アナゴの特徴・生態!うなぎとの違いや旬・食べ方など

この記事では「アナゴ」の特徴や生態を詳しくご紹介していきます。

アナゴは日本料理に欠かせない魚のひとつです。

天ぷらやかば焼き、寿司のネタなどに使われることが多く、似たような魚のウナギほど価格が高くないところも魅力的な部分と言えます。

ここでは、そんなアナゴの種類や生息地、大きさや食性などを分かりやすくまとめてみました。

また、アナゴとウナギの違いやアナゴの美味しい食べ方についても解説していますので、ぜひ最後まで目を通していってください。

アナゴとは?

アナゴは「ウナギ目アナゴ科」に分類される魚の総称です。

熱帯から温帯まで幅広い海域に生息していて、日本近海でもたくさんの種類のアナゴが確認されています。

ちなみに私たちが普段よく食べているのは「マアナゴ」という種類です。

食用として扱われているアナゴはだいたい夜行性なので、アナゴを釣るときには夕方から夜の時間帯がおすすめです。

また、アナゴは海底が泥や砂地になっている浅瀬を好みます。

基本的には雑食寄りの肉食魚なので、口に入るサイズのエサなら何でも食べるという点も特徴的です。

アナゴの種類は?

アナゴは世界中で30以上の属と150以上の種類が存在すると考えられています。

日本近海でも15属27種類くらいのアナゴが食用として扱われていますので、非常に種類が豊富な魚類と言えるでしょう。

ここでは、そんなアナゴ種の中で代表的なものをいくつかピックアップしてみました。

・マアナゴ
日本で主に食用として扱われているのが「クロアナゴ亜科アナゴ属」に分類されるマアナゴです。身体は褐色で全体的に白い斑点が並んでいます。

・クロアナゴ
マアナゴよりも大きく、全長1.5mに達することもある大型のアナゴ種です。マアナゴのような白い斑点がなく、身体の大きさも異なるため容易に見分けが付きます。
食用として扱われる場合は練り物などの加工品に使うことが一般的です。

・ヨーロッパアナゴ
アナゴの中でも特に大きな種類で、その全長は3 m以上に達します。また、これまでには体重が110 kgの個体も確認されています。大西洋の沿岸部に生息する種類で、マアナゴとは異なり水深500mほどの深海に棲むところが特徴的です。

・チンアナゴ
チンアナゴは「チンアナゴ亜科チンアナゴ属」に分類されるアナゴです。熱帯域に生息していて、日本では高知県より南側の海域で見かけることができます。巣穴から身体を乗り出す姿が可愛らしいと一時期のあいだ話題になった魚でもあります。

・ゴテンアナゴ
ゴテンアナゴは「ホンメダマアナゴ亜科ゴテンアナゴ属」に分類されるアナゴです。マアナゴより少し大きいくらいのサイズで、特に目の大きさが印象に残ります。釣れた場合には練り物に使うことが一般的です。

毒はある?

ウナギの血液に毒素が含まれていることは有名ですが、同じウナギ目であるアナゴにも同様のタンパク質毒素が含まれています。

ちなみにこれは「イクチオヘモトキシン」という毒素です。

イクチオヘモトキシンは「5分以上」「60℃以上」の加熱をおこなうことで完全に無毒化されます。

そのため、天ぷらやかば焼きになっているアナゴなら確実に毒の症状は出ません。

誤って血液が付着しているアナゴを食べたり、アナゴの血液が目に入ったりした場合は下痢・嘔吐・結膜炎などの症状が現れます。

名前の由来は?

