キングペンギンの生態!特徴・性格は?皇帝ペンギンとの違いも

水族館にいる生き物の中でも特に高い人気を誇るペンギンですが、今回はそのうち「キングペンギン」と呼ばれるペンギンの特徴や生態をご紹介していきたいと思います。

キングペンギンは皇帝ペンギンの次に大きな身体を持つペンギンです。

見た目は皇帝ペンギンと似ている部分もありますが、生息地や子育ての仕方などは種類によって異なります。

ここでは、そんなキングペンギンの大きさ・寿命・性格などを分かりやすくまとめてみました。

また、キングペンギンと皇帝ペンギンの違いについても解説していきますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

キングペンギンとは?

キングペンギンは生物学上「ペンギン目ペンギン科オウサマペンギン属」に分類される鳥類です。

ペンギンは飛べない鳥として有名ですが、キングペンギンもその中の一種ということになります。

そんなキングペンギンの平均的な大きさは体長およそ90センチ前後、体重は10~16キロくらいです。

これはペンギン科の中で2番目の大きさであり、もっとも大きいのは同種とよく見間違えられる皇帝ペンギンとなっています。

ただし、キングペンギンのクチバシはペンギン科の中でもっとも大きく、その点においては皇帝ペンギンにも負けていません。

ちなみにキングペンギンが発見された当初はペンギンの中で一番大きな種類だったことから「キング(王様)」の名前が与えられました。

しかし、その後に南極大陸の調査が進むにつれてキングペンギンよりもさらに大きな種類のペンギンが見つかったわけです。

すでに「キング(王様)」の名前を冠したペンギンが存在していたこともあり、もっとも大きなペンギンにはさらに特別な「エンペラー(皇帝)」の名前が付けられたということです。

なお、キングペンギンの和名は「オウサマペンギン」で、キングペンギン(kingPenguin)は英名での呼び方となります。

キングペンギンの生態・特徴

キングペンギン

ここからはキングペンギンの生態や特徴をさらに詳しく掘り下げて紹介していきます。

キングペンギンは他のペンギンにはない性質が色々とありますので、ぜひご覧になっていってください。

生息地

キングペンギンの生息地は南インド洋・南大西洋・南極海など低緯度地域の島々です。

繁殖地に関しては南インド洋・フランス領のケルグレン島、南大西洋・イギリス領のサウスジョージア島、南インド洋・オーストラリア領のハード島などが挙げられます。

ほかにもフォークランド諸島やプリンスエドワード諸島など、南極に近い小さな島で繁殖をおこなっているところがキングペンギンの特徴です。

ちなみに「ペンギン=南極に生息している」というイメージを持っている方も多いと思いますが、キングペンギンは南極大陸に生息していません。

キングペンギンは南極にいるペンギンよりも若干暖かい地域を好んで生息地とします。

繁殖期以外では外洋へと出ることもあり、稀にニュージーランドやタスマニア島などの沿岸でも見かけることができるそうです。

なお、こうした性質が「水族館などでも飼育がしやすい」という特徴に繋がっています。

生態

キングペンギンは高い遊泳能力と潜水能力を持つ生き物で、最高では水深200メートル以上まで潜ることが出来ます。(時間にすると7~8分の潜水が可能)

ちなみに泳いだときの平均時速はだいたい8キロほどです。

そんなキングペンギンの主食はイワシなどの魚で、ほかにもイカや甲殻類を捕食しています。

繁殖や子育ての時期を迎えると自身の体重を維持するため、またヒナにエサをやるために1日3キロ以上の魚やイカなどを食べるというのがキングペンギンの食生態です。

なお、キングペンギンはオス・メスが交互に卵を温めて孵化を待ちます。

卵を足の上に乗せ、さらに抱卵嚢と呼ばれるお腹の皮をかぶせることで卵を温めるわけですが、繁殖期にはこうして抱卵のために並び立ち尽くすキングペンギンの姿がよく見かけられます。

