カワハギの特徴・生態!生息地や美味しい食べ方も

この記事では釣り人からの人気が高い「カワハギ」に関する情報をご紹介していきます。

カワハギは本州から九州まで幅広い海域に生息している魚です。

旬は夏とされていますが、肝が丸々と肥える秋冬のシーズンもカワハギを食べるのに絶好の季節と言えます。

ここでは、そんなカワハギの生息地・大きさ・食性といった特徴や生態を詳しくまとめました。

また、カワハギの仲間・種類や美味しい食べ方も解説していますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。

カワハギとは?

カワハギは「フグ目カワハギ科カワハギ属」に分類される海水魚です。

丈夫でザラザラとした皮に覆われているところが特徴的な部分であり、その鱗は棘状に発達しています。

また、口先がいわゆる「おちょぼ口」のようになっているところもカワハギならではの特徴と言えるでしょう。

このように一見すると不思議なビジュアルをしているカワハギですが、食べてみると非常に美味しい魚として知られています。

なお、カワハギの名前が一般的に知られるようになったのは1970年代ごろからです。

地方によっては昔から食用として扱われてきましたが、全国的に考えると今ほど知名度は高くありませんでした。

そんなカワハギが有名になった要因には「肝が美味しいと話題になったこと」「釣るのが難しく釣り人の関心を引いたこと」などが挙げられます。

ちなみにカワハギは全国各地に生息する魚で、決まった産地は特にありません。

ほかの食用魚と比べて漁獲量がそこまで多くないため、天然もののカワハギは高級魚として市場に出回ることになります。

別名と名前の由来

前述の通りカワハギは全身がザラザラとした硬い皮に覆われている魚です。

しかし、カワハギの皮は簡単に取り除くことが可能で、一気に剥がせることから「カワハギ」と呼ばれるようになりました。

また、カワハギは別名「バクチ」とも呼ばれますが、これは博打に負けた人間が身ぐるみを剥がされる様子から名付けられたようです。

ほかにも地方によっては「ハゲ」「カワムキ」などと呼ぶところがありますが、その由来はだいたい同じようなものとなっています。

なお、カワハギは釣るのが難しく、エサだけ取られることも多いので、釣り人の間では「エサ取り名人」「エサ泥棒」とも呼ばれています。

釣り方やエサ

カワハギを釣る際は大抵「乗合船」を使って沖釣りをおこないます。

また、カワハギ釣りは竿が命と言われていて、専用の竿を使うことが一般的です。

カワハギ専用竿の長さはだいたい1.7m〜2.2mくらいで、軽量性と操作性に優れたものが好まれています。

リールも小型かつ軽いものがよく使われていて、巻き上げのスピードを重視する釣り人が多いようです。

定番のエサはアサリの剥き身となりますが、地方によってはエビの剥き身を使うこともあります。

ちなみにカワハギ釣りで有名なのは神奈川県の三浦半島で、カワハギ釣りのブームを起こした場所として知られています。

カワハギに毒はある?

一般的に流通しているカワハギには毒がありません。

ネット上でカワハギを検索すると「毒」というキーワードを見かけることもあるのでドキッとしてしまいますが、毒を持っているのは「ソウシハギ」と呼ばれる魚です。

ソウシハギは「カワハギ科ウスバハギ属」に分類される魚なので「カワハギ科カワハギ属」のカワハギとは「属」の段階から異なります。

なお、カワハギとソウシハギはシルエットこそ似ているものの、体色に差があるので比較的見分けやすいと思います。(身体に青紫の線や模様があるのはソウシハギ)

カワハギの特徴・生態

ここからはカワハギの生息地・大きさ・食性といった特徴や生態をご紹介していきます。

生息地

カワハギは北海道より南側の全国沿岸に生息する魚です。

青森県あたりから九州地方まで幅広い範囲に生息していますが、北側より南側の方がカワハギの数が多いといった情報もあります。

また、カワハギは海底が砂地になっている場所や岩礁や根が点在する場所を好み、主に水深10m〜100mあたりを生活拠点としています。

ちなみにカワハギは昼間に活動し、夜は海藻などをくわえながら寝るといった面白い習性を持つ魚です。

なお、これは寝ている間に潮で流されないためと考えられています。

大きさ

カワハギの大きさは全長およそ30cm〜35cmほどです。

これまでに日本で釣り上げられたカワハギでもっとも大きいものは44.3cmとされています。

それほどオスとメスで大きさに違いは出ませんが、オスの場合は細い糸状の背ビレが1本だけ伸びているので、これによってオスとメスの区別がつくようになっています。

食性

カワハギの「肉食性」の魚です。

主なエサとしては貝類・甲殻類・ウニ・ゴカイが挙げられます。

硬い殻で守られている生き物でもバリバリと食べられるだけの強い歯を持っているところがカワハギの特徴です。

また、カワハギは口から水を吐き出し、その勢いで砂地に隠れている生き物を見つけるといった特技も持っています。

ちなみにカワハギはクラゲも食べるようですが、クラゲを捕食する際は群れを形成して集団で相手を襲うそうです。

カワハギの種類・仲間

カワハギにはいくつかの種類や仲間が存在します。

ここでは代表的なカワハギの仲間をまとめてみましたのでご覧ください。

〇アミメハギ

アミメハギは名前の通り、身体の模様が網目になっている魚です。

房総半島より南側で釣れますが食用にはされていません。

なお、アミメハギは「カワハギ科ウマヅラハギ属」に分類されています。

〇アミメウマヅラハギ

アミメウマヅラハギは小笠原諸島や屋久島、沖縄近海などで見かける魚です。

アミメハギ同様、身体に網目模様が入っています。

食べられないこともありませんが、体長15cmほどの小さいハギなので食用として扱われることはほぼありません。

〇ウマヅラハギ

ウマヅラハギは「カワハギ科ウマヅラハギ属」の代表的な魚で、純粋なカワハギの代用品として市場に出回ることもあります。

特に大きく育っていて鮮度が良いものはカワハギと同じように美味しく食べられます。

なお、名前の通り面長(=馬面)な顔とカワハギよりくすんだ体色が特徴的な部分です。


このほかカワハギの仲間には「ウスバハギ」「キビレカワハギ」などが挙げられます。

ちなみに先ほど軽く触れた、毒を持つ「ソウシハギ」もカワハギの仲間です。

カワハギの旬と美味しい食べ方

カワハギの旬は夏です。

刺身で食べるのであれば7月〜9月にかけた季節がおすすめと言えます。

ただし、カワハギは「二度の旬がある」と言われていて、肝が大きく成長する秋冬も美味しく食べられる季節です。

カワハギは肝を醤油に溶かした「肝醤油」と刺身を一緒に食べるのが一番美味しい食べ方とされています。

そのほか煮付けや鍋の具材、塩焼きや唐揚げといった調理法とも相性が良いので、色々な食べ方を試してみましょう。

まとめ

独特な見た目が印象に残る「カワハギ」の特徴や生態をご紹介してきました。

ご覧いただいたようにカワハギは釣り人から人気が高く、食べても美味しい魚として知られています。

特にカワハギの肝は「海のフォアグラ」とも呼ばれるほど重宝されているので、一食の価値ありと言えます。

秋から冬にかけた季節にカワハギの刺身と肝が売られていた場合は、ぜひ一度その味を体験してみてください。

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