積乱雲とは?でき方や特徴を解説

この記事では、誰もが一度は必ず見たことがある「積乱雲」について解説していきます。

積乱雲とは雨や雷を伴うケースが多い雲のことです。

地上の温度が高まりやすい夏の日や上空に寒気が流れる日に発達しやすく、基本的には空に向かって大きく伸びた形をしています。

ここでは、そんな積乱雲の特徴・発生する条件・消滅までの流れなどを詳しくまとめました。

また「積乱雲と積雲はどう違うのか?」といった疑問にも答えていますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

積乱雲とは?特徴は?

積乱雲とは上空に向かって大きく発達した雲のことを指します。

発達する要因はいくつかありますが、低気圧の影響によって発生する強い上昇気流に乗って鉛直方向に伸びていくことが一般的です。

ちなみに積乱雲は雨や雷を伴うことが多いので「雷雲(かみなりぐも)」とも呼ばれています。

日差しが強い夏の日に夕立が降るのは、大抵の場合この積乱雲が原因です。

形状と見た目

積乱雲の形状や見た目は発生してからの時間によって変わっていきます。

発生当初は全体的に真っ白な見た目をしていて、その輪郭はモコモコとした綿菓子のような形です。

そして、さらに積乱雲が発達すると雲底のあたりが暗くなりはじめ、雲頂の輪郭が段々とぼやけていきます。

これ以上発達できないくらいまで成長した積乱雲は、雲頂(雲のてっぺん)が水平に広がっていき、最終的に雨や雷を降らせます。

ちなみに雲頂が水平に広がるのは対流圏界面の高さまで達するせいです。

対流圏とは大気層の中でもっとも下にある層のことで、基本的に雲の発達は対流圏界面までに限定されます。
(対流圏界面までの距離は地上からおよそ6km~17kmほど)

なお、日本でよく見る積乱雲の雲頂は高くても地上からおよそ8km〜10kmほどで、雲底は地上から1km〜2kmほどの高さとなります。

大きさと持続時間

積乱雲の大きさは雲底から雲頂までの長さがだいたい3km程度で、水平方向に広がったときの距離が5km〜15km程度です。

積乱雲が持続する時間は大きさによって変化し、大きいものだと2〜3時間くらいで小さいものだと30分〜1時間程度となっています。

ちなみに積乱雲は低緯度(赤道に近い方)で発生するほど大型になりやすいのですが、これは高緯度(北極や南極の方)よりも低緯度の方が対流圏界面までの距離が遠いからです。

※対流圏界面までの距離は高緯度で6km程度、低緯度で17km程度とされている。

また、積乱雲は単体で発生することもあれば、いくつかの単体が集まって発達することもあります。

なお、巨大な積乱雲だと直径50km以上になることも珍しくありません。

地上から眺めている分にはそれほど大きく感じられませんが、実際の積乱雲はかなりのサイズであることが分かります。

積乱雲が発生したときの天気(天候)

