この記事では「時化(しけ)」という言葉の意味や語源、またその基準をご紹介していきます。
時化(しけ)は気象庁が発表する波浪表にも使われている言葉です。
ただ、「時化(しけ)という言葉を見聞きしたことはあるが、明確にどういった状態のことを指すのか分からない」といった方も多いと思います。
ここでは時化(しけ)に関する色々な情報をまとめましたので、どうぞ参考にしてみてください。
時化(しけ)とは?
「時化(しけ)」とは天気が悪く、強風のときに海が荒れている状態を指す言葉です。
「海が時化ていて今日は船を出せない」「明日は台風が来るから大時化(おおしけ)になるかもしれない」といった形で使います。
また、時化(しけ)という言葉は「海が荒れている」⇒「漁に出られない」⇒「魚が獲れない」という転じ方から「不漁」を意味することもあります。
なお、こうした意味を踏まえ、そのほかの商売でも景気が悪いときに使われるのが「時化(しけ)」という言葉です。
お金がなく元気がない様子の人を「しけたツラ」と表現するのは、この時化(しけ)から派生したものとなります。
時化(しけ)の語源
動詞の「時化る」を活用して名詞化したものが「時化(しけ)」という言葉です。
「湿気る」と同じ意味を持つ言葉とされていて、湿気るが転じて「時化る」⇒「時化」になっていったという説もあるようです。
また、「時化」という漢字はただの当て字なのですが、なぜ「しけ」に「時化」を当てたのかは分かっていません。
もともとは天気が悪く空が曇っている様子を「湿気る」と表現していて、それが「天気が悪い」⇒「海が荒れる」⇒「しける」⇒「時化る」⇒「時化」と変化していったと考えられています。
時化(しけ)の基準
気象庁では波の高さによって海の状態を判断していますが、その基準は以下の通りです。
・おだやか:波の高さが0m~1/10mまで
・おだやかなほう:1/10mを超えて1/2mまで
・多少波がある:1/2mを超えて1と1/4mまで
・波がやや高い:1と1/4mを超えて2と1/2mまで
・波が高い:2と1/2mを超えて4mまで
・しける:4mを超えて6mまで
・大しけ:6mを超えて9mまで
・猛烈にしける:9mをこえる
参考:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/harou.html
ご覧のように「時化(しけ)」と呼ばれる状態は、波の高さが4mを超えてからです。
また、波の高さが6mを超えているときは「大しけ」、9m超のときには「猛烈にしける」と表現されます。
つまりニュースなどで「海面が時化った状態になっている」と報道されたときには、少なくとも波の高さが4m以上ありますので近付かない方が賢明です。
海が時化ているときは海難事故が発生しやすく、たとえ海に出なくても堤防釣りなどをしていれば波にさらわれてしまう危険性があります。
釣りやサーフィンを趣味とする方は、よく海の状態を確認してから出掛けるようにしましょう。
波浪注意報・波浪警報について
海が時化の状態になると、住んでいる地域によっては波浪注意報や波浪警報が発出されます。
なお、波浪注意報は「高波によって災害が起きる恐れがあるとき」に出され、波浪警報は「高波によって重大な災害が起きる恐れがあるとき」に出されます。
ちなみに波浪注意報や波浪警報の基準は地域によって異なります。
つまり波の高さが3mの段階で波浪警報が出る地域もあれば、波の高さが6m以上で波浪警報が出る地域もあるということです。
海の近くに住んでいる方は、一度その基準を確認しておきましょう。
関連記事:波浪警報とは?基準や高潮警報との違いなど
まとめ
海が荒れている状態を指す言葉「時化(しけ)」について色々と解説してきました。
気象庁が「時化(しけ)」と判断するのは波の高さが4m以上になってからです。
ただし、波浪注意報や波浪警報はまた別の基準で出されますので、その違いをよく理解しておいてください。