コバンザメの生態・特徴!吸盤の役割や名前の由来など

この記事では独特な生態を持つ「コバンザメ」に関する情報をご紹介していきます。

人間の社会で「コバンザメ」と聞くとあまり良いイメージがないかもしれませんが、最近はゲームなどの影響によって「コバンザメ=かわいい」という認識を持つ方が増えてきました。

そんなコバンザメですが、実は「サメ」の仲間ではありません。

名前や見た目からサメの一種と思われがちですが、コバンザメは他の魚の仲間となります。

ここでは「コバンザメがどういった魚なのか?」「どこに生息していて何を食べるのか?」といった疑問を解消するため、様々なコバンザメ情報をまとめました。

海の生き物に興味があるという方は、ぜひ最後までご覧になっていってください。

コバンザメとは?

コバンザメは「スズキ目・コバンザメ科・コバンザメ属」に分類される海水魚の一種です。

冒頭でも伝えたように、サメという名前が付いていますがサメの仲間ではないところがコバンザメの特徴と言えます。
(サメは軟骨漁網のネズミザメ上目やツノザメ上目に属する魚であり、そもそもの分類が異なる)

ちなみにコバンザメが分類されるスズキ目にはベラ・ハゼ・カジキなどが属しています。

そんなコバンザメの体長はだいたい70~80センチくらいで、体重は1キロ前後の魚です。

大きなものだと1メートル以上2キロ超えの個体もいますが、ほとんどのコバンザメは1メートルを超えることがありません。

なお、コバンザメは世界中の亜熱帯・熱帯海域に生息していて、大抵どこの海でも見かけることができます。

ただし、メキシコ湾から南米にかけて生息するコバンザメは別種として考えられているため、海の中には2種類のコバンザメがいるとのことです。

コバンザメの名前の由来

コバンザメという名前は、頭部の背中側に「小判型」の吸盤が付いていることに由来します。

普通の魚であればツルッとした頭部になっているところが、コバンザメの場合は背ビレが変化した吸盤になっているわけです。

ちなみに背鰭には32~42の軟条、臀ビレには29~41の軟条があります。

このように吸盤とヒレが他とは異なる進化を遂げているのがコバンザメの特徴です。

コバンザメの生態・特徴

コバンザメ

ここからはさらに詳しいコバンザメの生態や特徴をご紹介していきます。

コバンザメが生息する場所や食性、吸盤の役割などを分かりやすくまとめたのでご覧になっていってください。

生息地

コバンザメの生息地は世界中の亜熱帯・熱帯海域です。

そのため、日本近海であればどこでも見かける機会があると言えます。

なお、コバンザメが生息しているのは水深20~60メートルくらいのところなので、一般的なサメよりも水深の浅い海を好む性質を持っています。

ちなみにコバンザメは他の大型魚にくっつきエサを確保するといった特徴を持っていますが、船にくっついて移動することも少なくありません。

これを踏まえると、コバンザメは海面に近い場所でも普通に生きられるということになります。

また、ほとんどのコバンザメは他の生物にくっついて行動を共にしますが、サンゴ礁がある沿岸部では一匹で活動するコバンザメもいるようです。

そのほか、海底の砂地でエサを確保するコバンザメもいることが分かっていて、その性格や行動原理は個体によっても異なるものと考えられます。

食性

コバンザメは大型の魚やウミガメなどにくっついて行動し、その主の食べ残しをエサとします。

ほかにも身を寄せる主の寄生虫や排泄物を食べるようですが、このことを踏まえるとコバンザメは雑食性の生き物と言えるでしょう。

なお、コバンザメのように他の生き物と行動を共にして、自分だけが得をする生活形態を「片利共生」と呼びます。

片利共生とは片方が得をするものの、もう片方には特に利害が発生しないことを指す言葉です。

大型の魚やウミガメ、クジラなどにとってはコバンザメがくっついていようとそうでなかろうとエサの確保や外敵に襲われる危険性に違いは出ません。

しかし、コバンザメからするとくっつく相手によって自分の身の安全やエサが食べられるかどうかが変わってくるので、とても重要なポイントとなるわけです。

吸盤の役割

コバンザメの頭部から背中にかけては吸盤が付いていると説明しましたが、この吸盤部分には「隔壁」と呼ばれるスリットのようなものがあります。

隔壁は普段「後ろ向き」に倒れていますが、相手にくっつくときは自分の身体を押し当てて隔壁を「垂直」に立たせます。

こうすることで相手の身体と自分の身体の間にある水圧が小さくなり、実際の吸盤のようにピタッとくっつけるわけです。

なお、後ろから垂直方向に立つという隔壁の構造上、コバンザメは後ろから引っ張っても間の水圧がより小さくなるだけなので簡単には引きはがせません。
(コバンザメより速く泳げる魚にくっついていても引きはがされないのは、こうした構造のおかげ)

反対に、コバンザメを前から引っ張ると隔壁が後ろ側に倒れるので簡単に引きはがせます。

ちなみにコバンザメが相手から離れるときは、自ら前に泳ぐことで吸着力を下げ、くっついた身体を離すそうです。

比喩表現のコバンザメとは?

昔の映画や小説などを見ていると、ときおり「コバンザメ」という言葉を見聞きすることがあると思います。

これは一種の比喩表現であり、基本的には「強い人間(権力やお金)にくっつき、そのおこぼれをあずかる卑しい人間」といった意味合いで使われます。

こうしたことから、日本では「コバンザメ=あまり良い意味ではない」といった印象が強いわけです。

(時代劇に出てくる悪代官の脇にいる小物キャラ、ヤンキー漫画でいうところのボスの隣にいつもいる弱キャラが「コバンザメ」と例えられる)

ちなみにコバンザメと似たような形では「腰巾着(こしぎんちゃく)」「金魚のフン」といった言葉も使われますが、厳密には若干ニュアンスが異なります。

・腰巾着や金魚のフンはただ強者に付きまとっているだけの人
・コバンザメは強者にくっつきながらおこぼれを狙っている人

少しの違いではありますが、何かを例えるときにはこうした違いがあることを覚えておきましょう。

コバンザメは食べられる?

一般的な魚とは異なる見た目をしたコバンザメですが、地方によっては食用として扱うところもあります。

コバンザメは白身の魚で、三枚におろしたあとはそのまま刺身で食べることが可能です。

また、フライや煮付けなどの料理にも使えますので、扱い方としては普通の白身魚と大差がありません。

ただし、やはり見た目が気になる点と可食部が少ない点から、市場に出回ることはほとんどないようです。

コバンザメは飼育できる?

野生のコバンザメは1メートル以上に成長することもありますが、飼育下においては70~80センチくらいまで成長すれば大きい方と言われています。

そのため、120~180センチ以上の水槽を設置できるスペースがあれば、自宅でコバンザメを飼育することは可能と言えるでしょう。

ちなみにコバンザメは比較的ストレスに強い魚なので飼育自体は簡単です。

ただし他種との混泳は少し難しいため、飼育するなら単体で育ててあげましょう。

まとめ

大きな魚やウミガメなどと行動を共にする「コバンザメ」の生態や特徴をご紹介してきました。

ご覧いただいたようにコバンザメの頭部から背中にかけては特殊な吸盤(隔壁)がついていて、その力を利用して他種の生物へとくっつきます。

そして、大型の魚などにくっつくことで外敵から身を守り、さらに食べ残しのおこぼれにあずかるというのがコバンザメの生活スタイルです。

そんなコバンザメを近くで見てみたいという方は、ぜひコバンザメを飼育している水族館まで足を運んでみてください。

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