アカクラゲとは?特徴・生息地や刺されたときの対処法

この記事では褐色の縞模様と2m以上にもなる触手が特徴的な「アカクラゲ」に関する情報を詳しくご紹介していきます。

毎年気温が暖かくなってくると海でよく見かけるのがクラゲです。

数多くの種類が存在するクラゲですが、アカクラゲはその中でも比較的強い毒を持っています。

海水浴やサーフィン、釣りなどを楽しんでいるときにアカクラゲと接触してしまうと、強烈な痛みと共に患部が腫れあがってしまうので注意が必要です。

ここでは、そんなアカクラゲの特徴や生態、生息域や刺されたときの対処法をまとめました。

海に行く機会が多いという方は、ぜひ事前にアカクラゲの知識を身につけておきましょう。

アカクラゲとは?特徴は?

アカクラゲ

アカクラゲは「旗口クラゲ目オキクラゲ科ヤナギクラゲ属」に分類されるクラゲです。

放射状に広がる褐色の縞模様が傘の部分に16本入っているところが特徴的で、その下には合計で50本前後の触手が伸びています。

中には2m以上の触手を持つ個体も多く、この触手が身体に巻き付いてしまうとひどい炎症や腫れを引き起こしてしまうので注意が必要です。

ちなみにクラゲをよく見かけるのは7月~8月ごろとなりますが、アカクラゲの場合は4月~5月くらいでも観測されることがあります。

アカクラゲは水深3mあたりの海中に漂っていることが多いので、春先から初夏にかけサーフィンやシュノーケリングを楽しんでいる際に間違って触れてしまい被害に遭うケースも少なくありません。

なお、アカクラゲの触手に触れると鋭い痛みを感じますが、人が死ぬほどの毒性は持っていないので安心してください。

とは言え、触手が広範囲に渡って巻き付くと大きなケガを負ったり傷痕が残ったりしてしまうので、どちらにしても見かけたらすぐにその場から避難しましょう。

アカクラゲの生息地

北は北海道から南は沖縄まで、アカクラゲは日本全国の沿岸部で確認されています。
(日本海側・太平洋側関係なく生息している)

地方によってはアカクラゲの呼び方が変わるところもあり、一例として瀬戸内海付近では「アカンコ」と呼ばれ釣りのエサに使われることもあるそうです。

また、アカクラゲはその見た目が旧日本軍の連隊旗に似ていることから「レンタイキクラゲ」とも呼ばれています。

さらに死亡して乾燥したアカクラゲの刺胞が粉末状となり風に舞うと人のくしゃみを誘発します。

これに目を付けた戦国武将の真田幸村が敵陣に乾燥させたアカクラゲを投げ込んだという逸話があり、そこから「サナダクラゲ」と呼ぶ地域もあるとのことです。
(そのほか「ハクションクラゲ」と呼ぶこともある)

なお、アカクラゲは日本だけでなく台湾やフィリピン、北太平洋や北アメリカ西岸あたりにも生息しています。

そこまで海水温が高くなく、穏やかな気候の海域であればアカクラゲを見かける可能性はあるので、海外のビーチなどで遊ぶときにも注意はしておきましょう。

アカクラゲに刺された場合の症状

アカクラゲには多くのクラゲと同様に刺胞と呼ばれる器官があり、この刺胞に刺激を与えると中から毒を持った棘針が飛び出し相手に攻撃を仕掛けます。

そんなアカクラゲに刺されると、まずビリッとした痛みが走り、患部が赤く腫れあがることが一般的です。

たとえアカクラゲに触れた時間が一瞬でも棘針が刺さればその部分が毒に侵されてしまいますので注意しましょう。

先ほども少し触れましたが、アカクラゲの毒は人を殺すほどの強さではありません。

ただし、複数回に渡ってアカクラゲに刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。

ヒトは体内に毒が入ってくるとそれに対して抗体を作るわけですが、同じ毒が何度も身体に侵入してくるとアレルギー反応が起こってしまいます。

アカクラゲに刺されてから数分~15分くらいの間に吐き気・嘔吐・呼吸困難・眩暈・倦怠感などを感じたらアレルギー反応が起こっている可能性が高いため、なるべく早く病院で診察を受けてください。

なお、アレルギー反応がなくてもアカクラゲに刺されたところは1週間ほど腫れたままになることが多いので、腫れを早く引かせ痛みを和らげるためにも病院で専用の薬を貰った方が賢明と言えます。

アカクラゲに刺された場合の対処法

アカクラゲに刺されたときには、まず海から引き上げて陸へ戻りましょう。

これはアカクラゲに刺されたショックと痛みで溺れる危険性を回避するためです。

砂浜などに戻ったら、最初に十分な量の海水で患部を洗い流してください。

このとき真水を使ってしまうと患部に残っている刺胞を刺激する危険性が高くなり、さらに海水との浸透圧の差で毒液が体内へ入るスピードを後押ししてしまいます。

そのため「洗い流すときは海水で」というポイントをしっかりと覚えておきましょう。

また、患部に刺胞が残っていることが確認できるようならピンセットやタオルなどを使って取り除きます。

ただ、素人が自分の判断で刺胞を取り除こうと思っても上手く出来ないことが多いので、どちらにしてもアカクラゲに刺されたら海水で洗い流したあと病院に行くことをおすすめします。

ちなみにクラゲの毒には「酢」が有効的といった話もありますが、アカクラゲの場合は「逆効果」とのことです。

アンドンクラゲなどのハブクラゲ類の場合は毒に対して酢が効くのですが、アカクラゲの場合は酢によって刺胞が刺激されケガが悪化してしまいます。

そもそも素人の場合は刺された痕を見てアカクラゲに刺されたのか別のクラゲに刺されたのかを判別することが出来ません。

そのため、クラゲと思われる海洋生物に刺されたときには「患部を海水で洗う」「患部は擦らない」「真水は使わない」といったポイントを抑えた上で病院へと行きましょう。

参考:日本ライフセービング協会

アカクラゲは飼える?飼育法は?

アカクラゲは触れるとケガをしてしまう厄介な海洋生物ですが、ただ見る分にはキレイといった感想を持つ方もいます。

実際に水族館で飼育されているアカクラゲを見て「自分も飼ってみたい」と思った方はいることでしょう。

そんなアカクラゲですが、一応自宅でも飼育することが可能です。

ただし、アカクラゲは遊泳力が低いので、適度な水流がないと水槽の下に沈んでいき衰弱死してしまいます。

そのため、水槽でアカクラゲを飼育するなら水流を発生させる装置が必要です。

また、アカクラゲを飼うにはだいたい18℃~20℃くらいの水温が適切と言われていますので、水温を維持するための装置も別で用意しましょう。

なお、アカクラゲに限らず他のクラゲも水温が30℃を超えると上手く生きられないといった特徴がありますので覚えておいてください。

エサに関しては飼育するアカクラゲが捕食できるくらいの大きさの魚(シラスなど)やアサリを与えます。

あまりエサをやりすぎると水槽の水がにごり、アカクラゲが生息しづらくなるので気を付けましょう。

まとめ

毒性を持つ2m以上の触手や褐色の縞模様が特徴的な「アカクラゲ」に関する情報を色々とご紹介してきました。

ご覧いただいたようにアカクラゲの毒は人が死ぬほどではないにしろ、長い触手が巻き付けば広範囲に渡ってミミズ腫れや炎症を引き起こすので注意が必要です。

アカクラゲは夏だけでなく春先くらいから海で見かける機会が増えるため、サーフィン・シュノーケリング・ダイビングなどを趣味とする方は出来る限り気を付けるようにしましょう。

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