サーフィン事故の判例|事故に備える保険についても

サーフィンは海で楽しむスポーツやレジャーとなりますが、そこには色々な危険があります。

もちろん海という自然を相手にするので、高波や潮の流れには注意が必要です。

しかし、ときには同じサーフィンをしている人からも自分の身を守らなければいけません。

この記事ではサーフィン中に発生した事故によって裁判までいったケースや、サーフィンでの事故を防ぐ方法などについてご紹介しています。

また合わせてサーフィンに適した保険の情報もご覧いただけますので、ぜひ参考にしてください。

サーフィン事故の判例

まずはサーフィン中に起きた事故で裁判までいった例をひとつご紹介していきます。

1997年6月13日に判決が下されたサーフィン事故は、ウィンドサーフィンをしていたAさんとサーフィンで波待ちをしていたBさんの間で起きました。

事故が起きた場所は福岡市にある海岸(岸から50mほどの地点)です。

事故当日、高さ4.6mのマストを備えたウィンドサーフィンに乗っていたAさんは、沖から岸に戻ろうと海岸を目指していました。

Aさんはほかのサーファーを避けるようにして進路を取っていましたが、波の間にもうひとりのサーファーBさんがいることに気付き進路をさらに変更。

しかし、結果としては沖の方を向いて波待ちをしていたBさんを避けきることが出来ず、ウィンドサーフィンの先端でBさんの顔を傷つけてしまいました。

なお、この衝突によってBさんは左頬にウィンドサーフィンがぶつかり、左側上顎骨折などのケガを負っています。

そして、被害を受けたBさんはウィンドサーフィンをしていたAさんを被告とした裁判を起こしたわけです。

裁判の判決としてはAさんに対して「前方注視義務違反」といった判断を下し、Bさんに対して損害賠償金の支払いを命じることとなりました。

ただし、Bさんに関してもAさんが沖からやってくることに気付けなかった(本来、もっと早くに気付くはずであろう)分の過失があるとして、15%分の過失相殺がおこなわれています。

つまりBさんにも多少の過失があったものと裁判所が判決を下したわけです。

このようにサーフィン中に発生した事故によって裁判までおこなわれたケースがある以上、これからサーフィンをする人は十分に気を付けなければいけません。

そこで、次にサーフィン中の事故を防ぐためのポイントについてご紹介していきたいと思います。

参考資料:http://mczkk.net/img_s/s02d_windsurfing.pdf

サーフィンでの事故を防ぐには?

サーフィンでの事故を防ぐためには、とにかくルールを守ることが大切です。

サーフィンには暗黙のルールがあり、みんなそのルールを守りながらサーフィンを楽しんでいます。

なお、普通の海でおこなうサーフィンのルールというのは至ってシンプルですが、その内容を知っていないと気付かないうちにルールやマナーに違反してしまうかもしれません。

そこで、これだけは覚えておきたい基本のルールについて説明をおこなっていきます。

ルールを守る

サーフィン中に事故を起こさないためには、以下のルールを徹底的に守るようにしましょう。

・ワンマンワンウェイブ
・ドロップインは禁止
・他人のライン上に入らない

こちらの3つのルールにはどれも「他人のライディングを邪魔しない」「結果として他人とぶつかるリスクを抑える」といった意味があります。

ワンマンワンウェイブというのは、ひとつの波に乗るのは一人までというルールです。

次に書いたドロップイン(前乗り)にも通じるところがあるのですが、ひとつの波に二人以上のサーファーが乗るのは非常に危険な行為とされています。

そのため、ほかの誰かが乗っている波には後からでも前からでも乗らないようにしましょう。

なお、ドロップイン(前乗り)とは、すでにテイクオフしている人がいるのに、その進行方向上で波に乗る行為を指します。

先にテイクオフを始めている人からすると、自分の進行方向に別のサーファーがいれば危険を察知して波から降りるしかありません。

このとき強い波であれば巻き込まれてしまう可能性や流された先で人と衝突する可能性もあるわけです。

こうした事故を防ぐためにもドロップインはどの海でも禁止行為とされています。

また、波に乗るわけではなくてもサーファーの進行方向にポジションを取ることは危険なので止めましょう。

沖に向かっている途中で誰かのライディングラインに入っているかもしれない場合は、速やかにその場所から離れてください。

ほかにも友達同士で一緒にサーフィンをするときは間隔を空けるといった配慮も必要です。

広い海の中でもサーフィンをしていれば衝突する危険性がありますので、サーファーであれば常にそういったリスクがあることを頭に入れておきましょう。

周りをよく見る

ルールの中でも触れましたが、周りをよく見るというのは非常に大切なことです。

前述したサーフィン事故の判例でも、ケガをした人・ケガをさせた人の両方に前方注視義務における過失があったことが認められています。

こうなると被害者になっても加害者になっても損しかありません。

そうした事故を未然に防ぐためにも、周りをよく見ながら他に誰かいないか?他のサーファーの進路に入っていないか?といったことを常に警戒しておきましょう。

サーフィンの事故に備える保険とは?

これからサーフィンを始める方におすすめしたいのが、サーフィン中の事故などに備えた保険です。

保険の中にはサーフィン中にケガをしてしまったときの「傷害保険」や盗難などによる「携行品損害保険」、また相手にケガを負わせてしまったときの「賠償責任保険」といったものがあります。

ちなみにサーフィン中に海底の岩場で足を切ってしまったときなどは傷害保険が適用されますので、難しい海にチャレンジする方や初心者の方は入っておいて損はありません。

また、サーフィン中に自分の過失で他のサーファーをケガさせてしまったときの賠償責任保険はかなり心強い保険と言えます。

サーフィン中、故意でなくても誰かをケガさせてしまう可能性というのはゼロではありません。

ケガの度合いによっては治療費や休業補償などで数十万円から数百万円を支払うこともあり得ますので、出来ればこうした保険には入っておいた方が良いと言えるでしょう。

ということで、サーファーに適した保険の一例を以下にまとめましたので参考にしてみてください。

NSAサーフィン賠償責任保険:日本サーフィン連盟の会員になると加入できる保険

年間の保険料が数千円と非常に安いところが魅力的で、損害賠償費用が最高3000万円まで出ます。

ただし、自分への傷害保険やボード破損・車上荒らしに対する携行品損害保険は含まれていません。

あいおいニッセイ同和損害保険:パーソナル総合傷害保険を申し込んで加入

こちらは月額1,800円程度、1年間の長期保険となります。傷害保険・携行品損害保険・賠償責任保険のすべてが含まれているので、年中サーフィンをする方にはおすすめです。
なお、補償内容には弁護士費用や相手との示談交渉といったものも含まれています。

au損保:国内旅行の短期保険に加入

こちらは日額300円弱で短期間の保険に加入できるサービスです。日帰りを含め、13泊までの短期旅行中の事故に備えた保険となっています。

傷害保険と損害賠償保険がセットになったプランで、たまにしかサーフィンをしない方、旅先でサーフィンにチャレンジしてみたいといった方には最適な保険内容です。

関連記事:サーフィンの保険おすすめ4選!種類や必要な理由も解説

初心者の方も上級者の方も、ぜひ万が一の事態に備えてこうした保険に加入をしておきましょう。

まとめ

サーフィン事故の判例やサーファーにおすすめの保険についてご紹介してきました。

サーフィンは海を相手におこなうものですので、何が起きるか分かりません。

そのため、自分や他人を守るためにもなるべく保険には加入しておくようにしてください。

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