ジュゴンの特徴・生態!生息地・寿命やマナティーとの違いなど

この記事では、海の生き物の中でもひときわ個性的な見た目をしている「ジュゴン」に関する情報をご紹介していきます。

ジュゴンは亜熱帯や熱帯の海域に生息する海洋哺乳類の一種です。

昔から人間と深い関わりを持ち、各地における人魚伝説のモデルになった生き物とも言われています。

ここでは、そんなジュゴンの生息地・食性・寿命といった生態を詳しくまとめてみました。

また、ジュゴンとマナティーの違いなどについても触れていますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

ジュゴンとは?

ジュゴンは「ジュゴン目ジュゴン科ジュゴン属」に分けられている海洋哺乳類です。

ジュゴン科にはかつて数多くの種類が含まれていましたが、現在では他の種類がすべて絶滅したことによりジュゴン属のジュゴン一種のみとなっています。

そんなジュゴンは亜熱帯〜熱帯の海域を好む生き物で、基本的には単独で行動をします。

ただし、メスのジュゴンだと複数の子供を連れて群れを形成するケースも珍しくありません。

また、ジュゴンは季節によって棲み処を変えることが少なく、そのほとんどは慣れ親しんだ海で生活を送ります。

ちなみに普段のジュゴンは時速3km程度というゆったりしたペースで海中を泳ぎ回っていますが、緊急事態になると時速22km前後までスピードアップができます。

大人しそうな見た目をしていますが、一応海の生き物として危険を回避するだけの遊泳能力は持っているということです。

大きさや見た目

ジュゴンの大きさはだいたい体長3mくらいです。

体重に関しては400kg〜500kgほどありますので、かなり大型の海洋哺乳類と言えるでしょう。

なお、ほとんどの個体は身体の色が灰色で、体表には「短くて硬い毛」と「長くて柔らかい毛」の2つが生えています。

そんなジュゴンの見た目的な特徴は下向きの口と三角形の尾ビレを持っているところです。

また、前肢は短い上に爪がないので、外敵を攻撃する目的ではあまり使いものになりません。

ちなみにジュゴンは昔から「人魚伝説のモデル」になった生き物と言われていますが、これは胸ビレのあたりが乳房のように見え、さらに幼獣を抱えるようにして世話をする習性があるためと考えられています。

※日本で有名な「八尾比丘尼(=人魚の肉を食べたことで不老長寿になったとされる女性)」の話に出てくる肉は、ジュゴンのものではないかと推測されている。

名前の由来や別名

「ジュゴン」という名前は英名の「Dugong=デュゴン」に由来します。

そのDugongはマレー語やタガログ語の「Duyung=デュユン」から派生していて、もともと「海の貴婦人」という意味を持っているそうです。

昔の人からすると、ジュゴンの滑らかな肌質や見た目が貴婦人のように見えたのかもしれません。

また、実際にジュゴンが見られる沖縄や奄美周辺では「ザン」「ザヌ」「ザンヌイユ」など方言の名前が付けられています。

ちなみに琉球王国時代にはジュゴンのことを「ケーバ」と呼んでいたそうです。

絶滅危惧種としてのジュゴン

現在、日本ではジュゴンが文化財保護法の「天然記念物」に指定されています。

また、水産庁のレッドデータにおいては絶滅危惧種としても認められているため、不要な捕獲はできないようになっています。

さらに世界規模で考えた場合でもジュゴンは絶滅を危ぶまれている生き物であり、2000年10月にはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに含まれることとなりました。

