海での事故・事件は「118番」へ電話

「海で子供が流された」
「釣り人やサーファーが波にさらわれてしまった」
「砂浜に何か危なそうなものが落ちている(埋まっている)」

こうしたときに掛ける通報先が「118番」です。

あまり知られていませんが、海での事故や事件を発見した際にはまず「118番」まで連絡をしましょう。

この記事では、そんな「118番」の使い方や実績、間違い電話に注意が必要といったことをご紹介していきます。

海での事故はいつ自分や周りの人に起こっても不思議ではありません。

そんな万が一に備えて正しい知識を身につけておくことは非常に大切です。

海での事故・事件が起きたら「118番」へ電話

普段の生活で何かしらの危険を感じたら「110番」、体調が悪ければ「119番」に電話をしますが、海で事故や事件が起きた場合は「118番」に連絡をします。

海で発生した事故や事件の緊急通報用電話番号が「118番」です。

繋がる先は海上保安庁もしくは各管区海上保安本部となっています。

「海で誰かが溺れている」「しかし周りに誰もいない」といったときには、自分で助けに行く前に必ず118番まで連絡をしましょう。

118番に連絡をして状況を説明すればすぐに海上保安庁の職員が出動してくれます。

海の事故では助けに行った人が逆に死亡してしまうといったケースもありますので、とにかく「まずは118番に電話する」ということを頭に入れておいてください。

令和3年の「118番」通報の実績

例年、118番には多くの電話が掛けられてきています。

参考として令和3年8月の通報実績を見てみましょう。

・船舶海難関係通報:154件
・人身海難関係通報:186件
・海難関係以外の通報:374件
・合計:714件
(有効な通報のみ抜粋)

参考:https://www.kaiho.mlit.go.jp/doc/tuuhoujisseki.html

ご覧のように令和3年の8月だけを見ても、有効な通報が700件以上あったことになります。

なお、このうち人が溺れているなどの通報は「人身海難関係通報」に含まれます。

つまり、1ヶ月の間に分かっているだけでも「186件」の海難事故が発生したということです。

もちろん「118番」の存在を知らない人もいるので、事故自体の実数は多くなると思います。

しかし、それでも118番を知っていれば適切な対処や救助を受けられるわけです。

そのため、海によく行くという方はぜひ「118番」の存在を覚えておきましょう。

「118番」は間違い電話が多い?

海での事故や事件に備えた「118番」は2000年から運用が開始されています。

しかし、運用から20年以上経っているにも関わらず「118番=海での事故・事件専用の電話番号」ということは一般的に浸透していません。

さらに「118番」には膨大な量の間違い電話も掛かってくるそうです。

先ほど令和3年8月の有効な通報実績(714件)をご覧いただきましたが、同年同月における間違い電話の件数は「37,352件」です。

これを割合に換算すると「有効な通報:1.9%」「間違い電話:98.1%」となります。

つまり118番に掛かってくる電話のほとんどが間違い、もしくは無効な通報となるわけです。
(無効な通報:すぐに切れた、いたずらなど)

なお、この原因には「118番の知名度が低い」ということが指摘されていますが、そのほかにも色々な理由があるそうです。

・以前は宅配会社がポストに入れていく不在表の中に、受け取り番号として「118」と書かれたものがあり、それを電話番号と間違えて掛けてくる人が多かった
・札幌市の電話番号「011-8XXX~」の0が欠落した間違い電話
・フリーダイヤル「0120-118XXX~」の0120が欠落した間違い電話

間違い電話が多いと本当に救助が必要な方の情報がいち早くキャッチできなくなるといった弊害が発生します。

こうした弊害をなくすためにも、「118番は海難事故専用の緊急通報先」ということを多くの人に知っておいてもらいたいと思います。

まとめ

海で何かしらの事故が発生したときに掛ける電話番号が「118番」です。

仮に海で人が溺れているのを見つけたら、まずは118番まで電話をして場所と状況を伝えましょう。

ちなみに溺れている人を助けるときには、自分で助けに行くよりも「浮き輪になるようなものを投げて渡す」という方法が有効です。

溺れている人は反射的にしがみ付いてきますので、素人が助けに行くのは逆にリスクが高まります。

そのため、浮き輪になりそうなものを投げて渡すか、もしくは背後から抱えるようにして救助するというのが基本的な方法とされています。

こうした知識もぜひ118番の存在と共に覚えておいてください。

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