ここでは、皆さん誰もが一度は見聞きしたことのある「地球温暖化」という問題について解説しています。なお、テーマは「地球温暖化が海に与える影響」です。
地球温暖化というと、なんとなく「毎年気温が上昇していく」「日本であれば亜熱帯化が進む」といったイメージを持っているかもしれませんが、問題はそれだけに留まりません。
地球の温暖化が進むと海洋にも影響を与え、ゆくゆくは現在の沿岸部が海の中に沈んでしまい、生活が出来なくなってしまうという危険性も含んでいるのです。
本文中では、そうした地球温暖化と海にまつわる話を分かりやすく説明していますので、どうぞ最後までご覧になってください。
地球温暖化とは?
地球温暖化というのは、地球全体の平均気温が上がり続けている環境問題のことです。人間が地球温暖化に与える影響の中でもっとも大きいものには、二酸化炭素やメタンガスの排出といった温室効果ガスの存在が挙げられます。
とは言っても、温室効果ガス自体が害悪なわけではありません。問題はこの温室効果ガスの量が増え続けていることにあります。
現在のところ、地球全体の平均気温というのは14℃前後とされていますが、温室効果ガスがこの世からなくなるとその気温はマイナス19℃にもなると言われています。
つまり本来は二酸化炭素やメタンといった温室効果ガスは地球を守る役割をしているわけです。しかし、1800年前後から始まった産業革命の影響により、自然界に存在する温室効果ガスの量というのは飛躍的に増加するようになりました。
これは人類が石油燃料を使うことを覚えた結果であり、現在もその影響というのは続いています。ちなみに1800年代後半~1900年代初頭では、地球の温度は10年ほどで0.1℃単位でしか上昇していなかったのですが、2000年以降の10年間では1℃単位での上昇幅を計測するようになっています。
なお、このままいくとおよそ80年後の2100年には、現在よりも地球の平均気温が4.8℃も上がるという研究結果もあります。そうなると日本も亜熱帯地域の一部となり、すでに平均気温が高い国では人が住めないような場所も出てきてしまうかもしれないのです。
そして、この地球温暖化の影響というのは地上だけでなく海にも影響を与えることが分かっています。その海への影響について次に詳しく見ていきましょう。
地球温暖化による海への影響
最初に「地球温暖化が進むと海にどういった影響があるのか?」ということを、ものすごく簡単に結論づけて答えておきましょう。まず、このままのスピードで地球温暖化が進むと、2100年までの間に現在の海面が最大82cmほど上昇するという計算が出されています。
つまり海抜ゼロメートル地帯で住む人たちの居住エリアは、およそ80年後にはなくなっているというわけですね。これは海水が温まることによって熱膨張を起こし、海面が大きく膨らむ結果に起因し、さらに南極などの氷河が溶け出すことも大きな要因とされています。
ちなみに1900年から2000年までの間には実際に海面が19センチ弱上がっているため、決して80年後の話が非現実的とは言えません。さらに地球温暖化は海に生息する生物たちにも大きな影響を与えます。
海水温が上がることで今と同じ生態系を維持できなくなる生物はもちろんいますし、二酸化炭素を吸収する役割を持つ海洋プランクトンが正常な状態でいられなくなる可能性も指摘されています。
こうなると現在わたしたちの食卓に並んでいるような海産物が獲れなくなりますので、必然的に沿岸部での仕事も減ることになってしまうわけです。
そして、もっとも深刻とされる問題が「海洋循環の停止」です。海水というのは地上の熱を受け止める役割をしているのですが、この熱せられた海水というのは巡り巡って北極や南極といった海域へとたどり着き、その温度を下げます。
そして、その温度が下がった海水がまた太平洋や大西洋に流れ着くことによって、海水の温度というのはある程度一定に維持されているわけです。
しかし、地球温暖化が進むとこの海洋循環がストップしてしまう危険性もあると言われています。
実際に地球温暖化がこれまで以上のスピードで進むと、22世紀以降には大西洋における深層循環(海の深いところでの海流やその循環)が停止するという予測も出されていますので、そうなると地球の温暖化は余計に加速してしまうことになるわけです。
このような地球温暖化によって予測される未来を考えると、地球温暖化をくい止めるチャンスというのは今しかありません。そこで、地球温暖化は何故起きるのか?という原因について解説していきたいと思います。
地球温暖化の原因
地球温暖化のもっとも大きな原因は「温室効果ガスの増加」です。なお、温室効果ガスに分類されるものを割合から算出すると、「二酸化炭素:76.0%」「メタン:16.0%」となっています。
つまり、この2つの要素だけで全体の9割以上を占めているということです。ちなみにほかの温室効果ガスには「一酸化二窒素」や「フロン類」といったものが挙げられますが、これらの割合は全体の1割以下となります。
こうしたことから考えても地球温暖化の原因は、二酸化炭素・メタンの量が増加していることであると分かるわけですね。
そして、この二酸化炭素とメタンがどうやって発生しているのかと言いますと、それは「化石燃料の燃焼」から生まれます。
簡単に言えば石油を使ったガソリンやそのほか化石燃料を燃やしてエネルギーや電気を生み出す行為が地球温暖化の原因となるわけです。
また、ほかにもプラスチックやビニール袋を燃やして廃棄すると二酸化炭素というのは発生します。こうした地球温暖化の原因が分かっている上で、今わたしたちが出来る対策というのは何なのか?
最後にその防止策についてご紹介していこうと思います。
地球温暖化対策
地球温暖化を防ぐためには、とにかく二酸化炭素・メタンの排出を抑えなければいけません。まず比較的に規模の大きな対策で言いますと石油類を使った発電に頼らない国の体制、ガソリンを使わない乗り物の開発といったところが挙げられます。
そして、個人レベルで出来る対策としてはとにかく二酸化炭素排出を抑える行為、つまり「エコな暮らし」を実践するということです。
なるべく家庭から排出するゴミの量を減らす、マイカーではなく公共交通機関を使う、電気はこまめに消すなどが代表的な例ですが、最近ではレジ袋有料化に伴いエコバッグの活用も推奨されるようになってきました。
ほかにも冷暖房の設定温度を変える、水を出しっぱなしにしないといった行動でも地球温暖化というのは防止することが出来ます。
こうした小さな積み重ねが100年後の未来を作ると考えれば、今のうちにやれることはすべてやっておいた方が良いと言えるでしょう。
まとめ
地球温暖化の原因や対策、そして地球温暖化が海に与える影響などを解説してきました。地球温暖化というのは何気なく耳にする言葉のひとつですが、ご覧いただいたように実は自分たちの生活に大きく直結するものです。
自分の子供や孫の世代のためにも、今できる対策をみんなでおこなうということが大事ですので、二酸化炭素を排出させないような暮らしをぜひ実践していきましょう。
なお、まずはなるべく無駄に車などを使わない、必要最低限のゴミの量にするなどを目標にすると頑張れるかもしれませんね。