寿命

自然の中におけるキングペンギンの寿命は約20年と考えられていますが、水族館などで飼育した場合には30年ほど生きる個体が多いようです。

ちなみに日本の水族館で飼育したキングペンギンの最高寿命は39年9カ月となっています。

そのため、キングペンギンは一般的な鳥類よりも遥かに長生きをする生き物と言えるでしょう。

ただし、野生下におけるキングペンギンの多くはヒナの段階で命を落としてしまいます。

その原因には寒さによって親ペンギンがエサを獲りに行けない期間が長くなること、また外敵からの攻撃などが挙げられますが、1回の繁殖でヒナが成鳥まで育つ確率は50%以下とのことです。

キングペンギンの性格

キングペンギンは基本的におっとりとした温厚な性格をしていますが、個体によっては気性が荒いものも存在します。

縄張り争いのために同じキングペンギン同士でケンカをすることもありますので、攻撃性が皆無というわけではないようです。

ただし、同じところに生息する他のペンギンに対して攻撃することはありません。

自分よりも小さいペンギンにも警戒心を怠らないことから、本来は臆病な性格をしているといった見方もできます。

キングペンギンと皇帝ペンギンの違い

続いてはキングペンギンと皇帝ペンギンの違いについて見ていきましょう。

体の大きさ

キングペンギンと皇帝ペンギンではそもそも身体の大きさが異なります。

・キングペンギン:体長90センチ前後、体重15キロ前後
・皇帝ペンギン:体長120センチ前後、体重30キロ~40キロ前後

ご覧のように平均すると皇帝ペンギンはキングペンギンの1.5倍~2倍くらいの大きさがあります。

皇帝ペンギンの方は小学生くらいの大きさまで成長しますので、両者を並べればそのサイズ感ですぐに違いが分かるということです。

身体の模様

キングペンギンと皇帝ペンギンでは身体の模様も若干違います。

キングペンギンは側頭部と首元、クチバシの下がオレンジ模様となっていますが、皇帝ペンギンはそこまでオレンジ色が強く出ません。

皇帝ペンギンはどちらかと言えば黄色に近い模様が顔と首周りにあらわれますので、この部分も見た目の違いに挙げられます。

生息地

先ほども少し触れましたが、キングペンギンは南極大陸に生息していません。

一方、皇帝ペンギンは主に南極大陸の内陸部~沿岸、その近辺の流氷上に生息しています。

つまり、より寒さに強いのは皇帝ペンギンの方と言えるでしょう。

ちなみにどちらも寒さに耐えるため皮の下には厚さ2~3センチほどの脂肪を蓄えています。

子育ての仕方

キングペンギンはオスとメスが交互に卵を温めますが、皇帝ペンギンはオスだけが卵を温めます。

皇帝ペンギンのメスは卵を産み終えるとエサを獲りに海へと出かけていきますが、これはヒナのためであると同時に産卵によって消耗した自身の体力回復も目的としています。

ちなみに皇帝ペンギンの子育ては海から100キロほど離れた南極大陸の内陸部でおこなわれますので、エサを獲りに行くのもかなりの重労働です。

※皇帝ペンギンが内陸部を生息地とするのは天敵であるヒョウアザラシからヒナを守るため、間違ってヒナが海へと落ちてしまわないためと言われています。

まとめ

丸みを帯びたフォルムが可愛らしい「キングペンギン」の特徴や生態について解説してきました。

ご覧いただいたようにキングペンギンは南極に近い島々で生活をしている生き物です。

皇帝ペンギンより暖かい気温に慣れているため水族館などで飼育がしやすいといった特徴を持っています。

また、外敵のいない環境で育てれば30年近く生きるというのもキングペンギンの生態のひとつです。

ちなみにキングペンギンのヒナ(赤ちゃん)はその見た目が成鳥とだいぶ異なります。

水族館へ出掛けた際には、ぜひそんなキングペンギンのヒナにも注目してみてください。

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