普段なにげなくサーフィンを楽しんでいても「そもそもサーフィンはなぜ波に乗れるのか?」といったことを考えたことがない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではサーフィンの原理について解説していきたいと思います。
なぜサーフボードを使うことによって波に乗れるのか?といった部分から、人工波施設「Citywave」でサーフィンができる原理まで詳しくご紹介していきます。
サーフィンの一連の流れを確認
それではまず、サーフィンのことをよく知らない方向けにサーフィンをするときの一連の流れからみていきましょう。普段からサーフィンをしている方は読み飛ばしてください。
波待ち
サーフィンの一連の流れにおいてスタートになるのが波待ちです。岸とは反対の方向を向いて、乗れそうな波が来るのを待ちながら探します。
パドリング
乗れそうな波を見つけたらサーフボードを岸側に向けて、うつ伏せで寝そべり、水面を両手で交互に漕いで波のスピードに合わせるように進んでいきます。これがパドリングという動作になります。
テイクオフ
パドリングで進みながら波が崩れる直前の力を利用して、両手でサーフボードを押さえながら一気に立ち上がり波に乗る動作がテイクオフです。
ライディング
波に乗ったら斜面を滑り降りるように横へ進んでいき、ターンをしたり、波の力があるところへ戻ったりしてできる限り長い間波に乗り続けます。波に乗ってから乗り終わるまでがライディングです。
サーフィンで波に乗れる原理
ではここからはサーフィンで波に乗れる原理について解説していきたいと思います。
サーフィンで波に乗れる原理というのは物理学の分野に含まれます。
波が立つとそこには凹凸が生まれて、平坦な海面に戻ろうとする重力が働きます。
このとき、波が大きければ大きいほどそのパワーも増大するわけです。
そして、サーフボードには揚力が発生するので、この揚力と重力を組み合わせることで海面をボードが滑っていきます。
なお、この瞬間にサーフボードと海面の間ではハイドロプレーニング現象というものが発生しているのですが、これは摩擦が少なくなり物体が滑る状態のことを指します。
ちなみに摩擦力が大きくなるとボードは滑らかに海面を進んでくれませんので、この原理があることでサーフィンというスポーツが成り立っているとも言えるでしょう。
そして、波のトップに上がるときには波が上に巻きあがる力を利用しています。
この場合はレールを入れる(サーフボードを傾けて波の力をボードに受ける)ことで、トップへと上がる浮力と推進力を得ているわけです。
トップから降りるときにはレールを抜いて重心を利用しながら波の力によって前へと進んでいきます。
なお、ボードのスピードや進行方向を決めるときには前方や後方に体重をかけることによって操作をします。
このとき海面から反発する圧力と波の推進力のバランスによって、スピードが上がったり下がったり、またターンが出来たりするのですが、当然体重を掛け過ぎればバランスを崩してしまうので注意が必要です。
こうした操作を足と身体全体でおこなうことがサーフィンの基本原理となっていますので参考にしてみてください。
citywaveでサーフィンができる原理
Citywaveというのは人工的に作り出した波に乗ってサーフィンを楽しむものです。
参考URL:citywave Tokyo
日本でもこうしたcitywaveの施設があるのですが、citywaveでは向かってくる波に対してサーフィンをすることが一般的です。
普通のサーフィンでは波の進行方向にボードを向けて推進力を得て、巻き上がる波の力でトップへと上がっていきます。
それに対してcitywaveでは常に自分に向かってくる波に乗らなければなりません。
とは言っても、波であれば上に向かって巻き上がる力も働いていることになるので、その力を利用すればサーフィンをすることが可能です。
これはリバーサーフィンの原理と同じで、水底の障害物に水の流れがぶつかることで波が起こる作用を利用しています。
上流から流れてくる水は障害物に当たって波を起こすので、その波のトップに上がる推進力を常にキープすることでサーフィンができるということです。
ちなみに大きな波が来る前にはいったん海の水が沖へと引き、その後に波となってやってくるわけですが、規模は小さいながらその沖へと引くパワーを継続して使っているとも言えます。
また、向かってくる水に対して重心のバランスを上手く取ることもcitywaveでは重要なポイントです。
横に移動するときにはボードを傾けて重力を利用しつつ進み、戻ってくる際にはレールを入れてボードに圧力をかけながら推進力と浮力を得ています。
まとめ
普段はなにげなく楽しんでいるサーフィンの原理を知ることで新たな発見があったり技術の上達につながったりすることがあるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。