ウミケムシ

海には危険な生物がたくさん存在していますが、ここで取り上げるのはそのうちのひとつ「海毛虫」です。

海毛虫には100を超える種類があり、中には毒を持ち人間を刺すものもいます。

この記事では、そんな海毛虫に関する情報を詳しくまとめてみました。

海毛虫は釣りをしている際に外道として引っ掛かることもある生物です。

万が一海毛虫を釣りあげて刺されてしまったときには応急処置が必要となります。

そうした対処法を含め、海毛虫の生態や生息地をご紹介していきますので、ぜひ参考にしていってください。

海毛虫とは?危険性は?

ウミケムシ

海毛虫とは、一般的に環形動物門ウミケムシ科の生物をまとめた呼び方です。

冒頭でも伝えたようにその種類は100を超え、様々な生態を持つ海毛虫が確認されています。

海毛虫の特徴は釣りのエサとして有名なゴカイ(多毛類)と同じく、身体の側部に肉眼で観察できる小さな毛が生えているところです。

刺激を与える、もしくは危険を察知したときに毛を立たせて外敵から身を守るというのが多くの海毛虫に見られる生態となっています。

なお、この毛は中が空洞状態になっていて、そこに毒液が含まれています。

仮に海毛虫を素手で触ったとするとこの毛が毒針の役割を果たしますので、人間の身体にとっては非常に有害です。

しかもこの毒針は抜いたからといって解毒・対処できるわけではなく、一度刺されば毒液が体内に侵入してきますので場合によっては相応の治療が必要となります。

そんな海毛虫の大きさですが、こちらは成虫でだいたい10㎝~13㎝ほどです。

海に生息するこうした虫類の中では比較的大きな生物と言えるでしょう。

見た目に関しては種類によって異なる部分がありますが、背中の正中線に暗い色をしたまだら模様の円が浮かび上がっていることが多いとされています。

ちなみにゴカイよりも見た目の禍々しさが際立っているので、正直パッと見た瞬間に「これは触ってはいけない生物だ…」と気付くはずです。

海岸などで見かけたときには触らないことが鉄則で、もしも釣りをしていて引っ掛かってきてしまった場合は手袋着用の上で外しましょう。

海毛虫は夜行性であり、日中は砂地になっている海底に身を潜めていることが大半です。

夜になるとエサを求めて海中を漂いますが、このときの遊泳スピードは比較的早いとされています。

また、食性は肉食で動物プランクトンからオキアミまで様々な海中生物を捕食してエサにします。

そのため、ゴカイやイソメを切ったエサを使って夜釣りをおこなう場合は、海域によって海毛虫を釣りあげることがあるかもしれません。

【主な海毛虫の種類】
ハナオレウミケムシ:姿かたち、大きさなどがゴカイに似ている。日本ではメジャーな海毛虫の一種。
セナジリウミケムシ:背中に白いラインが入っている海毛虫でもちろん毛には毒液が含まれる。
ダイオウウミケムシ:海毛虫の中では非常に大きな種類で、20㎝~30㎝ほどの個体も存在する。

こちらが日本の沿岸部で確認できる主要な海毛虫の種類です。

どれも毒を持っていますので、見かけたときには触らないでください。

海毛虫の生息地

続いて海毛虫の生息地について見ていきましょう。

海毛虫は温暖な海域に生息する生き物です。

そのため、日本では中部以南の沿岸部で観測されることが多いようです。

特に京都府沿岸の海域には海毛虫が多いとされていますので、釣りや海水浴を楽しむ際には注意が必要かもしれません。

また、最近は温暖化の影響によって海水温が上昇していることもあり、過去には山形県の海でも海毛虫が確認されています。

つまり、中部より北の沿岸部でも海毛虫が生息している可能性はあるということです。

その他、日本よりも暖かい場所で言いますと、インド洋や太平洋南西部にはより多くの海毛虫が生息しています。

国や地域で考えればモルディブやシンガポール、バリ島などが当てはまり、同様のリゾート地で海水浴やダイビングを楽しむ際には十分に気を付けてください。

ちなみに海毛虫の増殖スピードはとても早く、放っておくと大量発生する恐れがあります。

仮に一匹の海毛虫を発見した場合は周辺に同じような海毛虫がたくさんいるかもしれませんので、早々に海から引き上げるようにしましょう。

海毛虫の天敵

海毛虫は外敵から身を守るために毒性を持っているのですが、実はそんな海毛虫を捕食する天敵は意外と少なくありません。

主な海毛虫の天敵としてはエビやカニといった甲殻類生物が挙げられ、特にアローヘッドクラブというカニに属する生物は海毛虫の駆除に役立つとして有名です。

アローヘッドクラブはカリブ海などに生息していますが、最近だとネット通販で購入することも出来ます。

ちなみに大きな水槽で魚などを飼っている方の中には、水槽内の浄化役として海毛虫をわざと入れている方もいます。

というのも、海毛虫は水槽内の余計な生物を捕食してくれるので、水質が濁らなくて済むといった有益な面があるわけです。

ただし、先ほども触れたように海毛虫は増殖スピードが早いので、飼い方を間違えれば水槽内に海毛虫が溢れてしまいます。

そういったときに役立つのが海毛虫の天敵であるアローヘッドクラブということです。

アローヘッドクラブを水槽に入れると海毛虫をどんどん捕食してくれるので、自分で海毛虫を駆除するのはイヤという方にはおすすめです。

なお、アローヘッドクラブは自分よりも大きな海水魚を捕食することはありませんので、魚と一緒に飼育することは一応できます。

そのほか、海の中においてはベラなどの雑食な魚たちも海毛虫を捕食しますので、海毛虫の天敵として名前が挙げられそうです。

海毛虫に刺された時の対処法

ここからは海毛虫に刺されたときの対処法について解説していきます。

海毛虫はその体毛部分が毒針となるわけですが、そこに含まれているのは「コンプラニン」という毒性物質です。

このコンプラニンには炎症が起きる際に発生する酵素「プロテインキナーゼC」を活性化させる効果があり、その結果として海毛虫に刺されると肌が赤く炎症するようになっています。

海毛虫に刺されると患部が赤く腫れあがり、1日ほど痛みが続くケースが多いようです。

なお、コンプラニンの毒性は非常に強いわけではありませんが、数日経っても腫れと痛みが引かない場合には病院へ行き診察を受けてください。

症状がひどいときにはステロイド外用剤などを用いて治療することになります。
(とは言え、そこまで腫れがひどくなることは稀です)

海毛虫に刺されたときの対処法としては、まず刺さった毒針を抜きます。

このとき、手で取ろうとするとその手に刺さる恐れがありますので、セロハンテープやガムテープを使って丁寧に取り除きましょう。

その後は流水で洗い流し、市販の消毒液を吹きかければ大丈夫です。

ただ、これはあくまで応急処置なので出来れば腫れや痛みが治まるのを待つより、すぐに病院へ行った方が賢明だと言えます。

参考資料:https://www.env.go.jp/nature/nco/kinki/kushimoto/JP/danger/danger_04_umikemushi.html

まとめ

海に生息し毒性を持つ「海毛虫」に関する情報をまとめてきました。

解説した通り、海毛虫の毒針(体毛)に刺されると、刺されたところが腫れと痛みを伴う炎症を起こしますので注意が必要です。

仮に釣りをしていて海毛虫が引っ掛かった場合には素手で触らず厚手の手袋を着用した状態で針から外しましょう。

また、手袋がない場合には釣り糸を切ってしまうのも致し方ありません。

海毛虫に触れてケガをするより代償としては軽いと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事