以上に伸びる触手が40本~50本ほど生えているというのが特徴的な部分です。
地域によっては触手の本数が少ない種類もいますが、どちらにしても触手に含まれる毒性の刺胞は強烈で、触れると強い痛みを感じます。
アンドンクラゲ
お盆の時期を過ぎると海にクラゲが出ると言われますが、その際によく見かけるのがこちらのアンドンクラゲです。
体長3センチ前後の立方体をした傘が特徴のひとつであり、傘からは20センチほどの触手が4本伸びています。
なお、この触手に触れると電気が走ったような痛みを感じることから、「電気クラゲ」とも呼ばれています。
アンドンクラゲは透明に近い見た目をしているため、海の中で認識をするのが非常に困難です。
そのため、海でクラゲに刺された経験がある方の多くはこのアンドンクラゲにやられている可能性が高いかと思います。
アンドンクラゲの毒性はそこまで強くなく大半の場合はミミズ腫れ程度で済みますが、それでも刺されたときの痛みはかなり強烈です。
ちなみに早い時期では6月頃から日本全国の海で観測されるクラゲなので、時期が外れているからといっても油断をしないようにしましょう。
カツオノエボシ
クラゲによく似た見た目をしていながらもクラゲではない、という特徴を持つのがこちらの「カツオノエボシ」です。
カツオノエボシはヒドロムシという細かな生物が集まって出来た群体です。
青色に近い美しい色合いをしている個体もいますが、キレイだからといって触ってしまうと激痛に襲われることになります。
カツオノエボシの毒性というのはかなり強烈です。
ひどい場合にはアレルギー反応を引き起こして呼吸困難に陥るケースもあります。
そのため、海岸に打ち上げられているカツオノエボシを見かけたときには絶対に触らないようにしてください。
死んでいる場合であっても毒性が残っている可能性がありますので、海水浴場であれば係員などに連絡をして適切に駆除してもらうようにしましょう。
海でクラゲに刺されたらどうする?
海でクラゲに刺された場合には、まず落ち着いて患部を海水で洗い流してください。
このとき患部を擦ったりしてしまうと症状が悪化する恐れがありますので気を付けましょう。
クラゲに刺されたときというのは、クラゲの刺胞が患部に刺さった状態になっています。
この刺胞を取り除くときにはピンセットや細めの箸などを使ってください。
手で取ろうとするとその手に刺胞が刺さったりして毒が拡散されてしまいます。
また、海水で洗うというのも重要なポイントです。
肌に刺さった刺胞はまだ生きている状態かもしれません。
このとき真水で洗ってしまうと浸透圧の影響により刺胞が刺激され、さらに刺胞から毒が出る可能性があります。
そのため、まずは海水で洗い刺胞をピンセットなどで取り除く必要があるわけです。
ただし、素人が自分の判断で処置をしようと思っても限界があります。
海水で患部を洗ったらそのまま病院で診てもらうというのがベストなので、症状が軽くても出来る限り病院に行くようにしてください。
海でのクラゲ対策
海でクラゲに刺されたくないのであれば、事前にできる対策をおこなっておきましょう。
なお、主な方法としては「肌を露出しすぎないようにする」「クラゲ避けのクリームを使う」といったものが挙げられます。
肌の露出を少なくする
真夏のビーチで海水浴を楽しむ分には普通の水着でも問題ないかもしれませんが、クラゲが生息しやすい温度の時期にはなるべく肌を露出しすぎない格好を選ぶようにしましょう。
たとえばサーファーやダイバーであれば出来る限り長袖のウェットスーツを着用するといったイメージです。
ウェットスーツやラッシュガードを着用していれば、かなりの確率でクラゲからの被害を防げます。
また、完全にガードをしたいのであればサーフィン用のグローブやシューズを着用するのもおすすめです。
こちらはどんなマリンスポーツを楽しむ方でも利用できるアイテムなので、ぜひ一度チェックしてみてください。
クラゲ避けクリームを使う
最近はクラゲ予防のひとつとして「クラゲ避けクリーム」といった商品が販売されています。
こちらの「ジェリーズガードフェイス&ボディクリーム」は全身に利用できるクラゲ避けクリームです。
クラゲが毒針を発射するのにはマグネシウムイオンが関係しているという研究結果があります。
このクリームを使うと肌の表面にマグネシウムのバリアーを張ることになり、クラゲの毒針発射を抑える効果があると言われています。
肌の露出をなるべく少なくした上で、さらにこちらのクリームを手や顔などに塗れば対策としては万全です。
何も対策をしないよりかは確実にクラゲ予防の効果が期待できますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
海に潜む危険のひとつ「クラゲ」についてご紹介してきました。
ご覧いただいたように、クラゲの中には毒性が極めて高い種類が存在します。
ちょっと触れただけでも激痛が走り、最悪の場合は重篤な状態になることも考えられますので、海に訪れる際にはとにかく注意するようにしましょう。