チンアナゴ

この記事では、水族館などでよく見かける「チンアナゴ」の種類や生態について解説していきます。

チンアナゴはウナギ目アナゴ科に分類される「海水魚」の一種です。

海底の砂の中に身体を隠しながらユラユラと漂う姿が特徴的で、複数のチンアナゴが並んでいる光景はどことなくコミカルな雰囲気があります。

ここでは、そんなチンアナゴの性格や食性、生息地などに関する情報も詳しくまとめました。

チンアナゴがどういった生き物なのか興味がある方は、ぜひ最後までご覧になっていってください。

チンアナゴとは?

チンアナゴは2010年ごろから注目を集めるようになり、その可愛らしい見た目から段々と知名度を上げてきた海水魚です。

いまでは「11月11日」が「チンアナゴの日」になるなど、すっかりと人気の高い生き物として知られるようになりました。

そんなチンアナゴの基本的な特徴や名前の由来からまずは解説していきましょう。

チンアナゴの特徴

チンアナゴはサンゴ礁に近い海底の砂地に生息する海水魚です。

身体の大部分を砂の中に隠しながら、頭部だけ水中に出してユラユラとしている姿が特徴的な点として挙げられます。

チンアナゴは基本的に群れで生活する海水魚なので、単独で行動することは滅多にありません。

また、チンアナゴの群れが同じ方向を向きながら漂っているのは、海流によって運ばれてくる動物プランクトンを捕食するためです。

ちなみにチンアナゴは一般的なウナギやアナゴと異なり嗅覚ではなく視覚によってエサや外敵を判別しています。

外敵が近づくと砂の中に素早く身を隠して相手がいなくなるのを待つわけですが、こうしたところもチンアナゴの特徴と言えるでしょう。

名前の由来

チンアナゴは日本原産の犬種「狆(ちん)」に似ていることからその名前が付けられたとされています。(狆に似ているアナゴなのでチンアナゴ)

狆は遥か昔から日本に生息する犬種で、白黒の毛並みと少し離れた両目を特徴としています。

チンアナゴもモノトーンカラーに離れた両目といったビジュアルをしていますので、このネーミングはまさに妥当といった印象です。

ちなみに英語ではチンアナゴのことを「spotted garden eel(スポッテッドガーデンイール)」と呼びます。

「spotted(斑点がある)」は身体の模様を表し、海底から顔を出す姿が庭で伸びる草木のように見えることから「garden eel(庭のウナギ)」と名付けられたようです。

チンアナゴに似ている生物の種類

チンアナゴ

チンアナゴと同じような見た目で、なおかつ砂の中に隠れながら生活している魚の種類をいくつかまとめたのでご覧ください。

ゼブラアナゴ

ゼブラアナゴは沖縄県西表島・フィリピン・インドネシアあたりに生息するチンアナゴ属の海水魚です。

チンアナゴは斑点模様をしていますが、こちらのゼブラアナゴは名前の通り身体が縞模様になっています。

なお、現在のところゼブラアナゴは絶滅危惧種に指定されているため、販売などはおこなわれていません。

沖縄本島近くの海であれば群れで生活する野生のゼブラアナゴが見られますので、趣味でダイビングをする方は海底付近を探してみてください。

ニシキアナゴ

チンアナゴより面長で、黄色と白の模様を特徴とするのがニシキアナゴです。

「錦」のように身体の色が美しいことからその名前が付けられました。

ちなみにチンアナゴとゼブラアナゴは「チンアナゴ属」に分類され、ニシキアナゴは「シンジュアナゴ属」に分類されます。

ニシキアナゴはチンアナゴよりも臆病とされていて、外敵の存在や何かしらの異変を察知するとすぐ砂の中に隠れるようです。

ホワイトスポッテッドガーデンイール

インド洋~西太平洋あたりの熱帯域に生息するのが「ホワイトスポッテッドガーデンイール」です。

身体の色は灰色に近い茶色で、白い斑点が並んでいるところが特徴的な部分となっています。

なお、チンアナゴの体長はおよそ35cm~40cmくらいですが、ホワイトスポッテッドガーデンイールの体長は70cm前後です。

チンアナゴよりも身体が大きく、背ビレも発達しているところが大きな違いとして挙げられます。

チンアナゴの生態

チンアナゴ

ここからはチンアナゴの生態について詳しく解説していきます。

チンアナゴがどういったところに生息していて、どういったものを食べて成長するのかをご覧ください。

生息地

チンアナゴの生息地はインド洋や西太平洋の熱帯域です。

日本近海では高知~沖縄あたりに生息していて、水深10m~50mくらいの場所にコロニー(群れ)を作って生活をしています。

基本的にはサンゴ礁周辺の海底(砂地)に穴を掘ることが多いのですが、海藻が密集しているような場所に住みつくケースもあるようです。

性格

チンアナゴは非常に臆病な性格をしています。

そのため、砂地に穴を掘り外敵から身を守るという習性が付いているわけですが、同じチンアナゴ同士ではケンカをすることもあるようです。

ケンカをしているチンアナゴは姿勢が低くなり、口を大きく開けて威嚇をします。

水族館のような飼育環境では3~4匹のチンアナゴがケンカをするシーンも見られますので、興味がある方はチンアナゴの前でその姿を観察してみてください。

食性

チンアナゴの主食は「動物プランクトン」です。

自然環境では海流に乗って流れてくる動物プランクトンを待ち構えて捕食しています。

巣穴から出てエサを探しに行くといった行動を取ることはなく、常に待ちの状態をキープしているところがチンアナゴならではの特徴です。

なお、チンアナゴを人工的に飼育する場合は動物プランクトンの代わりに「ホワイトシュリンプ」や「ブラインシュリンプ」を与えることもあります。

産卵

チンアナゴの繁殖活動はメスが水中に卵を放出し、そこにオスが放精をおこなうことで受精するといった形になっています。

ちなみにチンアナゴの繁殖活動については不明な点が多く、どうやってチンアナゴの稚魚が成長するのか?などは分かっていません。

色々な水族館の観察記録を確認しても、受精までは成功するものの水槽の中で生まれた稚魚は大人にまで成長しないようです。

チンアナゴは飼育できる?

チンアナゴは家庭でも飼育することが可能です。

ただし、チンアナゴの飼育は難易度が高く、初心者にはあまり向かない魚と言えます。

というのも、チンアナゴは先ほども触れた通り「臆病な性格」をしているので、人工的な環境では砂の中に隠れたまま餓死するケースが少なくありません。

また、チンアナゴは本来「海流によって流れてきた動物プランクトンを食べる」といった習性を持っています。

自宅の水槽で自然環境を再現するのは少々難しく、エサをやる際には工夫が必要となってきます。

さらにチンアナゴを飼育するには適切な砂の準備、水の入れ替えといった部分も重要です。

初めて魚を飼うという方には飼育が難しいと思いますので、仮に飼育するなら専門家によく話を聞いてから挑戦しましょう。

まとめ

可愛らしい見た目が特徴的な「チンアナゴ」に関する情報をご紹介してきました。

ご覧いただいたようにチンアナゴはサンゴ礁があるような熱帯域に生息する海水魚の一種です。

臆病な性格ということもあり巣穴から出ることは滅多になく、エサについては「流れてきたものを食べる」といったスタンスを取っています。

ただし、チンアナゴ同士ではケンカすることもありますので、次に水族館へ訪れたときはそんな珍しいチンアナゴの姿もチェックしてみてください。

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