コウイカの特徴・生態!生息地や体色変化など

この記事では「コウイカ」の特徴や生態を詳しくご紹介していきます。

コウイカは昔から食用として扱われているイカの一種です。

コウイカを含むコウイカ目の特徴は背中の部分に石灰質の「甲」を持っているところであり、これによってアオリイカやスルメイカなどのツツイカ目と区別が付くようになっています。

ここでは、そんなコウイカの生息地・大きさ・美味しい食べ方などを分かりやすくまとめてみました。

また、コウイカとスミイカの違いやコウイカの体色が変化する仕組みも解説していますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

コウイカとは?

コウイカは「十腕形上目コウイカ目」に分類される頭足類の一種です。

イカの種類は世界中で約450〜500種類と考えられていて、そのうち日本で食用扱いされているのは30種類前後となります。

コウイカはそんな食用として扱われているイカのひとつであり、コウイカ目を代表するイカとしても知られています。

ちなみにコウイカ(=甲烏賊)という名前は、外套膜に覆われた胴体の背中側に石灰質の甲が付いていることに由来します。

この甲は一般的な貝殻と同じ成分で構成されていて、進化の過程で段々とサイズが小さくなっていき、今の形に至っているとのことです。

そんなコウイカは寿命が1年しかありません。

だいたい7〜8月ごろに孵化が始まり、生後100日〜200日ほどで10〜15cmくらいの大きさまで成長します。

成長してから1年経ったコウイカは繁殖活動をおこない、その後すぐに命が尽きていきます。

コウイカの旬は成長しきった春ごろとされていますが、寿命が1年しかないので一生に一度しか旬を迎えないイカとも言えるわけです。

スミイカとの違いは?

コウイカは墨を多く含んでいるため「スミイカ」と呼ばれることもあります。

つまり「コウイカ=スミイカ」ということです。

コウイカとスミイカを別のものと捉えている方もいますが、実は同じイカであるということを覚えておきましょう。

ちなみにコウイカには他にもたくさんの別名があります。

・カイカ:富山あたりではコウイカが訛ってカイカと呼ばれる。
・ハリイカ:ハリイカという同名のイカが別に存在する。ハリイカをコウイカモドキと呼ぶこともある。
・マイカ(真イカ):その土地で獲れるイカのうち、主流のものをマイカと呼ぶケースが多い。(コウイカ以外にもマイカと呼ばれるイカは存在する)

このほか、東京では大きなコウイカを「モンゴウ」と呼んだりしますが、モンゴウイカは俗称であり、本来はカミナリイカのことを指します。

コウイカ目の種類は?

コウイカが属する「コウイカ目」には、以下のような種類のイカが存在します。

・コウイカ(=スミイカ)
・カミナリイカ(=モンゴウイカ)
・ヨーロッパコウイカ
・アジアコウイカ
・トラフコウイカ
・アミモンコウイカ
など

日本で食用として扱われているイカは、上記の「コウイカ目」のイカと「ツツイカ目」のイカです。

イカに詳しくない方でも名前くらいは聞いたことがあるスルメイカ・ヤリイカ・アオリイカなどは、すべてツツイカ目のイカとなります。


コウイカに寄生虫はいる?

コウイカは個体によって、腎嚢に取り付く寄生虫を含んでいる場合があります。

この寄生虫の種類は主にニハイチュウ類です。

なお、食中毒症状を引き起こす「アニサキス」がコウイカに寄生する確率は低いものの、100%寄生していないとは言い切れません。

過去には韓国の市場に出回っていた複数のコウイカにアニサキスが含まれていた事例もあります。

そのため、一度も冷凍していないコウイカを生食する場合は注意が必要です。
(冷凍していれば寄生虫は死滅する)

コウイカの特徴・生態

ここからはコウイカの生息地・大きさ・体色変化の仕組みなど、より詳しい生態をご紹介していきます。

生息地

コウイカは主に関東より西側のエリアに生息しているイカです。

水深10m〜50mくらいの浅瀬の海底を好む性質があり、泥砂に隠れた底生生物をエサとしています。

日本以外では中国大陸沿岸からシンガポール、インドネシアあたりまでを生息地とし、南限は決まっていないもののオーストラリア北部でも見かけられます。

基本的には海底の砂や泥に紛れ、エサを捕まえにいくときは棲み処から身体を出すというのがコウイカのライフスタイルです。

大きさ

成長したコウイカの大きさはだいたい15cm〜20cmくらいです。

ただし、中には30cmを超すほど大きくなるコウイカも存在します。

そんなコウイカの平均的な体重は500g〜600g程度で、釣ったときの手ごたえが良いことから釣り人からも人気です。

なお、コウイカの身体を覆っている外套膜の縁には「えんぺら」と呼ばれる鰭があります。

コウイカには似たようなイカがいくつか存在しますが、えんぺらに沿う形で白い線が入っていればコウイカと判断できます。

体色変化

コウイカは自分の身体の色を自由に変化できるという少し変わった能力を持っています。

だいたいこうした能力は「外敵から身を守るため」に使われますが、コウイカの場合はそのほかにも「コウイカ同士でコミュニケーションを取るため」に体色を変化させているのではないかと考えられています。

ちなみにそんなコウイカの身体を調査したところ、同種は自身の体表に1㎟あたり200個以上の色素細胞を含んでいることが分かってきました。

赤・黒・白・黄色・茶色といった色を持つ色素細胞を並び替えることで、身体の色を自在に変えているそうです。

コウイカはこうした体色の変化を利用して他の仲間とコミュニケーションを取ったり、繁殖の相手を探したりしています。

なお、ときには虹色や横縞模様を描くこともありますので、コウイカを釣り上げたときや水族館で見かけたときには体色の移り変わりもチェックしてみてください。

コウイカの釣り方

コウイカを釣るときには主にエギングという釣り方が用いられます。
(アオリイカを釣るときにも使われる方法)

エギングは、エサに見立てたエギ(=餌木)をシャクリながら「コウイカがエギに飛びつくまで待つ」といった釣り方です。

海底をズルズル引きずるようにしてエギを動かし、コウイカがエサと認識するまで慌てないことがポイントとなります。

また、コウイカの行動が活発になるのは夜なので、狙いをコウイカだけに絞る場合は夜釣りにチャレンジしてみましょう。

ちなみに本物のエサを使って釣るときにはサバの切り身やキビナゴを使います。

コウイカの味と美味しい食べ方

旬のコウイカはアオリイカなどにも負けないほど美味しいと言われています。

そんなコウイカの旬は春です。

生まれてから1年ほど経過した大人のコウイカは、生まれてから半年以内のコウイカよりも旨みが濃く、様々な料理で楽しめます。

美味しい食べ方としてはやはり刺身や寿司がベストと言えますが、コウイカは熱を通しても硬くならないので天ぷらもおすすめです。

そのほか煮物やタレ焼きにしても美味しく食べられます。

まとめ

昔から食用として親しまれている「コウイカ」の特徴や生態をご紹介してきました。

コウイカは墨を多く含むイカなので、スミイカと呼ばれることもあります。

そんなコウイカの特徴は自由に体色を変化させられるところです。

一説には求愛のために身体の色を変えているとも言われていますので、水族館などで見かけた場合にはそんなコウイカの体色にも興味を向けてみてください。

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