ジュゴンが生息する地域では、昔からジュゴンを食用として扱う文化があり、日本もその例外ではありません。

実際、沖縄では戦後間もないころまでジュゴン漁がおこなわれていたという記録が残っています。

もちろん今はかつてのようなジュゴンを対象とした漁はおこなっておらず、現生する個体の保全活動に力を入れています。

ジュゴンの特徴・生態

ここからはジュゴンの生息地・食性・寿命といった具体的な特徴・生態をご紹介していきます。

「ジュゴンはどこに棲んでいて、何を食べて生活しているのか?」という疑問をお持ちの方は、こちらを参考にしてみてください。

生息地

ジュゴンの生息地は主にインド洋・太平洋・紅海です。

東アフリカに位置するモザンビークやマダガスカル、南太平洋のニューカレドニアやパプアニューギニアといった国の近海で見かけることができます。

なお、ジュゴンが生息する南限はオーストラリアで、北限は日本の沖縄諸島です。

その中でジュゴンがもっとも多く生息しているのはオーストラリア北部の海域とされています。

食性

ジュゴンは「草食性」の生き物です。

主に「ウミジグサ」「ベニアマモ」「ウミヒルモ」などの海草を食べています。

なお、本来は昼間に捕食活動をおこないますが、人間との距離が近い(日常的に人間の存在が確認できる)エリアでは夜間に捕食のため動き出します。

ジュゴンは見た目通り「大食い」な生き物で、1日あたりの食事量は体重の1割以上です。

仮に500kgのジュゴンであれば50kg前後の海草を毎日食べていることになります。

ちなみにジュゴンが主食とする海草は消化されにくい食べ物です。

ジュゴンは海草がちゃんと消化されるよう身体の中に40m近い腸を持っています。

このあたりもジュゴンならではの特徴と言えそうです。

寿命

ジュゴンの寿命はだいたい70年くらいと考えられています。

生まれてから成獣になるまでの期間は生息するエリアによって異なり、低緯度な海域だと6年、高緯度な海域だと17年ほどで大人のジュゴンになるそうです。

ちなみにジュゴンは哺乳類なので胎生です。

妊娠期間は13カ月で、1回につき1頭の子供を産みます。

ジュゴンとマナティーとの違い

ジュゴンとマナティーは同じ「海牛目」に分類される海洋哺乳類です。

しかし、ジュゴンとマナティーを比較すると異なる点がいくつもあることが分かります。

・ジュゴンの尾ビレは三角形
・マナティーの尾ビレはうちわのような丸い形

・ジュゴンの口は下向き(海底にある海草を食べるため)
・マナティーの口は真っ直ぐ(海中に浮く海草を食べるため)

・ジュゴンの前肢に爪はない
・マナティーの前肢には爪がある

・ジュゴンの前肢に肘はない(ヒレが短い)
・マナティーの前肢には肘がある(ヒレが長い)

・ジュゴンの皮膚は柔らかくてスベスベ
・マナティーの皮膚は硬くてザラザラ

ご覧のようにジュゴンとマナティーには分かりやすい違いがあります。

映像などでジュゴンもしくはマナティーを見たときには上記の点をチェックしてみてください。

関連記事:マナティーの生態!性格・寿命は?ジュゴンとの違いについても

ジュゴンがいる水族館は?

ジュゴンはとてもナイーブな性格をしているため、水族館でも飼育が困難と言われています。

ちなみに生きたままのジュゴンを飼育・展示している水族館は、世界でたった2か所しかありません。(2023年9月時点)

なお、そのうちのひとつは三重県の鳥羽水族館です。
(もうひとつはオーストラリアのシドニーにある水族館)

以前は沖縄や大分の水族館でもジュゴンを飼育していましたが、どの水族館でも1ヶ月前後で亡くなってしまっています。

こうした過去の実績を見ても、それだけジュゴンを飼育することは難しいと言えるわけです。

まとめ

海の生き物の中でも印象的な見た目をしている「ジュゴン」の生態を詳しくご紹介してきました。

ご覧いただいた通り、ジュゴンは絶滅の危機に瀕している生き物です。

日本においても個体数の減少は深刻な問題となっていて、その保全活動に力が入れられています。

今のところ日本で生のジュゴンを見られるのは三重県の鳥羽水族館しかありませんので、興味がある方はジュゴンが元気なうちに足を運んでみてください。

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