「風」について改めて考えたことがありますでしょうか。例えば風とはいったい何者なのか、どのような原理で吹いているのか、私たちの生活にも非常に身近な現象ですがこれらを説明できる人はそう多くはいません。地球上では様々な原因のもと、様々な種類の風が発生していますがいずれも気圧と深く関係しています。ここでは特に風と気圧の関係や発生の原理について解説していきます。

どうして風は吹く?仕組みは?

まず、風とは空気の流れであることを理解しておきましょう。真空でない限り、透明に見える空間でもそこには物質があります。そのため圧力も生じますし、これが流れて人の肌に触れることで風として認識することもできます。

それではこの大気がなぜ流れるのでしょうか。すべての根源は太陽からのエネルギーにあります。そして風以外にも、多くの気象現象は太陽から届くエネルギーが原因となって起こっています。太陽光が地球上に降り注ぐことでどのような影響を受けるのか考えてみましょう。

ひとつは可視光が含まれていることで明るさが手に入るということが挙げられます。そしてもうひとつは加熱されるということです。風の仕組みを理解する上で最も重要なのは太陽光による加熱です。さらに地球上でムラが生じるような形で加熱されていることも重要になってきます。

ほかに関係する要素としては山脈や海洋などの地形の問題地球の自転も風に大きな影響を与えています。結果として、地球規模で見た場合「ハドレー循環」「フェレル循環」「極循環」などの大きな大気の流れ、つまり風が起こっています。またもう少し視野を広げれば「ブリューワー・ドブソン循環」というオゾン層の生成に関与する風が起こっていることも確認できます。

これらの循環から派生される風や気象現象も多く、何よりこうした循環があるために高温多湿地帯や砂漠地帯のような差が生まれているのです。風は単に空気が流れるだけでなく、熱や水分も一緒に移動させるため規模の大きな風が起きると気候を変化させることもあります。

太陽からのエネルギーを受け、そしてそのエネルギーの供給にムラがあるために大気の流れが生じるということですが、風が発生するまでのより詳しい原理を理解するには気圧との関係に言及する必要があります。以下で詳しく見ていきましょう。

風と気圧の関係

空気は加熱されると膨張します。しかし体積は大きくなってもその空間にある物質の質量まで増えるわけではありませんので、結果、軽くなります。するとその空気は上昇し、上空で空気が集まり圧力が高まります。つまり上空で高気圧となり、相対的にその周囲の空間は低気圧となります。そしてこの場合のように気圧に差があると空気の流れが生じます。

パンパンに空気を詰められた風船をイメージしてみましょう。その風船の中には風船の外の空間よりも密度の濃い空気が人の息によって詰められています。風船内の空気は周辺の空気より強い圧力を外向きにかけていますが風船が縮まろうとする力によって押さえつけられています。

しかし風船の口の部分を解放してやると逃げ場のできた風船内の空気は勢いよく飛び出してくるでしょう。圧力の高い場所から低い場所へと空気の移動が行われるのです。このことと同じように、加熱された空気が上昇して高気圧となった上空からは、相対的に低気圧となっている空間に向かって気流が生じます。

しかし地上では空気が上昇してしまったために低気圧場となり、逆に上空から気流を受けた空間は地上で密度を増して高気圧へと変化します。すると今度は上空とは逆向きに地上での気流が生じます。結局のところ加熱された空間には上昇気流が生じ、周辺から空気が流れてくる、つまり風が起きるのです

これはあくまでも理論上の話であり現実にはもっと複雑な過程で気流が生じますが、簡単に説明するとこのような仕組みでできています。こうして気圧差から風を生じさせる力を「気圧傾度力」と言い、この力が風の原動力となっています。気圧傾度力が大きいほど風力も強まりますが、そのためには気圧差が大きくなければなりません。気圧がとても高い、もしくはとても低かったとしても、周囲も同じ状態だと風は生じません。周辺気圧との「差」が重要になってきます。

また、気圧傾度力のほか「コリオリ力」や「摩擦力」「遠心力」なども風力、風向きなどに関係してきます。それぞれ簡単に説明すると、コリオリ力は地球の自転の影響によって作用するもので主に風向きを変化させる向きに働きます。北半球だと進行方向右向き、南半球だと進行方向左向きに働きます。

摩擦力は風力を弱め、地表近くのように障害物が多い空間で強く作用します。遠心力は曲率をもって吹く風に働き、特に高気圧や低気圧、台風周辺で吹く風に対し向きを変えるように作用します。

風の種類

風は気圧傾度力を源に発生し、コリオリ力、摩擦力、遠心力などの影響を受けながら風力・風向きが決まっていきます。しかし風が吹く場所など、条件によっては各力の働き方は異なります。例えば摩擦力は地上付近の障害物が主な要因となっているため、地表から高度1000m程度の空間で強く作用します。

逆に高度1000m以上の空間では摩擦力がほとんど働かないため、気圧傾度力とコリオリ力のつり合う向き、つまり等圧線と平行な向きに風が吹くことになります。この場合の風を「地衡風」と呼びます。
一方で遠心力が強く作用した風のことを「傾度風」と呼びます。

これは低気圧や高気圧場の周辺を回るように吹いている風のことで、それぞれ回転の向きは違っても同じ傾度風と呼ばれます。また地衡風や傾度風などとは異なる観点から、「貿易風」や「偏西風」と呼ばれる特徴的な風もあります。

貿易風はハドレー循環の一部として起こる地上付近の風です。ハドレー循環は赤道付近で強く温められた大気が上昇し上空で高緯度側に移動し、ある緯度帯で下降、地上付近では再び赤道付近に流れることで循環しています。そしてこの地上での大気の流れが貿易風であり、コリオリ力によって右に曲げられるため常に東風となっています。

ハドレー循環により下降気流が起こる緯度帯は高気圧となり亜熱帯高圧帯を形成します。貿易風はここから赤道に向かって吹く風ですが、逆にここから高緯度側に流れる風は偏西風と呼ばれます。同じくコリオリ力によって右に曲げられるため西風になるのです。ただし偏西風では上空になるほど顕著になる点で地上の風である貿易風とは相違します。

風が与える海流への影響

風は熱や水分を輸送し、雲の形成や台風を生み出すきっかけにもなります。さらに波も風によって発生します。規模の大きな海流は風と同様、太陽光による加熱も要因となり生まれますが、比較的海面上で起こる海水の移動や、ビーチなどにやってくる波は風が原因です。

そこで、強い風が吹くと大きな波が発生することは理解できるかと思いますが、海流の向きについてはよく考えてみる必要があります。なぜなら風向きはコリオリ力が影響して北半球では右向きに曲げられていたからです。水の流れる向きについてもその例外ではありません。

実際風向きに対して約45度右にずれて表面の流れが生じる、ということが分かっています。さらにその流れが少し深くに位置する海水に影響し流れを生じさせますが、ここでもやはり少し右に曲げられます。結局、深くなるほど右向きにずらされてしまい螺旋を描くように向きが変化しています。

まとめ

風がどのように発生し、どのような力が作用することで風力や風向きが決定づけられているのか解説してきました。風の源となっているのは気圧差であり、気圧差から生じる気圧傾度力が大きいほど強い風が吹くということでした。さらにコリオリ力によって向きが曲げられ、このほか遠心力や摩擦力の影響も受けながら風は吹いているのです。

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