アナゴは漢字で「穴子」と書きますが、これはアナゴが砂泥の海底に潜り込んでいる様子から名付けられたと言われています。

また、穴に籠ることから「あなごもり」⇒「あなご」になったという説もあるようです。

アナゴの特徴・生態

ここからはアナゴの生息地・大きさ・食性といった詳しい生態を解説していきます。

生息地

アナゴは暖かい気候と海域を好む魚です。

世界中の熱帯〜温帯の海に生息していて、日本の海でも数多くの種類が確認されています。

そんなアナゴがよく獲れるのは長崎県・島根県・宮城県などです。

昔から江戸前の寿司ネタとして知られるアナゴですが、現在の東京湾にはそれほど多くのアナゴが生息していません。

ちなみにアナゴ漁獲量1位を争う長崎県と島根県では年間で500トン前後のアナゴが獲れます。

これは他県の漁獲量と比べて2倍以上の数値なので、国内のアナゴ需要は上記2県に支えられているとも言えそうです。

大きさ

アナゴの大きさはオスで40cm程度、メスで90cm程度です。

ちなみにこれは標準的なマアナゴの大きさであり、アナゴの種類によっては全長1m以上のものも存在します。

なお、食用として出回っているニホンウナギの全長はマアナゴとほぼ同じくらいです。

食性

アナゴの食性は「肉食性」です。

主に食べているのは小魚や甲殻類、タコやイカなどの頭足類となっています。

また、アナゴの種類や生息している海域によってはゴカイやプランクトンといった微細な生物を食べることもあります。

ちなみに海中を漂う魚の死骸などもアナゴにとってはエサのひとつです。

そのため、アナゴは海の掃除屋としての役割も果たしていることになります。

なお、アナゴを釣るときのエサとしてはイソメや小型の冷凍エビ、イカの切り身などを使うことが一般的です。

アナゴとうなぎの違い

アナゴとウナギはどちらも「ウナギ目」に分類される魚です。

ただし、アナゴは「アナゴ科」に属し、ウナギは「ウナギ科」に属しています。

そんな両者の主な違いは以下の通りです。

・ウナギはアナゴより種類が少ない(ウナギは全部で19種)
・アナゴに鱗はないがウナギには細かい鱗がある
・アナゴの目は大きくウナギの目は小さい
・アナゴの身体には白い斑点模様がある(ウナギに斑点模様はない)
・ウナギは海水で生まれ淡水で育つ回遊魚(アナゴは海水魚)
※アナゴは「マアナゴ」をベースとする。

もっとも大きく異なるのはアナゴが純粋な海水魚であるのに対して、ウナギは成長に伴い淡水(河川)へと移動していく点です。

なお、ウナギの生態に関しては不明な点が多く、稚魚の段階で食べているものや正確な産卵の条件などが分かっていません。

そのため、アナゴとウナギの違いは主に見た目の部分が多くなるわけです。

アナゴの旬と美味しい食べ方

アナゴには旬の時期が2つあると言われています。

ひとつは6月〜7月ごろで、もうひとつは10月〜12月ごろです。

夏のアナゴは「梅雨アナゴ」とも呼ばれ、淡白な味わいを魅力としています。

対して冬のアナゴは脂が乗っていて、濃厚な味わいが特徴的です。

脂がくどすぎるアナゴは苦手という方は夏のアナゴ、こってりとした味わいを楽しみたい方は産卵前の冬のアナゴを選んでみましょう。

そんなアナゴには美味しい食べ方がたくさんあります。

アナゴ料理と言えば「天ぷら」と「かば焼き」が有名で、寿司のネタとしては「煮アナゴ」もよく使われています。

そのほか和食では、ウナギの代わりにアナゴの身でゴボウを巻いた「八幡巻」も定番料理のひとつです。

淡白な味わいのアナゴには油や濃い目のタレを使った料理がよく合いますので覚えておきましょう。

まとめ

世界中に数多くの種類が存在する「アナゴ」の特徴や生態を詳しくご紹介してきました。

ご覧いただいたようにアナゴの種類は全部で150種を超えます。

また、そのうち食べられる種類が多いところもアナゴの特徴です。

アナゴは日本の料理に欠かせない魚のひとつであり、昔から食用魚として大切に扱われています。

主な産地は長崎県と島根県なので、旅行で訪れた際にはぜひ新鮮なアナゴを味わってみてください。

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