ダツの特徴・生態!危険性や生息地など

この記事では数多くの魚の中でも少し個性的な姿をしている「ダツ」に関する情報をご紹介していきます。

ダツはサンマやサヨリ、トビウオといった魚と同じ「ダツ目」に分類される魚です。

尖った顎(口元)に鋭い歯、細長い身体に半透明の鰭を持つところが特徴的な部分として挙げられます。

なお、ダツはその尖った口元で人を刺してしまう危険性があり、夜間における釣りやダイビングでは特に注意が必要な魚です。

ここでは、そんなダツの生態・種類・生息地・危険性・食べ方などを分かりやすくまとめました。

「ダツってどんな魚?」という疑問を持っている方は、ぜひこちらの内容を最後までご覧になっていってください。

ダツとは?

ダツは「ダツ目ダツ科」に分類される魚です。

普通の魚よりも明らかに鋭く発達した顎(口元)を持っていることから、英語圏では「ニードルフィッシュ」と呼ばれています。

なお、この「ダツ」という名前は、昔に使われていた「駄簀(だす)」という藁や葦で編み込まれた袋に似ていることから名付けられたそうです。

※駄簀は石炭や塩などを持ち運ぶための袋で、口が広く開くところがダツと似ている

ちなみに駄簀は「叺(かます)」とも呼ばれていて、スズキ目に分類されるカマスは同様の理由から名付けられたものと考えられています。(どちらも口が大きく開く)

見た目

ダツの平均的な大きさは50~60cmくらいですが、大きな個体だと1mを超えることも珍しくありません。

そんなダツの見た目的な特徴はなんといっても「鋭く尖った顎」です。

まるで鳥のクチバシのように顎が伸びていて、その口の中には犬歯状の細かい歯がたくさん並んでいます。

また、サンマやサヨリと同じダツ目だけあり、身体が細長いところも特徴のひとつです。

ちなみにダツの鰭は半透明状で、胸鰭に関しては根本から青色のグラデーションカラーになっています。

なお、ダツを三枚におろすと分かるのですが、ダツの骨は身体や鰭と同じように青や緑といった不思議な色をしています。

ただし、身は半透明の白身であり、そのまま食べても問題はありません。(毒性はない)

種類

ダツには10属・32種類の仲間がいて、それぞれ世界中の温帯〜熱帯の海に生息しています。

日本でも4属・8種類のダツがいるのですが、ここではよく釣れるメジャーなダツの種類をいくつかピックアップしてみました。

・ダツ:全長1m前後まで成長する。リュウキュウダツに似ているが、同種よりも頭部の鱗が小さい。日本海側から太平洋側まで幅広く生息している。

・リュウキュウダツ:通常のダツよりも頭部の鱗は大きいものの、全長は70cmほどとやや小さい。日本では南西諸島近海に生息している。

・テンジクダツ:西太平洋からインド洋にかけた熱帯・温帯海域に生息するダツで、全長は1mほど。下顎に突起があることが多い。

・ヒメダツ:ダツ類の中では身体が小さく、全長50cm程度までしか成長しない。他種よりも目が大きく、尾鰭より背鰭の方が前にある。

・ハマダツ:ダツ類の中では大きく成長する種類で、全長1.2mを超える個体も存在する。身体に黒い縞模様があり、これによって他種と区別ができる。

・オキザヨリ:サヨリと名付けられているものの生物学的にはダツ科に分類される。全長1.3mを超えることもあり、その大きさと青い横縞模様によって他種と区別できる。

ダツとサヨリの違い

ダツと似た魚として「サヨリ」の名前がよく挙げられますが、ダツとサヨリは異なる魚です。

そもそもダツはダツ目ダツ科で、サヨリはダツ目サヨリ科に分類されています。

また、ダツは両顎が共に発達していますが、サヨリは下顎しか伸びません。

そのため、ダツとサヨリを見分けるには「顎」を見れば良いわけです。

あとはそれぞれの大きさも見分けるポイントであり、平均して60~70cm以上まで成長するダツに対して、サヨリは40cmくらいまでしか成長しないという点も覚えておきましょう。

ちなみにダツは肉食性の魚で、サヨリは主に動物プランクトンや海藻を食べるといった違いもあります。

ダツの危険性

ダツは毒を持っているわけではないので、そのまま食べる分にはまったく問題がありません。

そんなダツが危険だと言われているのはその習性です。

ダツは光に反応する魚で、エサを捕食するときは海中で光る小魚の鱗を目印としています。

こうした習性を持っているため、仮に水面上に光っているものがあればエサと間違えて突進してきてしまうこともあるわけです。

ちなみにダツは夜行性の魚です。

明かりのない夜の海ではライトを使って海面を照らすこともありますが、その光に向かってダツが突進してきて人間に刺さってしまうといった事故も起きています。

実際、過去にはダツが刺さったことが原因で人間が死亡した事例もあるので、夜釣りをする場合には注意をしなければなりません。

ダツの特徴・生態

ここからはダツの特徴や生態についてご紹介していきます。

生息地

ダツは温帯〜熱帯の海域を棲み処とする魚です。

日本では北海道から沖縄まで幅広い場所に生息しています。

また、比較的浅いところを棲み処とするのがダツの特徴で、初心者でも釣りをしていると度々引っ掛かることがあります。

日本以外では中国や台湾などの沿岸部でよく見かけられ、食用として扱われることが一般的です。

食性

ダツは高速で移動しながらエサとなる小魚を捕食します。

この際、海面近くをライトなどで照らしていると間違って突進してきてしまうので注意が必要です。

繁殖・生殖活動

群れで生活をすることが多いダツは、そのグループの中で生殖活動をおこないます。

なお、ダツの繁殖期は海水温によって左右されますが、だいたい6月〜7月ごろの初夏に多くの卵を産み落とすようです。

ダツに刺された時の対処法

刺さったダツをすぐに抜くと人体の箇所によっては大量の出血を引き起こす危険性があります。

そのため、ダツが刺さったときは慌てず、まずは刺さっているダツを何かしらの方法で締めましょう。(頭を落とすなど)

その後、出血箇所を押さえたまま速やかに病院へ向かってください。

傷口が浅く、出血が少なかったとしても雑菌が入っている可能性があるため、必ず医師による診察を受けましょう。

ダツの美味しい食べ方

「ダツ=まずい」といったイメージを持っている方も少なくないと思いますが、旬の時期に釣れたダツはそれなりに美味しく食べられます。

ちなみにダツの旬は春先から産卵を終える初夏にかけての時期です。

ダツには色々な食べ方がありますが、素人が調理するのであれば「なめろう」や「さんが焼き」をおすすめします。
(ダツは小骨が多くキレイにさばくことが難しいため)

三枚におろしたダツの身を味噌やショウガなどの薬味と一緒に包丁で叩いてしまえば、たとえおろしたときに身がボロボロになっていたとしても気になりません。

もちろんキレイに捌けるようなら刺身もおすすめの食べ方です。

そのほか天ぷらやフライといった調理法もダツの身質にはよく合います。

まとめ

鋭く尖った顎に細長い身体という独特なフォルムを持つ「ダツ」について詳しく解説してきました。

ご覧いただいたようにダツはサンマやサヨリの仲間であり、食用としても扱われている魚です。

ただし、行動が活発になる夜間にはダツから攻撃を受けないよう対策を講じておくことが必要となります。

ダツによって釣り人がケガを負う事故は少なくありませんので、夜釣りをするならしっかりと気を付けておきましょう。

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