海の色が青く見えるのはなぜ?赤や緑に見えることもある?

「海の色は何色か?」と聞かれた場合、大半の人は「青」もしくは「水色」と答えると思います。

しかし、海の色は見る時間や場所によって変わることもあり、一概にすべての海が「青」「水色」であるとは言い切れません。

ここでは、そんな海の色に関する情報を詳しくまとめました。

海の色が青く見える理由や他の色に見えるときの原因についてご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

場所や時間で海の色は変わる

海

海の色は「青」や「水色」に見えることが一般的です。

ただ、日本で考えた場合でも海の色は沖縄と日本海側で大きく異なります。

また、世界に目を向けてみると、いわゆる南国リゾートと呼ばれる場所では海の色が日本の海とは違った見え方をしてきます。

場所によって海の色が違って見える理由は主に「海水に含まれるプランクトンの数」「海底の色」「水深」の3つです。

たとえば日本の本州沿岸には海中の栄養源となるプランクトンがたくさん存在します。

しかし、沖縄の海にはそこまでたくさんのプランクトンが存在しません。

こうなると海中のプランクトンに反射する太陽光の量が変わってきますので、当然その分だけ海の色も異なってくるわけです。

次に「海底の色」ですが、こちらは海底が白っぽい砂で構成されているのか、それとも色の濃い岩場になっているのか、はたまたサンゴ礁がたくさんあるのかなどによって海の色の見え方が変わってきます。

海底が白っぽい砂で構成されている場合は海の青と白を混ぜた淡いブルーになり、色の濃い岩場で構成されている場合は濃色の青や黒っぽい色をした青に見えるということです。

ちなみにこれは3つの目の理由である「水深」にも関係してくる部分で、海底までの距離が遠いほど反射する太陽光の量が少なくなり海の色も異なってきます。

一例を挙げると、空中から撮った写真で「一部だけぽっかりと黒く見えるような海」を見たことはないでしょうか?

上から見たとき一部の海域が黒く見えるのは、そこだけ周りと水深が大きく異なるからです。

海底までの距離が遠くなるほど海底の色を反映した反射光が少なくなり、その結果わたしたちの目には黒っぽい色と認識されるようになります。

また、海の色は見る時間によっても変わってきますが、これは海に映る空の色が影響を与えていると考えられています。

朝焼けや夕焼けに染まる海の色は日中より赤みを帯びて目に映り、太陽が真上にある昼間の海は青色(もしくはその海域におけるいつもの色)に見えることが一般的です。

太陽光が反射して見える色は、その入射角によって反射率が変わってきます。

入射角が高まるほど反射率も上がってきますので、遠くの海を見ているときほど海の色と空の色が混じり合った色を私たちの目は捉えられているわけです。

海の色が青く見える理由

海の色が青く見えるのは、海は様々な色を持つ太陽光のうち赤色の光を吸収し、青色の光を残すからです。

太陽光は波長によって紫・青・緑・黄・オレンジ・赤といった色を持っています。

紫に近いほど波長が短く、赤に近いほど波長が長くなるのですが、地球上の物質はこの太陽光を反射することで色づいて見えます。

なお、海は「水」によって構成されていますので、本来は無色透明です。

しかし、水には波長の長い赤色の太陽光を吸収する性質が備わっています。

コップ一杯分の水ではその色に違いが出ませんが、光を吸収する水の多さや反射する水の深さといった条件が整うと赤色の太陽光がほぼ吸収され残った青色の波長だけが人間の目に映るわけです。

ちなみに、海中に不純物がなければ海に溶け込んだ太陽光のうち青色だけがキレイに散乱して海面に反映されます。

つまりエメラルドグリーンやコバルトブルーといった色で表現される南国の海は、それだけ不純物が少ないということです。

対して日本の海は魚などのエサになる植物プランクトンが豊富に生息するので、鮮やかな青ではなく緑や茶色が混じった色に見えるわけです。

このように海の色は太陽光だけでなく別の要因によってもその色を変えるわけですが、次に海の色が変化する原因についてご紹介していきます。

変わった海の色の原因

海の色が青く見える理由について解説してきましたが、場所によっては青以外の色に見えるところもたくさんあります。

中でも緑色や赤、茶色っぽく見える海が多いのですが、ここからは海がそういった色に見える原因を分かりやすく解説していきます。

緑に見える海

海が緑色っぽく見える主な原因としては「植物プランクトンの存在」が挙げられます。

海中で青色の可視光線が散乱することで海の色は青く見えるのですが、この青色の光が散乱している中に不純物が含まれると色が混濁するわけです。

不純物として植物プランクトンが多く存在すればそれだけ海の色に緑が含まれることになり、結果として海の色が緑色(または混濁した青色)に近付くということです。

ちなみに日本の場合だと本州~東北・北海道にかけての海域に植物プランクトンが多く存在していますので、海の色が鮮やかな青ではなく混濁した色に見えることが多いとされています。

赤く見える海

陸地に近い海では川から流入する泥や砂の影響によって海が赤く見えることがあります。

たとえばタスマニア島の湾内には川沿いに生息する植物から大量のタンニンが流入し、その結果として海の色が赤く染められています。

一般的にタンニンは染料になる成分であり、紅茶やワインに含まれていることでも有名です。

そうしたタンニンが川を伝って海に流れ出ることで海の色を赤く変えてしまうわけです。

また、日本にも赤みを帯びた海があることはご存知でしょうか?

鹿児島県・硫黄島付近の海には島から流れ出た硫黄や鉄分が多く含まれているのですが、その2つが化学反応を起こすと海の色がオレンジ色や赤色に変わってきます。

なお、フェリーで島に近付くと青⇒黄色⇒オレンジ⇒赤褐色といった順番で海の色が変化していく様子が面白いということでも有名です。

茶色

茶色に見える海

海が緑色に見える原因として取り上げた植物プランクトンの数が多くなりすぎると、海の色は茶色く濁った色合いに変化していきます。

特に生活排水が流れ出る沿岸部ではプランクトンの数が爆発的に増えますので、一般的な海よりも茶色く見えることが多いです。

そもそもプランクトンは赤色と青色の光を吸収し、緑やオレンジ色の光を反射させる性質を持っています。

本来、青色である海に緑やオレンジ色を反射させるプランクトンが大量発生することで、様々な絵の具を出したパレットのような濁った色合いになるわけです。

ちなみにプランクトンの種類によっては海がピンクや赤色になることもありますが、これを「赤潮」と呼びます。

関連記事:赤潮・青潮の原因は?サーフィンはできる?

まとめ

「なぜ海が青く見えるのか?」という理由を分かりやすくご紹介してきました。

海を構成する水は、様々な色を持つ太陽光のうち赤色の光を吸収し、青色の光を残す性質を持っているため「海が青く見える」ようになっています。

海中に植物プランクトンや泥などの不純物が混じれば、その不純物に応じた色に変化するというのも特徴のひとつです。

なお、日本の海と海外の海の色が異なる理由としてはプランクトンの量や水深、海底を構成する物質(砂やサンゴ礁など)といった部分が挙げられますので、このあたりもぜひ覚えておきましょう。

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