最近少しずつ注目を浴び、ゆっくりとした休日を過ごすにも適した趣味として知られるようになってきたのが「ビーチコーミング」です。
しかしビーチコーミングと聞くと、なんとなく「海をキレイにすること?」「ゴミを拾っている印象がある」といったイメージを持っている方もまだまだ少なくありません。
そこで、この記事では今ブームになりつつある「ビーチコーミング」の魅力をご紹介していきたいと思います。
ビーチコーミングとは?
「ビーチコーミング」というのは砂浜や海岸に流れ着いた漂着物を収集したり、観察をしたりする行為を指します。
そして、そのついでと言ってはなんですが、ゴミも一緒に拾ってビーチをキレイにする活動をおこなっている人も多くいるので、なんとなく「ゴミ拾いをしている人」というイメージがあるわけです。
もちろんビーチコーミングというのは純粋な「趣味」ですので、特にボランティアでやっているわけではありません。
シンプルに砂浜をのんびりと歩くだけでも気持ちが良いものですが、波によって打ち寄せられた漂着物を手に取って見てみると、意外な発見があったりもします。
その中には美しい色をしたシーグラスをはじめ、長い年月をかけて浜辺に辿り着いた流木や珍しい貝殻なども含まれています。
ちなみに最近になってビーチコーミングという言葉をよく耳にするようになりましたが、実際にはとても昔からおこなわれている活動です。
日本よりも海外の方がビーチコーミングを楽しむ人というのは多い印象ですが、近ごろは「まったりとした休日」を楽しみたいという日本の都会に住む方々が段々とハマってきていて話題となっています。
ビーチコーミングで見つかる価値のあるもの
ビーチコーミングのメインとなる活動は「美しいもの」「珍しいもの」を収集することです。ビーチコーミング中に見つけられる漂着物の中には、そのまま飾っても画になるようなものもあれば、加工をすることでより美しくよみがえるものまで色々とあります。
また、とても珍しいもので言えば年代ものの漂着物などもありますので、子供のころのような冒険心というのも擽られるわけです。そんな漂着物の中でもポピュラーなものを見ていきましょう。
流木
自然に由来する漂着物というのは、同じ形のものが2つとない点が魅力的とされています。そして、その中でも人気が高いのが流木です。
流木は形やサイズによって様々な用途に再利用することができますが、そのまま飾っても良いインテリアとなります。
また、細かな流木でも組み合わせることでフォトフレームやポストカード立てに加工ができますので、ビーチコーミング初心者の方にも非常におすすめです。
さらに流木はアート作品の原材料としてもよく使われているため、良い形のものであればフリマアプリなどで売ることも出来ます。
もちろん何が良い形なのかは買い手側の判断なので一概にすべての流木が売れるとは限りませんが、拾った流木の使い道がなければそういった手段を取ってみてもいいかもしれません。
貝殻
貝殻はビーチコーミングで収集する基本的なもののひとつです。ちなみに貝には日本だけで約8000種類、世界で考えてみるとおよそ10万種類もの仲間がいます。
そのため、ひとりの人間がどれだけ収集しても、この世のすべての貝殻をコンプリートすることはほぼ不可能と言われているわけです。
しかし、そうなると好奇心が俄然わいてくるという人もたくさんいるもので、日本でも数多くの貝殻コレクターたちが存在します。
そんな貝殻コレクターでも持っていないような貝殻をもしも見つけられたとしたら、それはとても貴重で価値のあるものになりますよね。
そういったことを意識しながら浜辺を歩き、いろいろな貝殻を集めるというのもビーチコーミングの楽しみ方のひとつです。
シーグラス
これまでに紹介した流木と貝殻というのは自然のものに分類されますが、シーグラスというのは人工物に分類されるものです。
シーグラスはもともと飲み物などの容器に使われていたガラスが割れ、海の中を漂い、その過程で研磨されてピカピカになったものを指します。
このシーグラスにも非常に貴重なものというのがあり、特に1970年代~1980年代あたりの古いビンが原料と見られるシーグラスというのは相当レアです。
ちなみに色で考えるとオレンジ色のものがもっとも珍しく、次いで赤や黄色、紫といった色がレアなシーグラスとして扱われています。
そのため、こうしたレアな色のシーグラスを集めるというのもビーチコーミング初心者の方にはおすすめです。
なお、シーグラスに関してもフリマアプリなどで売ることができますので、ちょっとした息抜きをしながらお小遣いを稼ぐというのも悪くないかもしれません。
シーグラスに関する詳しい記事はこちら
ビーチコーミングの際の注意点
大人が新しく始める趣味として楽しめそうなビーチコーミングですが、実際におこなう際にはいくつか注意しなければいけないこともあります。
まず1つ目ですが、夏場など日差しが強く気温が高い時期は熱中症に気を付けましょう。ビーチコーミングに夢中になっているうちに、いつの間にか脱水症状などを引き起こしてしまうというケースも少なくありません。
特にお子さん連れで浜辺を散策する際には注意が必要です。そして2つ目ですが、漂着物の中には人体に危険を及ぼすものもあるということを理解しておいてください。
ちなみに主に危険なものというのは「液体が入ったビン」「割れたビン・陶器などのかけら」「海洋生物の死骸」などです。
まず液体が入ったビンというのは絶対に開封しないでください。単純に腐っているだけならまだ良い方で、中の液体が化学薬品であった場合は気化したものを吸い込むことで人体に悪い影響を与える可能性が非常に大きいです。
また、割れたビンや陶器などのかけらというのも危険性が高く、拾う際に手を切り、そこから菌などが入り込むことが考えられます。
そして、こうした衛生的な観点から言ってもっとも危ないものが「海洋生物の死骸」です。すでに骨となって時間が経っているものであれば安全ですが、死んだばかりのものの場合は菌が大量に発生している状態と考えられます。
そのため、珍しい海洋生物が死んでいたとしても絶対に触れないようにして、写真に収める程度にしてください。もちろん海岸にはその他にも生きている海洋生物もいて、中には猛毒を持つものも当然います。
カツオノエボシやアカエイといった毒の強いものに刺されたりすると、場合によっては重篤な症状が出ることも考えられますので気を付けましょう。
ビーチコーミングから生まれる「シーボーンアート」とは?
ビーチコーミングで収集されたものを使って新しい作品を生み出すこと、または生み出された作品のことを「シーボーンアート(Sea Born Art)」と呼びます。
こちらは日本のNPO団体である「日本渚の美術協会」が命名したものですが、シーグラスや流木などを使って作られる作品はどれも非常に芸術的です。
こちらの団体ではシーボーンアート教室や色々な地域での個展などを開催していますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。(2020年3月以降はコロナウイルスの影響で活動自粛中、詳しくはホームページ・SNSなどを確認)
ビーチコーミングを楽しんでみては?
ゆったりとした休日の過ごし方としてもおすすめの「ビーチコーミング」についてご紹介してきました。ビーチコーミングには注意するべき点はありますが、「こうしなければいけない」というルールはありません。
自由に砂浜を散策しながら漂着物を眺めたり集めたりするだけで十分に楽しめますので、ぜひ一度気軽に体験してみてはいかがでしょうか。