国内には「サーフィン」を通じて町おこしをおこなっている自治体がいくつかあります。
この記事では、そんなサーフィンで町おこしをおこなっている自治体に関する情報をまとめました。
町おこしをするには多くの人の目に留まる「何か」が必要です。
その何かにサーフィンを選び、町おこしを成功させている事例は実際にあります。
こちらはサーフィンを愛するサーファーにとって非常に有益な情報であり、移住先を探している方にも知っておいてもらいたい内容となっていますので、ぜひご覧ください。
サーフィンで町おこしをするメリット
サーフィンは2021年に開催されたオリンピックで正式種目となり、また日本代表の活躍によっても注目を集めるスポーツとなりました。
まずは、そんなサーフィンを使って町おこしをおこなうメリットについて解説をしていきますが、流れとしては以下のような効果が期待できると考えられています。
⇒サーフィンで町おこしをすることで観光客を増やす
⇒観光客の中には移住先を探している人もいるので、そうした人に気に入ってもらって移住してもらう
⇒新しい移住者が増えればそこに雇用が生まれ、産業が発展する
⇒結果として自治体が成長していく
それでは各ステップにおけるメリットの内容を詳しく見ていきましょう。
観光客の増加
サーフィンで町おこしをする際にはまず観光客の増加を目指します。
なお、町おこしに必要な観光資源は「海」なので、正直そこまで費用が掛からないというのも大きなメリットです。
サーフィンを目的とした観光客が増えれば地域の飲食店やサーフショップなどでお金が使われます。
そのお金が別のところで使われれば自治体の財政は良好な状態へと向かっていくわけです。
また、サーフィンで町おこしをするには観光客の増加を促すために海の近辺にシャワーやトイレを作り、アクセスを良くするための道路工事なども必要になってきます。
こうした流れは自治体の活気に繋がり、地元民の雇用率アップといった効果も生むとされています。
移住者の増加
観光客の中には「いつでもサーフィンが出来る場所に移住したい」というサーファーの方もいます。
そうした中でサーフィンを使った町おこしをおこなっていると、移住先を探しているサーファーたちから注目されやすくなります。
これがサーフィンで町おこしをおこなうもっとも大きなメリットと言えるでしょう。
実際にサーフィンで町おこしをしている自治体には、近年多くのサーファーたちが引っ越してきています。
空き家だった物件が埋まり、沿岸部の賃貸住宅に人が引っ越してくれば土地や物件を持っている地元の方に収入が入ってきますので双方にとって良いことばかりです。
また、移住者が増加すればそれだけ人口が増えることになり、地方自治体としては税収アップが見込めます。
さらに家族連れでの移住者が増えると子供の数も多くなり、地方の学校教育に対しても良い影響を与えると考えられます。
産業の繁栄
サーフィンを目的に移住者が集まれば、それだけ働き手が増えることになります。
これは人手不足に悩む地方自治体にとって大きなメリットです。
もともとあった産業の繁栄はもちろんのこと、移住者たちが新しく起業をおこなうことで自治体の経済は潤っていきます。
こうして、より魅力的に成長した町にはさらに多くの移住者が集まってくるようになるわけです。
最近は都市部で生活するよりも地方に住みながら働くというワークスタイルが随分と浸透してきました。
そうした方々が新しく移住した先で起業をすれば、地方自治体の税収はさらにアップすることでしょう。
最初はサーフィンがきっかけだったとしても、町の人口が増えれば移住者たちにとって色々なメリットが大きくなっていきます。
町おこしに成功した自治体であれば、都市部に出なくてもその中で十分楽しく生活が出来るようになりますので、移住者が離れていくこともありません。
最終的にこういった形になることが町おこしの目的なのですが、そのためにサーフィンを町の特色として打ち出すことは非常に効果的なことと言えます。
サーフィンで町おこしをする自治体
続いては実際にサーフィンで町おこしをおこなっている自治体をご紹介していきます。
宮崎県・日向市
宮崎県・日向市は国内でも有数のサーフスポットです。
そんな日向市では2015年からサーフィンをPRポイントにした町おこしをおこなっています。
「日向市=サーフィンの町」という印象を付けるためにサーフィンの国際大会を招致したり、ネット上でサーフスポットの紹介をおこなったりと色々な取り組みをおこなっているところが印象的です。
また、日向市ではサーファーを対象とした移住者説明会なども定期的に開いています。
こうした取り組みが功を奏して、実際に毎年の移住者の数は増えていっているそうです。
もちろん移住者への就労支援といった取り組みも忘れてはいません。
移住する人たちが安心して日向市に引っ越して来られるよう、町として受け入れ体制を整えているところも努力の一部と言えるでしょう。
そして、現在ではサーフィンによる町おこしを「リラックス・サーフタウン日向」といったプロジェクトとして進めるようになりました。
将来的に人口45,000人以上を目標としていて、移住・定住への支援を積極的におこなっています。
関連サイト:ヒュー!日向
千葉県・一宮町
千葉県・一宮町はサーフィンのメッカとして非常に有名です。
2021年開催のオリンピックでサーフィンの会場になったのもこちらの一宮町です。
一宮町では、オリンピックの会場に決まる前からサーフィンによる町おこしを始めていました。
もともと一宮町は国内でトップクラスの知名度を誇るサーフスポットだけあって、サーフィン目当てに移住する方々が少なくありません。
そうした流れに加え、自治体からも移住を後押しする仕組みを作っていったわけです。
格安で借りられるシェアオフィスやテナントを用意することで働く場所や起業先として選んでもらえるよう努め、またちょっとしたサーフトリップでも利用しやすいよう町内ではサーフボードを積めるレンタサイクルの貸し出しもおこなっています。
こういった取り組みの結果、一宮町はサーフィンによる町おこしで成功したモデルケースとして知られるようになりました。
関連記事:オリンピック・サーフィン会場の一宮はこんな町!ポイントの特徴も!
愛知県・田原市
愛知県・渥美半島の先端に位置する田原市でもサーフィンによる町おこしがおこなわれています。
田原市では「サーフタウン構想」という名目で、若者世代の移住者・人口増加を目指しています。
サーフタウン構想で重点を置いているのは「交流人口拡大」「定住・移住促進」「拠点整備、魅力・住み良さの向上」の3つです。
具体的にはサーフスポット近隣にトイレやWi-Fiスポットを新設したり、移住者に対して空き家や就労先の紹介をおこなったりしています。
若者がサーフィンを目的に田原市へと訪れ、そこから移住者を増やすというのが構想の基本概要です。
また、田原市全体がサーフィンによる町おこしに協力的であるところも特徴のひとつと言えるでしょう。
関連記事:田原市のサーフタウン構想とは?魅力やおすすめポイントも
まとめ
サーフィンで町おこしをおこなうメリットや実際に町おこしをおこなっている自治体に関する情報をご紹介してきました。
最近はサーフィンを目当てに移住する方、移住先で起業する方、移住先で就労する方が増えてきています。
サーフィンでの町おこしは地方の自治体にとってもサーファーにとっても良い影響を与えてくれる取り組みです。
サーフィンを目的とした移住を考えている方はぜひ参考にしてみてください。