トラフザメの特徴・生態!生息地や危険性など

この記事ではトラフザメの特徴や生態をご紹介していきます。

トラフザメは水族館でも人気が高い海の生き物です。

名前の通りサメの一種となりますが、ゆっくりとした動きと大人しい性格を特徴としているため危険性はありません。

また、サメの中では比較的サイズが小さいので、多くの水族館でトラフザメの飼育がおこなわれています。

ここでは、そんなトラフザメの生息地・見た目・食性などに関する情報を分かりやすくまとめてみました。

「トラフザメがどういったサメなのか気になる」という方は、ぜひ最後までご覧になっていってください。

トラフザメとは?

トラフザメは「テンジクザメ目トラフザメ科」に属するサメとなります。

サメは種類が非常に多いのでいくつかのグループに分けられますが、トラフザメが分類されるテンジクザメ目はメジロザメ目とツノザメ目に次ぐほど種類が豊富です。

また、トラフザメは漢字で「虎斑鮫」と書きます。

トラフザメの身体には無数の斑点模様があり、これが虎柄に見えることから「虎斑」という漢字が使われていますが、英語圏では「Zebra shark(=シマウマのようなサメ)」と呼ばれています。

そんなトラフザメの体長は最大でも3m〜3.5mくらいです。

数あるサメの中でも特別大きいわけではなく、性格もおとなしいことから水族館での飼育が簡単と言われています。

ただし、トラフザメは夜行性のサメなので日中はあまり動きません。

野生のトラフザメだと日中は海底で休息を取り、夜間になるとエサを求めて動きが活性化されます。

なお、基本的には単独行動をするトラフザメですが、稀に数十匹〜数百匹の群れを作って行動することもあるそうです。

群れを作る理由は解明されていないものの、そのグループの内訳はオスよりもメスの方が多いとされています。

身体や見た目について

トラフザメの身体は少し潰れた円筒形をしています。

また、頭が大きく平べったい形をしているところも特徴的な部分です。

ちなみに一般的なサメの目はギョロギョロとしていて大きいイメージがありますが、トラフザメの目はそこまで大きくありません。
(斑点模様に紛れているため目立たないという理由もある)

食性

トラフザメは「肉食性」のサメです。

主なエサにはアジやイワシといった小さな魚類、甲殻類、貝類などが挙げられます。

また、一説にはウミヘビも捕食すると言われています。

トラフザメの身体は全体的に柔らかく、形も平べったいため岩陰に隠れているエサを見つけて捕食することが可能です。

さらに口元を器用に使って隙間からエサとなる生き物を吸い出すこともできるそうです。

トラフザメは卵生

サメの出産方法というのは種類によって異なります。

「胎生」のサメもいれば「卵生」のサメもいるわけですが、トラフザメは卵生です。

※すべての種類のうち、卵生のサメは3〜4割ほどと言われている。

トラフザメはオスとメスで交尾をおこない、妊娠したメスが1回に数十個の卵を産みます。

卵の大きさは、1個がだいたい500mlペットボトルくらいのサイズです。

この卵は3〜4個単位の束になっていて、合計で数十個の卵が産まれるようになっています。

そんなトラフザメの卵が孵化するまでに掛かる時間はおよそ半年で、孵化した幼魚は30cmくらいのサイズで誕生します。

なお、トラフザメの生態はいまだ不明点が多く、幼魚がどういった形で育てられているのかはハッキリと分かっていないそうです。

ちなみにトラフザメはいまだに商業目的で漁獲されていて、個体数の減少から絶滅危惧種のひとつに指定されています。

トラフザメの特徴・生態

それでは次にトラフザメの生息地・性格・危険性といった部分を見ていきましょう。

「トラフザメの棲み処はどういったところなのか?」「トラフザメに危険性はないのか?」などの疑問を解消していきますので、ぜひご覧ください。

生息地

トラフザメの主な生息地はインド洋を含む太平洋南部の熱帯海域です。

マダガスカルやモルディブ、南アフリカの沖合でよく見られ、そのほかインド・インドネシア・フィリピン・パラオなどの近海にもトラフザメは生息しています。

また、トラフザメの生息地として北限にあたるのが日本で、南限はトンガ・ニューカレドニア・オーストラリア北部となっています。

トラフザメは水深60mくらいの浅い海域を好み、日中は海底で過ごすというのがだいたいのパターンです。

基本的には生まれたところからあまり移動しませんが、中には潮の流れに乗って別の海域まで移動する個体もいるようです。

性格

トラフザメの性格はおとなしく、動きもゆっくりしています。

主な生息地であるモルディブやオーストラリアのグレートバリアリーフではダイバーに慣れている個体も多く、運がよければダイビング中に直接エサを与えることが可能です。

また、基本的に人懐っこい性格をしていて、水族館での飼育が簡単なサメとも言われています。(トラフザメは日本だけでなく世界中の水族館で展示されている)

危険性

前述のようにトラフザメはおとなしい性格をしているため、こちら側から何かしない限り危険性はありません。

しかし、いきなりトラフザメの頭や尾を触ったり掴んだりした場合には攻撃される可能性があります。

トラフザメの平均的な体長は1.5m〜2mほどですが、それでも噛まれたときにはそれなりの傷を負ってしまうので注意が必要です。

※何もしなければ攻撃される可能性は低いため、ダイビング中に目撃した場合はトラフザメを刺激せず遠くからの観察に留めておきましょう。

トラフザメは飼育できる?

トラフザメは数多くの水族館で飼育されているサメです。

幼体の姿が可愛らしいことから自宅で飼育したいという方もいるようですが、たびたび説明している通りトラフザメは平均でも2m前後まで成長します。

自宅で飼育するにはその5〜6倍以上の水槽が必要となりますので、現実的に考えて飼育することは難しいと言えるでしょう。

また、仮に大きな水槽が置けたとしてもエサの用意や温度の調節、水槽の掃除など膨大な手間と費用が掛かります。

※野生下における平均的な体長が2m前後というだけであって、安全な場所で飼育した場合には3m以上になる可能性もある。

トラフザメに会える水族館

それでは最後に「トラフザメに会える水族館」をご紹介していきましょう。

・おたる水族館(北海道)
・浅虫水族館(青森県)
・アクアワールド大洗水族館(茨城県)
・サンシャイン水族館(東京都)
・横浜八景島シーパラダイス(神奈川県)
・海遊館(大阪府)
・しまね海洋館AQUAS(島根県)
・マリンワールド海の中道(福岡県)
・沖縄美ら海水族館(沖縄県)

こちらが日本でトラフザメを飼育している水族館となります。

ただし、場合によってはトラフザメがいなくなっている可能性もありますので、訪れる際には事前確認をおこなってください。

まとめ

数多く種類が存在するサメの中でも比較的おとなしい性格をしている「トラフザメ」について詳しくご紹介してきました。

ご覧いただいたようにトラフザメはダイバーたちからも人気のサメで、海外のダイビングスポットではトラフザメと直接触れ合えるケースもあります。

日本では水族館で生のトラフザメを見ることができますので、興味がある方はぜひ水族館まで足を運んでみてください。

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