アオリイカの特徴・生態!旬の時期や釣り方など

この記事ではイカの中でも人気が高い「アオリイカ」の特徴や生態をご紹介していきます。

アオリイカは「食べて良し、釣って良し」という、食材としても釣りのターゲットとしても人気があるイカです。

特に国産のアオリイカは高級食材として扱われるほど味が良いので、自分で釣って食べてみたいと思う方もいるはずです。

ここでは、そんな「アオリイカが生息している場所」や「アオリイカの釣り方」などを詳しくまとめました。

また、アオリイカの産卵時期や旬の時期、寿命といった部分も解説していますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

アオリイカとは?

アオリイカは「ヤリイカ科アオリイカ属」に分類されるイカのひとつです。

アオリイカは生息する場所によって種類と呼び方が変わりますが、近年では日本近海に生息するアオリイカにも3種のパターンがあるといった研究が進んでいます。

そんなアオリイカは食用として扱われるイカの中で身体が大きい方であり、釣ったときの「ヒキ」が良いと釣り人からも人気です。

ちなみに大きなアオリイカだと胴の長さが50cm以上、体重に至っては6kg超えといった個体も存在します。

一般的に釣れるイカだと胴長30cm前後・2kgほどのサイズが普通なので、大きなアオリイカを釣ったときの感動は格別と言えるでしょう。

身体の特徴

アオリイカは外套膜(頭のような部分)が卵型になっていて、ヒレに関しては波打つようなフォルムをしています。

なお、アオリイカのオス・メスは身体の模様で区別を付けることが可能です。

・背中に横線の模様が入っているのはオス
・背中に斑点模様が入っているのはメス

ちなみに「アオリイカはオスの方が美味しい」という説もありますが、これには明確な根拠がありません。

単純に「産卵が終わったばかりの衰弱しているメスは味や質が落ちる」という考え方から、オスの方が美味しいと言われるようになったと推測されます。

名前の由来

アオリイカは漢字で「障泥烏賊」と書きます。

「障泥(あおり)」とは馬具の一種で、泥除けを目的として馬の胴体に巻くものです。

アオリイカを広げたときの形がこの馬具のように見えることから「障泥烏賊」と名付けられたとされています。

なお、地方によってはアオリイカのことを「バショウイカ」や「モイカ」と呼ぶところもあります。
※アオリイカの外見が「芭蕉の葉」に似ていること、またアオリイカは藻場を利用して産卵することが別名の由来となっている

アオリイカの種類について

アオリイカには「アメリカアオリイカ」や「オーストラリアアオリイカ」など、複数の種類が存在します。

日本近海で獲れるものは単純に「アオリイカ」と呼ばれますが、最近はその中にも3種類のパターンがあることが分かってきました。

・シロイカ:胴長50cm・体重4kg程度、体色は灰色に黄色が混じったような色をしている
・アカイカ:3種のうちもっとも大きく成長するイカで、胴長60cm・体重5kgを超える個体も存在する。体色はオレンジ掛かった赤色。
・クワイカ:3種のうちもっとも小さいイカで、胴長13cm・体重150gほど。目の周りの色がエメラルドグリーンで他種と見間違えることが少ない。

こちらの3種のイカはどれもアオリイカとして扱われていますが、見た目や大きさなどが異なることから別種のイカとして考えられるようになってきています。

ただし、まだ正式な名称が決まっていないため、釣り人や漁師の間では「しろ」「あか」「くわいか」という通称でやり取りするのが一般的だそうです。

アオリイカの特徴・生態

ここからはアオリイカの特徴や生態をより詳しくご紹介していきます。

「どんな場所に生息しているのか?」「どういった場所に卵を産むのか?」といった疑問に答えていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

生息地

アオリイカは世界中の熱帯・温帯海域に生息しています。

ハワイより西側の太平洋からインド洋にかけて広く分布し、日本ではほぼ全国各地でアオリイカを見かけることが可能です。

ちなみに「アメリカアオリイカ」はカリブ海、「オーストラリアアオリイカ」は同国沿岸部の海域に生息していて、どちらも食用として扱われています。

なお、アオリイカは赤道を中心とした暖かい海域を好むイカです。

水温が15度を下回ると動きが鈍くなり、捕食活動が出来なくなります。

そのため、冷たい海域ではほとんど見かけることがありません。

また、日本近海に生息する3種のアオリイカは種類によって生息地や産卵場所の水深が異なります。(生息する水深の幅は10m~100mで、産卵時は水深の浅い藻場に卵を産み付ける)

産卵時期・場所

アオリイカは春になると産卵のために浅瀬へと移動してきます。

この際、海流で流されてしまう危険性を回避するため、卵は海藻などが生い茂る藻場に産み付けます。

ちなみに、アオリイカの卵は他の魚に食べられることがありません。

これはアオリイカの卵を包む「卵鞘(らんしょう)」が、魚が嫌がる成分を発生させているためと考えられています。

ただし、前述の通り日本近海のアオリイカには3種が存在し、そのうちクワイカの卵だけは魚から食べられるケースがあるようです。
(この違いについては現在研究中とのこと)

なお、アオリイカの卵は3週間ほどで孵化し、海中の小魚や小さい甲殻類を食べて成長していきます。

寿命

アオリイカの寿命はおよそ1年です。

春過ぎの5月~6月にかけて生まれたアオリイカの赤ちゃんは、半年ほどかけて成体になっていきます。

そして、冬を迎えると一般的によく見かけるサイズとなり、浅瀬から水深の深いところへと生活の場所を変えていくそうです。

※春になり繁殖・産卵活動を果たすとアオリイカの一生も終わりを迎える。

アオリイカの旬の時期

アオリイカの旬は「春」と「秋」の2回です。

春に釣れるのは成長しきった親のアオリイカで、サイズも大きく引き締まった肉質をしています。

一方、秋に釣れるのは幼体から成体へと成長している最中のアオリイカで、サイズは大きくありませんが柔らかな肉質を楽しめます。

なお、秋は数を釣ることができるため釣り初心者には秋の方がおすすめです。

国産アオリイカは高級食材として取り扱われるほど美味しいイカなので、ぜひ自分で釣ったものを新鮮なまま味わってみてください。

アオリイカの釣り方

アオリイカの釣り方は主に2種類で、「餌木(えぎ)」と呼ばれる疑似餌を使った釣り方と「ヤエン」と呼ばれる釣具を使った釣り方があります。

疑似餌を使った釣り方は「エギング」と呼ばれ、近年若者たちの間でも人気です。

一方、ヤエン釣りには生きた魚とテクニック、またある程度の経験が必要となるため、初心者の場合はほとんど餌木を使った釣り方を選ぶことになります。

なお、アオリイカは堤防からでも釣ることが可能です。

わざわざ釣り船に乗って沖に出なくても釣れるという部分も、アオリイカ釣りが流行っている理由のひとつと言えるでしょう。

まとめ

数あるイカの中でも「美味しさ」「釣りの楽しさ」がトップクラスと言われるアオリイカの特徴や生態をご紹介してきました。

アオリイカはサイズだけでなく、自分で釣り上げたときの感動も大きいイカの一種です。

もちろん味わいも最高ということで釣り人たちから人気があります。

そんなアオリイカがよく釣れるのは「秋」のシーズンとなりますので、これからアオリイカ釣りを始める方は参考にしてみてください。

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