関東有数のサーフスポットでもある「湘南」ですが、実際にどのエリアのことを湘南と呼ぶのかちょっと曖昧な部分がありますよね。そこで、ここでは湘南という地域について詳しく掘り下げてご紹介していきたいと思います。
「湘南」という名前の由来や、定義上「湘南」とされるエリアのこと。また、湘南のサーフポイントや湘南が人気の理由なども解説していますので、ぜひ参考として最後までご覧になっていってください。
湘南の名前の由来
「湘南」という名前には2つの由来と説がありますが、まずひとつ目は中国の地名に由来するという説です。「中国湖南省」の東部には湘江という川が流れていて、その南側にはかつて「長沙国湘南県」という場所があったそうです。
この湘南県では当時「禅宗」が流行っていて、その禅宗の教えを組んだ宗派が流れて着いた先が鎌倉と言われています。鎌倉時代には現在の鎌倉周辺で多くの禅宗が保護され、その教えを広める活動をおこなっていました。
こうしたことも起因し、さらに今の日本の湘南が中国の湖南省東南部の町・湘南県に似ていたことから「湘南」という地名が生まれたとされています。
また、もうひとつの説は現在の神奈川県がかつて「相模国」と呼ばれていたことに由来します。こちらは、相模という地名の「相」の字にさんずいを加え、その地域の南側という意味を込めて「湘南」としたということです。(海があり水が豊富だったためさんずいを加えたという説)
こちらの方が分かりやすいのですが、歴史的な背景からするとひとつ目の中国由来の説の方が定説として語られているようです。
湘南ってどこのこと?
続いて「湘南とはどこのことなのか?」という疑問についてお答えしていきます。ちなみに湘南というのはある意味「概念」のようなもので、ハッキリとどこからどこまでと決まっているものではありません。
地元の方々の感覚で言えば、東京の葛飾や江東あたりを「下町」と呼ぶのに近いという意見もあります。また神奈川県でも明確に湘南と指定する区域を定めていませんので、湘南というのはあくまでイメージのようなものということが分かってきます。
とはいえ、ある程度区切りがないと収まりが悪いので、ここでは行政やナンバープレートなどから湘南のエリアを解説していきたいと思います。
行政
行政上、湘南エリアとされるのは以下の市町となっています。
<湘南に定義される行政・市町>
・平塚市
・藤沢市
・茅ヶ崎市
・秦野市
・伊勢原市
・寒川町
・大磯町
・二宮町
沿岸部だけを見てみると東は藤沢市、西は二宮町までといった感覚ですね。また、特徴的なのは内陸部も湘南というエリアに該当する部分です。
秦野市などは海と面していないわけですが、行政的には湘南というエリアに含まれているということになります。湘南というと海のイメージがありますので少し不思議な感覚ですが、行政の視点から見ると内陸部も湘南の一部としてみなされているわけですね。
ちなみにこちらは神奈川県の「湘南地域県政総合センター」で所管区域とされている「藤沢市・平塚市・茅ヶ崎市・秦野市・伊勢原市・寒川町・大磯町・二宮町」という情報を参考としています。
ナンバープレート
次に「湘南ナンバーのプレートはどの範囲までの市町の方が取得できるのか?」という点も見ていきます。
なお、こちらは陸運局の管轄となるのですが、「藤沢市・平塚市・小田原市・茅ヶ崎市・秦野市・伊勢原市・南足柄市・高座郡・中郡・足柄上郡・足柄下郡」と定められているようです。
先程の行政で管轄されているエリアよりもやや広く、西は足柄まで湘南ナンバーに該当することになっています。
こうなってくるとかなり湘南という定義が曖昧になってくるのですが、様々な角度から考え内陸部を含めて西は真鶴町、東は藤沢市までが湘南エリアに該当すると言えそうです。
特徴的なのはどの管轄でも鎌倉市は湘南に定義されないという点ですが、一般的なイメージとしては鎌倉近くの海も湘南の一部と見られています。
ただし、旅行用のマップなどには「湘南・鎌倉エリア」といった形で記載されることも多いので、鎌倉の海はある意味独立したものとして見られているとも言えるでしょう。
サーフポイント
湘南には有名なサーフポイントがありますが、大きく「鎌倉」「藤沢」「茅ヶ崎」といった3つのスポットに分けることができます。
まず鎌倉のサーフポイントですが、こちらは「由比ヶ浜」と「七里ヶ浜」の2つが有名です。由比ヶ浜は夏になると海水浴客が集まることでも知られますが、やや遠浅のビーチで穏やかな波質が特徴となっています。
初心者向けでもありますので、東京近郊の多くのサーファーが練習の場として選んでいるサーフポイントとも言えますね。
次に藤沢と茅ヶ崎ですが、こちらには「鵠沼」「辻堂」「茅ヶ崎」といったポイントがあり、関東でも有数のサーフスポットとして知られています。
湘南はなぜ人気がある?
湘南というのは昔から非常に人気があるスポットです。これは東京都心部からもアクセスがしやすく、しかも海岸が広範囲に渡って広がっていることが要因と考えられます。
一般的に見ると鎌倉から江ノ島あたりまでの海を湘南と捉えることができますが、このあたりの海は波も穏やかで海水浴にも適した環境です。そのため、サーファー以外の方からしても利用がしやすい海と言えるのでしょう。
また、関東の中では南側にあるため比較的温暖な気候が楽しめるというのも人気の理由のひとつだと思います。
湘南で人気の地域の特徴
湘南の代名詞とも言えるのが「藤沢」と「茅ヶ崎」になりますが、ここではその2つの地域の特徴を見ていきます。
藤沢
湘南という言葉を象徴する「江ノ島」があるのがこちらの藤沢です。そのため、多くの人がイメージする湘南というのはこの藤沢ということになるわけですね。
藤沢には辻堂海浜公園や新江ノ島水族館といった観光スポットがたくさんあります。また、最近では近海で獲れるものを使った「しらす丼」などでも非常に有名です。
サーファーが多く訪れる地域であり、関東の中でも有数のサーフポイントですので、サーフィンを始めたばかりの頃はお世話になることも多いかと思います。
茅ヶ崎
藤沢に比べるとやや落ち着いた雰囲気を持つのが茅ヶ崎です。茅ヶ崎といえば何と言ってもサザンオールスターズ・桑田佳祐の地元としても有名で、海岸にはサザンビーチという名前も命名されています。
ちなみにかつては茅ヶ崎海水浴場という名前だったのですが、1999年に現在の「サザンビーチちがさき」と名付けたことから海水浴客も増えたそうです。茅ヶ崎には海岸の近くでバーベキューが楽しめるスポットも多く、サーファー以外のアウトドア派の方からも支持をされています。
湘南について知っておこう
関東有数のサーフスポットである「湘南」について詳しく解説をおこなってきました。意外と知られていない湘南の定義についても理解していただけたのではないでしょうか。
湘南はロケーションに優れた海がずっと続いたエリアです。サーフィンをしていない方でも十分に楽しめる要素が満載ですので、ぜひ小旅行などで訪れてみてください。
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