ヒョウモンダコの生息地と見分け方!毒の強さや噛まれた時の対処法は?

海によく遊びに行くという方の場合、気を付けなければいけないのが「毒を持った海洋生物」の存在です。

海には人体に有害な毒を持った生物というのが意外とたくさんいるものです。

中でもヒョウモンダコはその毒性の強さから非常に注意しなければいけない対象として扱われています。

ここでは、そんなヒョウモンダコの生息地や普通のタコとの見分け方、毒の強さや噛まれたときの対処法などをご紹介していきます。

サーフィンや釣りなどを趣味とする人を始め、夏場の海水浴シーズンによく海に行くという方はぜひご覧になっておいてください。

ヒョウモンダコとは?

ヒョウモンダコ

ヒョウモンダコは一見すると普通のタコのように見えますが、唾液や身体の表面に猛毒を隠し持っているマダコ科ヒョウモンダコ属の海洋生物です。

体長は10センチほどと小さく、一般的には小型のタコに分類されます。

ヒョウモンダコの最大の特徴は刺激や外敵からの攻撃を受けると身体に青い輪っか状の模様や同色の縞模様が発現する点で、その見た目からも毒を持っていることが容易に想像することが可能です。

ちなみに普通のタコと同じように普段は岩陰や海藻の中に潜んで生活をしていて、肉食の生態を持っています。

ヒョウモンダコの主な餌は自分よりも小さい海老やカニといったものですが、ヒョウモンダコを捕まえた際の実験によれば共食いもおこなうそうです。

そのため、捕食行動への欲求が非常に強い生物と考えられています。

なお、人間が触ったり掴んだりすると噛んでくることがあり、この際に毒を注入してくるため注意が必要です。

また、仮に海岸でヒョウモンダコの死骸を見つけたとしても、身体の表面の毒が残っている可能性がありますので、絶対に触らないようにしましょう。

ヒョウモンダコが持つ毒というのはフグの持つ毒と同じ「テトロドトキシン」です。

テトロドトキシンが体内に回るとマヒ状態を引き起こすことがあり、さらに摂取した量によっては死に至る危険性もあります。

もちろんヒョウモンダコを食べることも同様のリスクがありますので、たとえ捕まえたとしても食することはおこなわないようにしてください。

なお、オーストラリアではヒョウモンダコの毒によって実際に人が死亡した事例も確認されています。

生息地

ヒョウモンダコは比較的暖かい海域でしか生息が出来ないとされています。

これは実際に実験をして判明していることですが、水温が11℃を下回ると活動能力が低下して食事をおこなわなくなり、そのまま死亡するとのことです。

そのため、国内の場合だとヒョウモンダコの生息地は太平洋側では千葉県以南、日本海側では兵庫県以内の外海に面した海域となっています。

とは言え、海水温が上昇すると内海でもヒョウモンダコが生息できる環境になることが分かっていて、過去には大阪湾でヒョウモンダコが発見されたこともありました。

こうしたことから今後温暖化が進み海水の平均温度が上がり続けると、もしかしたら東北の海岸でもヒョウモンダコが見つかる可能性はあるということです。

また、単純に気温が高い日が続けば海水の温度も暖かくなるため、ヒョウモンダコが移動できる範囲も広くなると考えられるでしょう。

なお、広範囲における生息地を見ると小笠原諸島や南西諸島より南側の太平洋地域からオーストラリアまでにかけた西太平洋熱帯域に生息しているようです。

見分け方

ヒョウモンダコは通常の状態では他の小型のタコと見分け方が付きづらいですが、刺激を与えたりしたときに身体に発現する独特な色や模様で見分けることが出来ます。

この体表に発現する色や模様には個体差がありますが、おおむね瑠璃色・青色が輪っか状もしくは縞模様となって表れますので、比較的分かりやすいと言えるでしょう。

ちなみにヒョウモンダコという名前は、この独特な模様が豹柄に見えることが由来となっています。

「豹(ヒョウ)柄の紋(モン)が現れるタコ」ということでヒョウモンダコというわけですね。

なお、このヒョウモンダコというのは和名ですが、英名が「Blue-ringed octopus(ブルーリングオクトパス)」となっていることからも、その見た目の特徴がよく分かるようになっています。

ヒョウモンダコの毒の強さ

ヒョウモンダコが持っている毒というのはテトロドトキシンという神経毒の一種です。

このテトロドトキシンは人体に侵入すると身体をマヒ状態にさせるのですが、このことによって呼吸困難を引き起こすケースが多いとされています。

テトロドトキシンは適切な措置がすぐに取れれば回復する可能性が高いとされているものの、摂取した量や治療までに掛かる時間が長いと死に至ることも十分にあり得ます。

ちなみにこのテトロドトキシンを含む海洋生物で言いますとフグがその代表例です。

フグは適切な処置をしてからでないと食べることが出来ない魚として有名ですが、そのフグと同じだけの毒をヒョウモンダコは持っているということですね。

なお、フグの場合は食用魚として扱われていますが、ヒョウモンダコは食用として流通していません。

これはヒョウモンダコの毒が不活性化するまでに時間が掛かることや、毒がない部位だけを取り出すことが難しいからです。

もちろんヒョウモンダコを食べればテトロドトキシンをそのまま摂取することになりますので、呼吸困難や意識不明の重体となることが考えられます。

こうしたことからヒョウモンダコが発見された沿岸部では「ヒョウモンダコは絶対に食べないように」と注意喚起がおこなわれているわけです。

しかし、注意をしていても誤ってヒョウモンダコに触れてしまうケースというのもあります。

そこで、万が一ヒョウモンダコに噛まれたり触ったりしてしまった場合の対処法についてもご覧になっていってください。

ヒョウモンダコに噛まれた時の対処法

ヒョウモンダコは独特の色や模様が発現するまでは少し見分けが付きづらいので、誤って触ってしまうことも考えられます。

そうした場合、まずはすみやかに流水で傷口を洗い流し、毒を絞り出すようにしましょう。

なお、ヒョウモンダコの毒はすぐに体外へと排出させないと危険性が増します。

とはいっても、傷口から口で吸いだすような行為は返って毒を経口摂取することになるので絶対にやめましょう。

第一に流水で毒を洗い流し、第二にすみやかに病院へと向かい医師による適切な処置を受けることが大切です。

たとえ微量であったとしてもテトロドトキシンは身体にマヒ症状を引き起こす可能性がありますので、自分の勝手な判断に頼らないというのも覚えておいてもらえればと思います。

ヒョウモンダコに要注意

海には人体に有害な毒を持つ生物がたくさんいますが、その中で特に代表的なものであるヒョウモンダコについてご紹介してきました。

サーフィンや釣りを趣味にしている方にとっては非常に危ない海洋生物の一種ですので、ぜひこちらの記事を参考にしていただき、安全を確保した上で趣味を楽しんでもらえればと思います。

また、万が一ヒョウモンダコの死骸を海岸で見つけた場合には絶対に触れないようにしてください。

ヒョウモンダコの死骸を見つけたらその海岸の自治体に連絡をして、適切な処置をしてもらうというのが正しい行動です。

この点もぜひ覚えておきましょう。

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