オタリアの特徴・生態!生息地やアシカとの違いなど


この記事では水族館の人気者「オタリア」の特徴や生態をご紹介していきます。

オタリアはアシカやトド、オットセイなどの仲間で主に南アメリカ大陸沿岸部に生息している海洋哺乳類です。

オスだと体長2m以上まで成長するオタリアは、そのガッシリとした体格や猛々しい鳴き声から「海のライオン」とも呼ばれています。

ここでは、そんなオタリアの生息地・性格・食性・寿命などを詳しくまとめてみました。

また、オタリアとアシカの違いについても解説していますので、ぜひ最後までご覧になっていってください

オタリアとは?

オタリアは「アシカ科オタリア属」に分類される海の哺乳類です。

同じ仲間としてはアシカ・トド・オットセイなどの名前が挙げられ、それぞれ異なる特徴や生態を持っています。

ちなみにアシカやオットセイには複数の種類が存在しますが、オタリアは一種類のみです。

そんなオタリアは基本的にメスよりオスの方が大きく成長します。

オスの大きさはだいたい2m〜2.5mで体重は300kg前後です。

これがメスになると大きさが1.8m〜2m、体重150kg前後となります。

つまり、オタリアのメスはオスの半分くらいのサイズということです。

オタリアが属するアシカ科の生き物は一頭のオスが複数のメスと共にハーレムを形成するところが特徴的な部分ですが、オタリアも同じく一夫多妻制を基本としています。

なお、オス同士の争いに負けてメスを獲得できなかった個体はハーレムの周辺で群れを作り、寂しく生涯を終えることになってしまいます。

しかし、ときにはハーレムからメスを伐おうとするオスもいるそうです。

遊泳能力・潜水能力

オタリアは海中で自由自在に動けるほど高い遊泳能力を持っています。

また、潜水する際には水が鼻から入ってこないよう、意識的に鼻の孔を閉じられるといった特技もあります。

どれくらい長く潜水していられるかについては詳しく分かっていませんが、少なくとも数分~十数分は継続して潜っていられるようです。

なお、オタリアは肺に溜めた空気を使って音を出し、海中でも仲間同士で意思疎通が取れるとのことです。

オスとメスの見分け方

成熟したオタリアのオスは大きな頭と立派なタテガミを持っています。

しかし、メスや子供のオタリアにはタテガミがありません。

また、オスの鼻はやや上向きになっているので、こうした部分を見ればオスとメスを見分けることができます。

繁殖と成長

オタリアが繁殖活動をおこなうのは8月〜12月ごろです。

一頭のオスが複数のメスと交尾をおこない、一頭のメスからは一子のオタリアが生まれます。

なお、メスの妊娠期間はおよそ360日程度とされているので、このあたりは人間とほぼ同じです。

ただし、子供のオタリアは生まれた時点で体重が10kg以上あります。

また、生まれてから数か月後には海で泳ぐ練習を始めますが、これはアシカ科の中でもかなり早く、早熟な生き物と考えられています。

「海のライオン」とも呼ばれるオタリア

オタリアは英語で「South American Sea Lion」と呼ばれています。

直訳すると「南アメリカ大陸にいる海のライオン」といった意味になりますが、オタリアならではの「タテガミ」と「鳴き声」がその由来です。

前述の通り、オスのオタリアにはタテガミがあり、身体の色もライオンに似たオレンジ色をしています。

また、オタリアの鳴き声は「グォーグォー」「ガァオーガァオー」といった感じに聞こえるので、そのあたりもライオンを連想させる部分です。

オタリアは絶滅危惧種?

現在のところ、オタリアは絶滅危惧種に指定されていません。

同じアシカ科だとキタオットセイが絶滅危惧種になっていますが、オタリアはまだそこまで個体数を減らしていないようです。

とはいえ、かつては毛皮・油を目的とした狩猟の影響で大幅に個体数を減らした過去があります。

そこから個体数が回復して、現在に至るということです。

オタリアの特徴・生態

ここからはオタリアの生息地・性格・食性・寿命といった具体的な生態をご紹介していきます。

生息地

オタリアの生息地は南アメリカ大陸の沿岸部です。

具体的には南アメリカ大陸の南端にあるマゼラン海峡から西側はペルーの沿岸部、東側はブラジル南部の沿岸部までとなります。

国で考えるとペルー、チリ、ウルグアイ、ブラジル、アルゼンチンが生息地となっていて、北半球にはオタリアが生息していません。

ちなみに同じアシカ科のカリフォルニアアシカが北半球に生息していることもあり、似たような生き物であるオタリアは「ミナミアシカ」と呼ばれることもあるそうです。

性格

オタリアはアシカ科の生き物としては大人しい性格をしていると言われていますが、実際のところメスを取り合う際にはオス同士で壮絶な戦いを繰り広げます。

また、普段の生活でもケンカをすることはあるので、それなりに好戦的な性格の持ち主と言えそうです。

ちなみにオタリアはアシカと同じく高い知性を持っているため、飼育下においては人間の言うことを理解してくれます。

なお、オタリアに芸をしこめるのもこうした知性を持っているからです。

食性

オタリアの主食は魚やイカ、甲殻類などの生き物です。

そのため、オタリアは「肉食性」の生き物と言えます。

そんなオタリアは、ときにオットセイやペンギンを捕まえて食べることも珍しくありません。

特にオタリアによるオットセイ被害は多々報告されていて、子供のオットセイにとってオタリアは天敵とも呼べる存在です。

なお、体長2m超えの成獣となったオタリアを襲う生き物はほとんどいませんが、唯一シャチにはオタリアもかないません。

寿命

オタリアの寿命は野生下で15年〜20年、飼育下で25年〜30年程度と考えられています。

2017年に三重県の鳥羽水族館で飼育されていたオタリアが息を引き取りましたが、このオタリアの飼育期間は日本最長記録の31年です。

つまり、ちゃんとした食事を継続的に摂れれば30年近くは生きるということになります。

とはいえ、野生下においては子供の頃に「陸上の肉食獣に襲われる」「シャチに攻撃される」といった形で命を落とす個体も少なくありません。

オタリアとアシカとの違い

オタリアとアシカの主な違いは以下の通りです。

・水族館でよく見るカリフォルニアアシカよりオタリアの方が大きい
・アシカは硬い上毛と柔らかい下毛を持つがオタリアに下毛はない
・アシカの鼻は細いがオタリアの鼻は短くて太い

アシカとオタリアには見た目における違いがいくつかあります。

仮に水族館で見分けるときには「比較的大きい方がオタリアで小さい方がアシカ」と覚えておくと良いかもしれません。

ちなみにオタリアを

含むアシカ科とアザラシ科では、「耳たぶの有無」が異なるので見分けやすいかと思います。
(アシカ科には耳たぶがある、アザラシ科には耳たぶがない)

関連記事:アシカの生態・特徴って?生息地・性格やオットセイとの違いも

まとめ

海のライオンとも呼ばれる「オタリア」の特徴や生態をご紹介してきました。

ご覧いただいたようにオタリアは体長2mを超える大型の海洋哺乳類です。

アシカやオットセイと同じアシカ科の生き物であり、一頭のオスが複数のメスを抱えハーレムを形成しながら生活を送っています。

また、アシカ科特有の知性の高さも特徴のひとつで、これによって水族館では芸を覚え披露できるわけです。

次に水族館で生のオタリアを見るときには、ぜひこちらで解説した内容を思い出してみてください。

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