これからサーフィンを始めようとしている方の中には「独学」で波の乗り方を覚えようとする方もいるはずです。
しかし、サーフィンの知識がまったくないと「どれくらいの波が初心者にとって最適なコンディションなんだろう?」といった疑問が出てきます。
そこで、この記事ではこれからサーフィンを始める初心者の方に向けて「サーフィンに最適なコンディション」を解説していきます。
「初心者の場合はどれくらいのサイズの波から練習すれば良いのか?」また「初心者にはあまりおすすめしない波の大きさやコンディション」などを詳しくまとめましたので、ぜひ参考にしていってください。
サーフィンに最適なコンディションとは?
それでは最初に、初心者がサーフィンをするのに最適なコンディションをご紹介していきます。
波のサイズ
サーファーの間では波の大きさを身体の部位に例えて表現するのが一般的です。
海面に立ったことを想像したときに自分の背丈くらいの波が来ている場合は「頭」や「頭オーバー」、お腹から下くらいのときには「腹」や「腰」といった言い方をします。
なお、まったく波が立っていない状態をフラットと呼びますが、波のサイズが小さい順によく表現される言い方を以下にまとめてみました。
・フラット(波がない状態)
・くるぶし
・すね(脛)
・ひざ(膝)
・もも(腿)
・こし(腰)
・はら(腹)
・むね(胸)
・かた(肩)
・あたま(頭)
・頭オーバー
・頭半
・ダブル
・ダブルオーバー
くるぶし~頭オーバーまでは身体の部位から何となくその高さが想像できるかと思います。
それ以上のサイズだと、頭半は背丈の1.5倍くらいの大きさ、ダブルは背丈の2倍ほどの大きさを意味します。
ちなみにダブルオーバーともなると、もはや波が壁のように見える大きさです。
こうした波の大きさの中で、初心者向きなのは「もも(腿)~こし(腰)」くらいの波となります。
もも(腿)~こし(腰)サイズの波は適度にパワーがあり、パドリングやテイクオフの練習をするのに最適です。
なお、あまりにもサイズが小さいと波に押される感覚が掴めず、波に乗りながらサーフボードの上に立つ練習が出来ません。
パドリングの練習くらいなら出来るのですが、やはりトータル的に考えれば「もも(腿)~こし(腰)サイズの波」が初心者にとってベストな大きさと言えるでしょう。
関連記事:サーフィンでの波のサイズの表現の仕方を【図】で解説!初心者向けや危険なサイズは?
風向き・波質
サーフィンをする上では風向きや波質といった部分も重要なポイントです。
初心者がサーフィンの練習をするなら、まず「オフショア」のときを選びましょう。
オフショアとは陸から海に向かって風が吹いている状態を指します。
陸から海に向かって風が吹いていると波の形がキレイになり、サーファーにとって理想的な波がやってきてくれます。
なお、陸上から海上に向けて風が吹きやすいのは朝イチです。
夜になると陸側では空気が冷たくなるのですが、その冷たい空気が朝になると海側に向かって流れていきます。
結果的にこれがオフショアの状態を作ってくれるので、サーファーの多くは朝イチの海を狙うわけです。
また、朝方と同じようにオフショアになりやすいのが夕方です。
つまり初心者の場合は朝イチか夕方を狙って練習をするのがベストと言えます。
ちなみにオフショアだとフェイスと呼ばれる波の面がツルツルッとした感じに仕上がり、テイクオフしたあと気持ちよく波に乗れます。
これをサーファーの間では「面ツル」や「グラッシー(ガラスのようにツルツル)」と言いますので覚えておきましょう。
しかし、陸から海にかけての風があまりにも強い場合や、オフショアの風がサイドから吹いている場合は波が崩れやすくなります。
こうした風向きや風の強さといった情報はスマホのアプリなどで確認ができますので、ひとつくらいはサーフィン用のアプリをインストールしておいてください。
初心者に不向きなコンディション
続いては初心者に不向きなコンディションについて解説していきます。
波のサイズ
波のサイズがはら(腹)以上の場合はサーフィン初心者に向かないコンディションと言えます。