積乱雲は温帯や熱帯の地域でよく見られる雲で、多くの場合は雨や雷を降らせます。

特に大きく発達した積乱雲の下では強い雨以外に雹や霙が降ることもあり、さらには人やモノが吹き飛ぶくらいの突風も生じます。

また、雷が発生する積乱雲の場合は、雲が見えている範囲すべてで落雷の危険性があるため、雷の音が聞こえたら出来るだけ速やかに避難をしましょう。

※雷の音が聞こえる範囲は、落雷場所から直径10km程度とされる。

なお、前述の通り積乱雲の持続時間は長くても2〜3時間です。

そのため、雲自体が移動していることを考えると、積乱雲を原因とする雷雨は数十分ほどで降り止むと言えます。

積乱雲の発生条件・でき方

続いては積乱雲の発生条件やでき方を見ていきましょう。

条件1:空気が暖かく湿っている

積乱雲が発生するのは暖かく湿った空気が溜まりやすいところです。

地上の熱によって暖められた空気の塊は低気圧による上昇気流で空へと上がっていきます。

また、低気圧状態では空気の塊が膨張し、その際に温度がグッと下がります。

これにより空気中の水蒸気が凝結して結果的に「水分の多い雲=積乱雲」ができあがるわけです。

なお、雷が発生するのは積乱雲の中にある水分や氷、塵などがぶつかり合うことで摩擦が生じ、摩擦帯電を引き起こすためと考えられます。

条件2:大気の状態が不安定

本来、水分を含んだ空気の塊は気温が下がることで高度を落としますが、周りの温度が高いとより上空へと上がっていってしまいます。

こうした状態を「大気が不安定」と表現するわけですが、さらに上空へと上がっていった空気の塊はそのまま積乱雲を形成していきます。
(積乱雲が鉛直方向に伸びるひとつの要因)

当然、積乱雲が大きくなればその後の雨量も増えるため、大気が不安定な状態=悪天候が続きやすいことに繋がるわけです。

条件3:様々な要因による空気の上昇

暖かく湿った空気が上昇気流に乗ることで積乱雲は発達します。

この上昇気流が起きる主な原因は「気圧の変化」「地上の温度」「前線の影響」の3つです。

気圧が低い場所では中心部に向かって空気が集まり、ぶつかった空気が逃げ場をなくして上空へと昇っていきます。

また、地上の温度が上がることでも上昇気流は発生しますので、気温が高くなる夏は積乱雲が生じやすいわけです。

さらに暖気と寒気がぶつかる前線付近では、寒気が暖気の下に潜り込むことで上昇気流が発生します。

こうしたいくつかの要因によって上昇気流が起こり、積乱雲の形成を手助けしているということです。

積乱雲の発生から消滅までの流れ

ここでは積乱雲の発生から消滅までの流れを簡単に説明していきます。

ステップ1:積乱雲の発生

上昇気流によって上空へと押し上げられた水分量の多い空気が積乱雲として生じます。

この段階の積乱雲は白く見えて、輪郭がモコモコとした状態です。

また、積乱雲の中では雨となる水分が凝結を始めます。

ステップ2:積乱雲の成長

積乱雲の中で作られた雨が飽和状態になると、地上に向かって雨が降り始めます。

さらに大気中の水分や塵がぶつかり合って摩擦帯電を起こせば、雷が発生することも珍しくありません。

なお、雲から地上までの温度が低ければ落ちてくる雨が雪へと変化します。

場合によってはこれが雹や霙になっていくわけです。

この状態にまで成長した積乱雲の雲頂は水平方向へと広がっていき、やがてカナトコ雲と呼ばれる形になっていきます。

ステップ3:積乱雲の消滅

ひとしきり雨や雪、雷を降らせた積乱雲は上昇気流がなくなることで消滅していきます。

上空から地上への下降流のみになると、雲を固める力が弱まり自然と大気中へ散っていくわけです。

最終的には雲と周りの気温が同じくらいになって、積乱雲は完全に消えてなくなります。

積乱雲と積雲の違い

積雲とは積乱雲になる前の雲の状態を指します。

積雲の特徴は「綿雲」と呼ばれるように全体のシルエットがフワフワしているところです。

また、雲底が平べったく、雲頂がドーム状に隆起しているのも積雲の特徴と言えるでしょう。

ちなみに一般的な積雲(並雲)が大きく発達すると「雄大積雲」となり、その高さはおよそ3km〜5kmにまで達します。

さらに湿度や温度といった気象条件が揃うと雄大積雲は積乱雲へと変化しますが、この2つの違いは「雲の中で雹や雷などが発生していないかどうか」という点です。

雲の内部で雹や雷が観測されれば、それは積乱雲として扱われます。

ただし、ときには雄大積雲が雨を降らせることもあるので、2つの雲はとてもよく似た性質を持っていると言えます。

まとめ

夏の晴れた日に見かけることが多い「積乱雲」について詳しくご紹介してきました。

ご覧いただいた通り、積乱雲とは雷雨を伴う雲のことです。

大きなものだと直径数十kmにまで成長し、発達した積乱雲は地上に強い雨や激しい風をもたらします。

暖かく湿った空気が溜まりやすい場所や季節は積乱雲が発生しやすいので、ぜひそういった部分も覚えておいてください。

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