海洋プレートとは?日本周辺の種類や地震との関係も


この記事では「海洋プレート」に関する情報を分かりやすく解説していきます。

私たちが生活する地球というのはおよそ15枚のプレートで構成されていますが、そのプレートは「海洋プレート」「大陸プレート」の2つに分けられます。

このうち海洋プレートとは表面が海に覆われているプレートのことです。

海洋プレートは表面が海に覆われているため大陸プレートより密度が高いといった特徴を持っています。

ここでは、そんな海洋プレートの種類や海洋プレートのでき方、海洋プレートと地震の関係について詳しくまとめました。

こちらを読めば「なぜ日本は地震が多いのか?」といった疑問も解消されますので、ぜひ参考にしてみてください。

海洋プレートとは?

地球の表面は約15枚のプレートによって構成されています。

プレートには大きく分けて海洋プレートと大陸プレートの2つがあり、このうち海洋地殻とマントルによって作られているのが海洋プレートです。

海洋プレートの厚さはおよそ6kmとされていて、その地殻は玄武岩によって出来上がっています。
(大陸プレートを構成するのは花崗岩)

海洋プレートと大陸プレートを比較すると密度や強度が高いのは海洋プレートの方です。

これは表面にある海水が地面である「海底」を押し付けているからであり、そのため2つのプレートがぶつかり合うと海洋プレートは大陸プレートの下に潜り込む形となります。

ちなみにこの海洋プレートが潜り込んでいる場所が「海溝」です。

世界でもっとも深い海溝と言われているのは「マリアナ海溝」で、その水深はおよそ10,000mとされています。

そんな海洋プレートは地殻変動によって日々少しずつ動いています。

日本から見て東側にある太平洋プレートは日本側に向かって動いているため「いつかはハワイまで歩いて行けるようになる」という話はとても有名です。

ただし、これは理論上8000万年後の話であり、さらにはハワイを乗せた太平洋プレートは日本に辿り着く前に北アメリカプレート(北米プレート)に沈み込んでしまうので現実的には叶いません。

このように地球を構成する海洋プレートや大陸プレートには知的探求心をくすぐる様々な要素があるわけですが、次に日本近くにある海洋プレートの種類について解説していきましょう。

日本付近の海洋プレート

海洋プレート

日本は太平洋プレート・フィリピン海プレート・ユーラシアプレート・北アメリカプレートという4つのプレート上に存在する国です。

ざっくり分けると東日本は北アメリカプレート、西日本はユーラシアプレートの上に位置しています。

そして東北地方の太平洋沖には太平洋プレートが広がり、関東より南の海にはフィリピン海プレートが広がっています。

これだけプレートが密集している国は世界的に見ても珍しいわけですが、そんな日本近海にある2つの海洋プレートの特徴をご紹介していきましょう。

太平洋プレート

太平洋プレートはおよそ2億年前、ジュラ紀の時代に誕生した海洋プレートと考えられています。

北はアラスカ、東はカリフォルニア近海、西は日本列島のそばにまで広がる非常に大きな海洋プレートです。

そんな太平洋プレートは前述の通り年間数センチといった単位で西側へと移動し、北アメリカプレートやフィリピン海プレートの下に潜り込んでいっています。

なお、太平洋プレートはかつて北側へ移動していたとされていて、海底火山の活動や他のプレート同士が衝突した影響によってその向きが西側へと変わったようです。

ちなみに先ほど触れた世界でもっとも深い海溝である「マリアナ海溝」は太平洋プレートとフィリピン海プレートがぶつかったところにあります。

太平洋プレートを構成する海底の地形などは「プレートテクトニクス(大陸が移動する仕組み)」を考える上で重要なプレートであり、日本人にとっては地震との関係性も高いため日々研究が進められています。

フィリピン海プレート

フィリピン海プレートは小笠原海溝・マリアナ海溝・フィリピン海溝などに囲まれた海洋プレートです。

太平洋の北西部に位置するフィリピン海プレートは、海洋プレートの中で比較的面積が小さいプレートとなります。

ちなみに日本の国土のうち、フィリピン海プレート上にあるのは唯一伊豆半島だけです。

そんなフィリピン海プレートは年間5センチ前後の速度で日本列島へ向かって移動しています。

そして関東や東海以南で定期的に大型の地震がやってくるのは、このフィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込むことが原因です。

特に神奈川県や静岡県、そこから四国にかけての沖合には相模トラフや南海トラフといった海底の溝があり、地震発生リスクが高い場所として知られています。

なお、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込むことで起きる自然災害は地震だけでなく、富士山の噴火も懸念されています。

富士山が最後に噴火したのは約300年前ですが、いまだ活火山としての活動が記録されていて、大型の地震によって噴火が引き起こされる可能性もゼロではないとのことです。

海洋プレートのでき方

海洋プレートは地殻変動によって大陸プレートの下側へと潜り込んでいきますが、そうなると「いつかは海洋プレートがなくなってしまうのでは?」といった疑問も出てきます。

もちろん海洋プレートがなくなることはありません。

海洋プレートは海嶺と呼ばれる海底山脈が新しく生まれることで出来上がっていきます。

海嶺は海底での火山活動や地殻変動によって形成されますが、簡単に言えば地球の内部にあるマントルが海底まで上昇し、それが冷やされることで新しい海洋地殻を生み出すといったイメージです。

海嶺が出来ることで海洋プレートも新しくなり、そのときの力によって海洋プレートが押し出されて大陸プレートの下側に潜り込むとも言えます。

ちなみに海嶺が出来上がる場所は長い年月をかけてズレていき、それに伴い海洋プレートの移動方向も変わっていきます。

また、海洋プレートは海底火山の影響によって元々のプレートから引き裂かれることもあるというのが特徴的な部分です。

海洋プレートと地震の関係

日本が地震大国と呼ばれるのは国土の周りに4つのプレートが集中しているからです。

地震は海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込んだときに生じる「プレート同士のひずみ」が原因となります。

海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込むと、大陸プレートも同じように地球内部へと引っ張られます。

しかし、このとき引っ張られた大陸プレートが限界を迎えれば、その反動で地上方向へと跳ね上がるわけです。

この大陸プレートが地上方向へと跳ね上がる動きが地震を生む大きな要因です。

ちなみに海洋プレートが海溝に沿って大陸プレートの下に潜り込み、そのとき発生する地震のことを「海溝型地震」と呼びます。

東日本大震災や関東大震災、スマトラ沖の地震といった大型の地震はこの「海溝型地震」です。

海溝型地震の場合には強い揺れだけでなく津波も発生するので被害が大きくなる傾向にあります。

まとめ

地震と関係の深い「海洋プレート」について詳しく解説をしてきました。

ご覧いただいたように日本の周りには太平洋プレート・フィリピン海プレート・ユーラシアプレート・北アメリカプレートという4つのプレートが集中しています。

このうち太平洋プレートとフィリピン海プレートが海洋プレートに分類されますが、2つのプレートが大陸プレートの下に潜り込むことで大きな地震というのは発生しているわけです。

海洋プレートの動きと海溝の位置、プレートの移動周期といった複合的な要素によって地震は発生しますので、特に海沿いの街に住む方は海洋プレートと地震の関係性を学んでおきましょう。

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