砂浜の色に違いがあるのはなぜ?白・黒の理由や世界の珍しい砂浜も

海について語るとき、よく「青い海に白い砂浜」といった形容の仕方をしますが、実は砂浜はその土地ごとによって色合いが若干違います。

特に日本の海だと本当の意味で「真っ白な砂浜」を見かけることはほとんどありませんよね。

もちろん沖縄の離島などに訪れると海外の絵葉書に写されているような真っ白な砂浜と青い海を見られますが、関東や関西から近い海だとなかなかそういった白い砂浜を見ることが出来ないと思います。

しかし、そうなると「どうして砂浜の色に違いが出るのか?」といった疑問も思い浮かぶはずです。

そこで、この記事では砂浜の色にはなぜ違いが出るのかについて詳しく解説をおこなっていきたいと思います。

実はあまり知られていない砂浜の色に関する秘密をぜひご覧になっていってください。

そもそも砂浜とは?

それでは最初に「そもそも砂浜とは何なのか?」という基本的な疑問から解消していきましょう。

砂浜は波や風によって運ばれてきた砂が堆積して出来た「陸と海を隔てる場所」です。

通常の陸地のように土やアスファルトで出来ているわけでなく、あくまで砂だけが堆積して出来た部分のことを指します。

ちなみに海岸という言葉は広義において砂浜の境界域も含むものとされ、岩だけで出来ているような場所については岩礁海岸と呼び、砂よりも細かい泥で出来た場所を干潟と呼びます。

日本は四方を海で囲まれた国ですので、必然的に砂浜が作られやすい地形をしているところが特徴的な部分です。

砂というのは山から川を伝って流れてきた岩石や石、火山が噴火することで噴出された溶岩、貝殻やサンゴ礁など色々なものから出来上がっています。

そのため、砂浜の色はその土地の歴史や地形に由来することが多く、砂浜付近の岸壁などを見るとだいたい同じような色をしているといった特徴もあるわけです。

これが砂浜の色がそれぞれの地域によって若干異なる主な理由なのですが、それでは黒っぽい砂浜や白っぽい砂浜がどうやって出来上がるのか?という部分について詳しく見ていきましょう。

砂浜の色に違いがある理由

砂浜の色に違いがあるのは、砂浜を構成する砂の種類が違うからです。

砂が何で出来ているのかによって色合いが異なって見えるようになっているのですが、実際にどういった物質で出来ていると砂浜は黒や白に見えるのか気になりますよね。

そこでまずは代表的な砂浜の色について、その違いをご紹介していきたいと思います。

砂浜が黒い理由

砂浜が黒く見えるのは主に「溶岩」が砕けたものが砂として多く堆積しているからです。

溶岩が固まったものの多くは玄武岩とも呼ばれ、その色は黒もしくは灰色をしています。

そのため、火山が近くにあるような砂浜というのは黒くなりやすいといった特徴があるわけですね。

ちなみに玄武岩は地上にある火山の活動によっても噴出されますが、海底火山からも生み出されます。

海流によっては火山が近くになくても海底で生まれた玄武岩が砕けて砂浜を構成するので、砂浜がやや黒っぽく見えることもあります。

なお、黒い砂浜として有名な場所はハワイ島にある「プナルウビーチ」です。

ブラックサンドビーチとも呼ばれるほど一面が真っ黒の砂で覆われているところが特徴的で、なかなか日本でお目にかかることは出来ません。

また、ブラックサンドビーチではウミガメがよく産卵をするとも言われています。

ハワイ島に訪れた際にはこの黒一色の砂浜を見てみるというのもおすすめですので、ぜひ覚えておいてください。

砂浜が白い理由

入田浜

続いて砂浜が白くなる理由について見ていきましょう。

白い砂浜というのは、サンゴの死骸が細かく砕かれて砂になったものが多く堆積している地域でよく見かけられます。

サンゴ由来の砂は炭酸カルシウムが多く含まれていて、白く見えるところが特徴的な部分です。

また、ホタテなどの貝殻が砕かれて出来た砂も白っぽく見えます。

そのため、白い砂浜は生き物が死んだあとに砂となったもので出来上がったビーチとも言えますね。

なお、日本でも沖縄に行くと白い砂浜が多く見られるのはこうしたサンゴたちが本州と違って多く生息しているからです。

しかし、実際には本州などでも白い砂浜のビーチを見かけることがあります。

これは花崗岩という白っぽい岩石が削られて出来た砂が堆積しているからです。

花崗岩も玄武岩と共にそこまで珍しい岩ではありませんので、いたるところに存在しています。

つまり、白い砂浜だからといってもすべてがサンゴや貝殻に由来するわけではないということです。

日本の場合だと先ほどの玄武岩と花崗岩が入り混じった海岸が多いので、全体的に灰色っぽい砂浜が多いわけです。

簡単にまとめると花崗岩が多ければやや白に近い砂浜、玄武岩が多ければやや黒に近い砂浜になると覚えておきましょう。

ちなみに世界一白い砂浜とも言われているのがオーストラリアにある「ハイアムス・ビーチ」です。

まるで塩の結晶で出来ているかのような真っ白な砂浜は、まさに圧巻の光景と言えます。

世界の変わった砂浜の色

黒や白、灰色といった砂浜が大半を占める中、世界にはそれ以外にも変わった色の砂浜がたくさんあります。

そこで、いくつか代表的な砂浜をご紹介しながら、その色の違いを見ていきましょう。

緑の砂浜

ハワイ島の南端とガラパゴス島の一部でしか見ることが出来ないと言われているのが緑色をした砂浜、通称「グリーンサンドビーチ」です。

若いオリーブのような淡い緑色をしているところが特徴的で、その色の基となっているのはカンラン岩(橄欖岩)と呼ばれる鉱物となっています。

実際にその色を見てみるとどことなく「抹茶」のようにも見えますが、光の当たり具合によっても色味が変わるのでぜひ現地でご覧になってみてください。

赤い砂浜

続いて赤い砂浜についてですが、こちらはハワイのマウイ島にある「カイハルル・ビーチ」にて見ることが出来ます。

砂浜が赤い理由には、赤いまま固まった溶岩が砕けて出来た砂が多い点や周りの土壌に酸化鉄が多く含まれている点が挙げられます。

ちなみにカナダの東海岸に浮かぶ小さな島「プリンスエドワードアイランド」でも、同様の赤い海岸を見ることが可能です。

もともと酸化鉄を含んだ赤土が多い土地であることが理由とされていますが、どちらにしても珍しいことには変わりないかと思います。

ピンクの砂浜

最後にご紹介するのは見た目に美しいピンク色の砂浜についてです。

バハマの「エルセーラ島」やギリシャの「クレタ島」で見ることが出来るのですが、砂浜がピンク色になるのは赤サンゴが砂化したものが多く含まれているからとされています。

ピンク色の砂浜がある海外の島はハネムーン旅行の行き先としても人気です。

ぜひ人生で一度、その目でピンク色に染まる砂浜をご覧になってみてください。

まとめ

砂浜の色の違いがどうして生まれるのか?ということについて詳しく解説をしてきました。

砂浜の色はその土地の成り立ちや周りの環境によって大きく変わります。

特に火山が多い場所ではその噴出物によって砂浜が独特な色合いになるというのが特徴的な部分です。

ご紹介したように世界には日本で見ることが出来ないような珍しい色の砂浜もありますので、ぜひ一度現地へと訪れてみてください。

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