はら(腹)以上のサイズになるとパドリングで沖まで出るのが難しくなり、初心者だと「ただパドリングをして終わる」といったことも珍しくありません。
また、はら(腹)やむね(胸)サイズの波になってくると中級者以上のサーファーたちも多く海に入ってきます。
そうなると海の上で波待ちが起きるのですが、初心者だと波に乗る優先順位などが分からず周りに迷惑を掛けることもあるわけです。
サーフィンには「波のピークに近い人がその波に乗れる」といったルールがあり、すでにテイクオフしようとしている人がいるのに、その進行方向で波に乗る行為を「前乗り」と呼びます。
サーファーの間ではこの「前乗り」がもっとも嫌われる行為となっていて、ときにはケンカなどのトラブルに発展するケースも少なくありません。
(単純にサーファー同士がぶつかって危ないという意味もあり、サーファーの間では常識的にNG行為となっている)
こうした行為を知らず知らずのうちにやってしまう可能性もありますので、初心者サーファーの方は「人が多いときにはちょっと乗るのを控える」といったスタンスを取っていた方が無難です。
風向き・波質
オフショアとは反対に「海から陸にかけて風が吹いている状態」を「オンショア」と呼びます。
オンショアだと波が風を背負う形になり、波が立ってもすぐに崩れてしまうのであまり練習になりません。
またオンショアだと波数が多くなり、沖に出るのが難しかったり流されやすかったりといったこともあり初心者向けのコンディションではありません。
ただオンショアでも波のサイズが小さければテイクオフやパドルなどの練習はできますので、そうした練習をすると割り切って海に入るのはありでしょう。
オンショアで波のサイズが腰以上ある場合には危険を伴うので、初心者は海に入るのを避けたほうがいいでしょう。
またダンパーの波が多いときも良いコンディションとは言えません。ダンパーとは波が一斉に崩れる様子を指す言葉ですが、ライディングするスペースや長さがないのでテイクオフをしてもその先が続きません。
海を見て波の多くがダンパーなときには別のサーフスポットを探すことをおすすめします。
初心者向けのサーフポイントの特徴
それでは最後に初心者向けサーフポイントの特徴をご紹介していきます。
ビーチブレイク
サーフポイントには「ビーチブレイク(海底が砂)」と「リーフブレイク(海底がサンゴ礁や岩場など)」の2つがあります。
このうち初心者におすすめなのはビーチブレイクの方です。
リーフブレイクは落水したときにケガをする可能性が高く、初心者にはあまり向きません。
そのため、初心者が練習をするならまずビーチブレイクのサーフポイントを選びましょう。
遠浅
浜から沖にかけてなだらかに水深が深くなっている海を「遠浅」と呼びますが、初心者には遠浅のサーフポイントがおすすめです。
急に水深が深くなるような海だと海底に何があるか分からず、また地形によって変化する波のうねりが予想外のリスクをもたらすことも考えられます。
海底がなだらかな形になっていれば突発的に大きな波がやってくる危険性も少ないので、まずは遠浅のサーフポイントから練習を始めてください。
トロイ波
ブレイクしてからゆっくりと崩れていく波を「トロイ波」と呼びます。
反対にブレイクしてからすぐに崩れていく波を「速い波」と呼ぶのですが、初心者におすすめなのは「トロイ波」の方です。
波が崩れるスピードが早いと、初心者では上手くライディングすることが出来ません。
トロイ波なら多少テイクオフにもたついても波に乗れることがありますので、ボードに立つまでの練習をするならトロイ波を選びましょう。
関連記事:サーフィン初心者向けのボードとは?特徴やおすすめなど
まとめ
サーフィン初心者に最適な海や波のコンディションを解説してきました。
・波のサイズはもも(腿)~こし(腰)
・風向きがオンショアでトロイ波が練習しやすい
・遠浅のビーチブレイクが安全
こちらの条件が揃っているときなら初心者にとって最高の練習ができますので、ぜひ参考にしてみてください。