ヒラメの特徴・生態!カレイとの違いや美味しい食べ方など

この記事では「ヒラメ」の特徴や生態を詳しくご紹介していきます。

ヒラメは身体の左側に2つの目が並んでいるという少し変わった特徴を持つ魚です。

同じように身体の片側に2つの目が並ぶカレイとよく間違えられますが、日本では昔から「左ヒラメに右カレイ」といってそれぞれを区別しています。

ここでは、そんなヒラメの生息地・大きさ・食性などを分かりやすくまとめてみました。

また、ヒラメとカレイの具体的な違いや美味しい食べ方・旬の時期も解説していますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

ヒラメとは?

ヒラメは「カレイ目カレイ亜目ヒラメ科」に分類される魚の一種です。

広い捉え方だとヒラメ科とダルマガレイ科に分類される魚の総称としてヒラメという言葉が使われています。

ヒラメは日本全国どこでも釣れる魚で、昔から食用魚として扱われてきました。

なお、かつては高級魚として知られたヒラメも、養殖技術が発達した現代ではやや大衆的な魚になってきています。

そんなヒラメの大きな特徴といえば、やはり身体の左側に両目が並んでいるところです。

また、身体全体が平べったいところもヒラメが属するカレイ目の特徴と言えるでしょう。

ちなみに片側に両目が並んでいるのも身体が平べったいのも「海底に横たわったまま周りを見渡すため」と考えられています。

ヒラメの別名や名前の由来

ヒラメという名前は「(身体が)平たい魚」を由来としていますが、これは主に東京に近い地域での呼び方です。

地方によってはヒラメを「カレ」「オオグチガレ」など、別名で呼ぶところが多々あります。

というのも、現在のようにちゃんとした生物学的分類がされる前(1800年代以前)は、ヒラメとカレイは同じものとして扱われていました。

その名残が「カレ(=カレイ)」「オオグチガレ(=大きな口のカレイ)」などの呼び方に表れているわけです。

また、年代や地域によっては大きなものをヒラメ、小さなものをカレイと呼んでいたこともあったそうです。

なお、東京湾で獲れる1kg以下のヒラメは「ソゲ」と呼ばれています。(または40cm以下のヒラメ)

繁殖と成長

ヒラメは多くの魚と同様に雌雄異体であり、その繁殖方法は卵生となっています。

ちなみに卵から孵ったばかりのヒラメの赤ちゃんは普通の魚と同じように、2つの目が両側についています。

これが成長に伴い、段々と片側(左側)に寄ってくるところがヒラメならではの特徴です。

体長2〜3cmまで成長する頃には完全に両目が片側に寄り、成魚と変わらない見た目になります。

国内のヒラメ漁獲量

国内でヒラメがよく獲れるのは北海道と青森県です。

関東では茨城県、そのほかの地方では長崎県や新潟県がヒラメの産地として知られています。

なお、昔からヒラメがよく獲れる新潟県では「カレイのことをヒラメ」「ヒラメのことをカレイ(またはオオカレイ)」と呼ぶ風習が残っています。

これもヒラメとカレイを区別していなかった時代の名残と言えるでしょう。

ヒラメの特徴・生態

ここからはヒラメの生息地・大きさ・食性といった詳しい生態をご紹介していきます。

「どんなところにヒラメは生息しているのか?」「何を食べて成長しているのか?」などの疑問を解消していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

生息地

ヒラメは太平洋西部に生息する魚で、日本近海では千島列島や朝鮮半島あたりの海域でよく見かけられます。

なお、実際に生活の拠点としているのは水深10m〜150mくらいの浅瀬で、海底が砂地になっている場所を好みますが、これは自身の身体を隠すためです。

砂地に隠れない場合や砂泥がない場合は、身体の色を海底と同じ色に変化させていくといった習性も持っています。

ちなみにヒラメは季節によって生息場所を変える魚です。

暖かい季節になると浅瀬に移動し、寒い時期になると深い場所まで潜っていきます。

また、南側に移動するほど産卵期が早まるというのもヒラメの生態として挙げられます。

大きさ

ヒラメの身体は最大で全長1m程度、体重10kgくらいまで成長します。

オスよりもメスの方が大きくなるところが特徴的な部分です。

なお、先ほども軽く触れましたが、地域によっては小さいヒラメを「ソゲ」と呼びます。

こうした体長40cm以下または体重1kg以下のソゲはリリースするというのが釣り人の間での共通認識です。(個体数の減少を防ぐため)

そのため、釣りをするなら最低でも40cm〜50cm以上のヒラメを狙うようにしましょう。

食性

ヒラメは「肉食性」の魚で、主に食べているのは海底付近を漂う小さい甲殻類や小魚です。

子供のころはミジンコなども食べますが、大人になったヒラメは基本的に自分より小さい魚類を狙います。

ヒラメは海底で待ち伏せをしながら、エサが近くに寄ってきたところで一気に食いつきます。

ただし、エサが近くにない場合は自分で泳いで小魚などを探すこともあるようです。

ちなみにカレイはあまり泳ぎが得意ではありませんが、ヒラメはそれなりに俊敏な動きをします。

ヒラメとカレイの違い

ここからはヒラメとカレイの違いについて解説していきます。

まずヒラメとカレイで異なるのは「両目が付いている位置」です。

魚を上向きにした状態でまな板に置いたとき、左側に目があるのがヒラメで右側に目があるのがカレイとなります。

また、ヒラメとカレイでは「口と歯の大きさ」が決定的に違います。

ヒラメはカレイより口が大きく、ひとつひとつの歯もカレイより大きいところが特徴的です。

カレイはヒラメのように俊敏な動きができないので、主に海底にいる動きの遅い無脊椎動物などを食べています。

そのため、ヒラメより口が小さく歯も発達していないわけです。

ただし、カレイはヒラメよりも寿命が長く、個体や種類によっては数十年ほど生きるケースもあります。

こうした部分もヒラメとカレイの違いと言えるでしょう。

※ヒラメは成長が早いのでカレイよりも養殖に向いているといった捉え方もできる。

ヒラメの旬と美味しい食べ方

50cm以上まで成長したヒラメの旬は秋から冬に掛けた季節です。

ただし、小さいサイズのヒラメは通年味が変わらないので、いつ食べても美味しい魚と言えます。

そんなヒラメの美味しい食べ方としては、やはり刺身がおすすめとなります。

ヒラメは淡白かつ上品な味わいの白身魚です。

さっぱりとした刺身は寿司のネタとして人気が高く、昆布締めで提供されることもあります。

また、フランス料理ではヒラメの切り身に小麦粉と塩コショウをまぶして焼き上げたムニエルが有名です。

ヒラメは熱を加えても身が硬くなりにくいので、加熱した調理法とも相性の良さを見せてくれます。

なお、ヒラメの中でもっとも脂が乗っている縁側(背ビレの付け根あたり)も非常に美味しい部位です。

縁側はそのままでも炙っても美味しくいただけるので人気があります。

まとめ

身体の片側に両目が寄っているという少し変わった特徴を持つ「ヒラメ」の生態について詳しくご紹介してきました。

また、ヒラメとカレイの違いもご覧いただきましたが、ヒラメはカレイよりも口が大きい魚です。

そのため、目が付いている位置だけでなく口の大きさでも見分けることができます。

ヒラメは秋冬のシーズンが旬なので、ぜひ寒くなってきたら旬のヒラメを味わってみてください。

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